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その197 彼女居ない歴=年齢の悲しい男です

 ニアとスージーが友達になったのは良いが、俺とは友達になってくれないのだろうか? ニアとは友達という感覚ではないので、スージーが俺の友達になってくれれば、俺にとっては初めての女友達となる。


「シオン殿。シオン殿はあちらの世界に恋人などは居られるのか?」


 スージーに痛いところを突かれる。


「そんな相手居ませんよ...今まで恋人とか出来たことないんで...」


「そ、そうか!」


 スージーが嬉しそうな顔をする。スージーと俺の立場は同じかも知れないが、意味合いは全く違う。スージーとは違い、俺には誰も寄ってくる女性が居なかっただけだ。


「スージーさんって何故、騎士になろうと思ったんですか?」


 勝手な想像かも知れないが、あまり女性が騎士になるというイメージはない。


 特にスージーの様な綺麗な女性だったら、いくらでも他の道もあっただろう。


「私が騎士になった理由か...守りたい者を守れる力が欲しかったからだろうな...」


 守りたい者を守る為にはそれなりの力が必要だ。いくら自分が守りたいと思ってもその力がなければ守ることは出来ない。


「スージーさんが守りたいと思っている人って誰なんですか?」


「今はもうこの世界に存在しない人間だ...」


 スージーが悲しそうな顔をする。聞いてはいけない質問だったのかも知れない。


「あ、何かすみません...」


「いや...良いんだ...。気にしないでくれ」


 暫く2人の間に無言の時間が流れる。無言の時間を消し去ったのは俺の腹が鳴る音だった。


「す、すみません...」


「いや、気にしないでくれ。そろそろ食事も出来ている頃だ。食堂へ向かおう」


 俺達は以前この屋敷で食事を取った食堂へと向かった。


 食堂へ着き、中に入ると既にガラードが席に着いていた。


「丁度良い時間だな。そろそろ料理が運ばれてくる。好きな席に着いてくれ」


 俺が適当な椅子に座ると、これだけ席が空いているというのに、スージーとニアが俺の両サイドに座る。


 リュートはニアの隣の椅子に腹を着けている。


 俺達が席に着いて暫くすると料理の方がテーブルの上へと運ばれてきた。


 この前の料理も豪華だったが、今日の料理はそれを更に越える程の料理に見える。


 リュートに出されたの物に関しては、単純な山盛りの肉で質より量と言った感じだ。


 俺達が料理を食べ始めて少し時間が経った時だった。


 スージーが料理を食べる手を止め立ち上がる。


「父上! 父上にお話があります!」


「いきなりどうしたんだ?」


「私はシオン殿に恋をしてしまった様です!」


「ブホッ!」


 突然のスージーの発言に驚き、俺は食べていた物を吐き出してしまった。


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