表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

213/269

その213 どうやら日本人ではないようです

 オルトロスはニアを噛み殺そうと大きく口を開けた。


 ニアはその口の中に向けて魔力の槍を突き刺す。


「ウォォォン!」


 喉を貫かれたオルトロスは、大きな叫び声を上げた後、ピクピクと痙攣して動かなくなった。


 それなりに防御力も高いであろうオルトロスを一撃で葬るとは凄い威力だ。

 

 危険がなくなり、少し速度を緩めた俺がニアの元へ到着する。


「ニア。大丈夫だったかい?」


「はい。シオンお兄ちゃんは大丈夫でしたか?」


「俺はケルベロスの一撃を食らって結構...あっ...」


 オルトロスとの戦闘を決めた俺の身体は完全回復をしていた。


 これならニアに回復魔法を掛けてもらう必要もない。


「今は大丈夫。オルトロスをぶん殴ってやろうと思ったら身体が治ってたよ。それにしてもニルヴァスの杖って本当に凄い武器なんだね」


「はい。普通の杖では武器として使って戦うということは出来ないですからね」


「2人組の男女と言うのは見たかい?」


「いえ。私は見ていません」


 ニアも見ていないということは本人達は来ていなかったということか? だとすれば、新たなモンスターが現れない限り、今回の依頼はこれで終了だと思うが。


 その時、街の方向から大きな音がした。


「一体何だ!?」


 街の方に視線を向けると街の入り口の方から煙が上がっていた。


 他にもモンスターが居たのか。


 モンスターを任されたのに、モンスターによって街に被害が出てしまったら責任問題だ。


 焦った俺は直ぐに街へと向かう。


 街へ戻った俺の目に映ったのは何人もの兵士の死体だった。


 入口が兵士の死体により通れなくなってしまっている。


「ぐがぁぁぁ!」


 声のする方を見ると、1人の男がガイアの喉元を持ち、宙へと持ち上げていた。


 自分よりも明らかに体格の大きいガイアを軽く持ち上げているように見える。


 男は少し長めの金髪で青い眼をしていることから、日本人ではなく白人のように思える。


「おいおい、こんなザコばかり集めて俺達を舐めてるのか?」


「がっ、がぁっ...」


 喉元を掴まれ、ガイアは窒息しそうになってしまっていた。

 

「ちょっとー、窒息死は止めてよ。そんな男の排泄物なんて見せられたら気分悪くなるし」


 男の側には女の姿がある。


 女の方も金髪に青い眼をしている。


 彼等の様に日本以外から転移された人間もいるということだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ