その196 ニアに友達が出来ました
「食事の時間にはまだ少し早い。2人とも私の部屋へと来ないか?」
スージーの部屋か。勝手なイメージだが、甲冑などが飾ってあり男の部屋の様になっている気がする。
「ほぅ。珍しいな。お前が部屋に男を通すなど初めてのことではないのか? シオン殿のことを余程気に入ったのか?」
「な、何を言っているのですか...! ただ、シオン殿とは剣術に付いて語り合いたいと思っただけです!」
俺が剣のことに関しては全くの素人だとスージーも知っている筈だ。
語り合おうにも10秒もすれば話は終わってしまう。
「まぁ良い。今夜は私とスージーも一緒に食事をさせてもらうことにしよう。またその時に色々と聞かせてくれ」
ガラードはその場から立ち去って行く。
「さぁ、それでは私の部屋へ向かおう。2人とも付いて来てくれ。むろんリュート殿もな」
リュートをリュート殿と呼ぶ人間なんて、スージー以外に居ないだろうな...。
俺達はスージーの後に続きスージーの部屋へと向かう。
部屋に着き部屋の中へ入ると、意外にもスージーの部屋は女性らしい部屋だった。
部屋の中からは女性特有の良い匂いがする。
よくよく考えればアッチの世界を含めても、女性の部屋に入ったのは初めてだ。
「2人ともそこに腰を掛けてくれ」
部屋に置かれたソファーに俺とニアが腰を掛けると、その間にリュートが座る。
スージー自身は机の前に置かれた椅子へと腰を掛けた。
「それで聞かせてもらいたいことがあるのだが、何故、シオン殿は魔族であるニア殿と一緒に居るのだ?」
ニアの身体がビクリと反応する。
やはりシルキーに乗っている時に、ニアが魔族だと気付かれてしまったようだ。
だが、ニアが魔族だと知ってもそれ程スージーに変わった様子は見られなかった。
「俺がニアと一緒に居るのは...」
こうなってしまっては仕方がない。俺は今までのことを正直にスージーに話した。
スージーは俺の話を真剣な顔をして聞いてくれた。
「そうか。ニア殿...大変だったのだな...」
「ニアが魔族だと知っても何も思わないのですか?」
「短い間だったが、ニア殿のことは多少わかったつもりだ。種族の違いだけでニア殿を見る目が変わることはない。ニア殿さえ良ければ私と友人になって欲しい」
スージーの言葉にニアが嬉しそうな顔をする。スージーはニアのことを魔族だと知った上で友達になろうと思っているのだ。
「私もスージーさんとお友達になりたいです!」
「ありがとう。これからは友人として宜しく頼むぞ。ニア殿」
スージーが差し出した右手をニアは笑顔で握った。




