その207 ニルヴァスの杖は凄い武器でした
「ニルヴァスの杖? それはどんな杖なんだい?」
「大賢者ニルヴァスが使ったと言われている伝説の杖です。魔力の力を自由な形に変えることが出来ると聞きます」
大賢者が使った伝説の杖? そんな凄い杖がこんな小さな武器屋に置いてあるのか? しかも杖に付いている値札には金貨3枚と書いてあるのだが...。
「それってこんなに安く売っている物なのかい?」
「いえ...おそらく白金貨300枚くらいはする筈なのですが...。使える人が少ないことから価格が下がっていると聞きます」
3億か...。価格が下がっていてその値段はヤバイな。エクスカリバーに比べれば安いけど、こっちはただの木の棒にしか見えない。
普通に考えれば金貨3枚の時点で偽物を疑うのが普通だが、ニアが偽物に気付かないとも思えない。
どうせ偽物だったところで、金貨3枚だ。その時は高い薪を買ったと思って諦めよう。
俺はその杖を手に取ってカウンターへと持って行く。
カウンターの中にはガラの悪そうな男が立っている。
「これを下さい」
俺がカウンターの上に杖を乗せると男が不思議そうな顔をする。
「何でこんな杖を買うんだ? 普通、杖って言うのは多少なりとも魔力を高める効果を持っているんだが、この杖は持っていても全く魔力の増加がない杖だぞ?」
そんなガラクタの杖をよく金貨3枚で売ろうとしたな。完全にボッタクリじゃないか...。
「大丈夫です。それを下さい」
俺はカウンターの上に3枚の金貨を置いた。
「後から返すって言っても、絶対に返品は受け付けないからな! 文句を言うんじゃないぞ」
男はカウンターの上の金貨を取ると懐へとしまった。
俺は会計を済ませた杖をニアへと手渡す。
「はい。ニア」
「ありがとうございます。ちょっと試してみても良いですか?」
「ああ。俺もどんな杖なのか気になるからさ」
ニアが杖を握り魔力を流し込む。すると杖の先から剣を象った魔力の塊が現れる。
太いレーザービームと言った表現が一番しっくりくるだろう。
「その杖凄いね。剣の形以外にもすることが出来るんだよね?」
「はい」
再びニアが魔力を流すと魔力が槍の形へと変化をする。更に魔力を流すと弓の形に変化する。
これは凄いぞ。この杖1本あればどんな武器の変わりにでもなるじゃないか。
「その杖は何だ!?」
武器屋の店主は相当驚いている。
それもそうだ。ガラクタだと思って売ったつもりの杖が、実際にはその1万倍以上の価値があるものだったのだから。




