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208/269

その208 売買取引は成立しているのですが?

「俺が持った時はそんな風にならなかったぞ! どういうことだ!?」


 この杖は自分の魔力を流し込むことで魔力を武器へと変換している。


 ある程度の魔力を持っている者以外が手にしてもただの木の枝と同じだ。


「この杖は魔力を流し込むと武器に変換が出来るみたいですよ」


「何だと!? それは相当凄い武器なんじゃないのか!? 返せよ!」


 男はニアから無理矢理杖を取り上げようとする。


 男が魔力の刃に触れて怪我をしてはいけないと、ニアが魔力を消滅させる。


「何するんですか! これは俺達が買った物ですよ」


「うるさい! こんな良い物を金貨3枚で売る奴がどこの世界に居るんだよ!」


 ガラクタだと思っていた物を金貨3枚で売ろうとしていたくせに。


「もう支払いも終わって取引が成立している以上、この杖は俺達の物です」


 この世界の法律はわからないが、俺の居た世界ではそうなる筈だ。


 しかも俺達は金貨3枚で売っていた物を金貨3枚で買っただけなので何も悪いことはしていない。


「お前達。その杖が凄い杖だって初めから知ってたんだろ? そうじゃなかったら誰がそんな杖に金貨3枚も払うんだよ!」


 確かにニルヴァスの杖の可能性があるとは思って買ったが、確信があった訳ではない。


 しまったな...。こんなことになるならこの店を出てから試させるべきだったな。


「確かにそうかも知れないとは思って買いましたが...」


「ほら見ろ! どうしてもその杖が欲しいって言うなら、そうだな...後、金貨70枚...いや...金貨100枚出しな!」


 正直、金貨100枚くらいなら払ってやっても良いが、直ぐに払ってしまっては更に請求をされる可能性がある。


 俺は少し悩んでいる振りをして見せた。


「どうした? 買わないって言うのなら、さっさとその杖を置いて帰りな!」


「わかりました。買います。白金貨1枚でも良いですか?」


「ああ。問題ない」


 俺は白金貨を1枚カウンターの上に置く。金貨3枚から103枚になったのは痛いが、その100倍でも安いくらいの杖だ。


「これで文句はないですね?」


「ああ、良いだろう。銅貨3枚で買った物が化けたぜ! 今日は店じまいにして、今から酒場に飲みに行くからさっさと帰ってくれ」


 俺達は男に追い出される様に武器屋を後にした。


 正直、こっちとしても好都合だ。


 とにかく、これでニアはニルヴァスの杖という武器を手に入れることが出来た。


 次は俺がパンピーソードを手に入れる番だな。


 目標としていた物は買い終わったので、この後は適当に街を歩くことにした。


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