表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

182/269

その182 盗賊とかどこからでも湧いてきます

「一体何が!?」


 御者の男が突然馬車の中に入って来る。男は青い顔をしていて、明らかに何か大変な出来事が起こったんだろうと気付かせてくれた。


「と、盗賊です! 10人近い盗賊に馬車の進路を塞がれて、馬が何頭か潰されてしまいました...」


「盗賊だと!?」


 スージーが馬車の外へ飛び出たのに続き俺とニアも馬車の外へと飛び出る。


 俺達が外に出ると馬車の前方には8人の盗賊が立ち塞がっていた。


 馬車を引いていた4頭の馬の内、2頭は頭に矢が刺さり1頭は身体を切り裂かれていた。


 無事な馬は1頭だけで、流石にこの馬だけでは馬車を引くのは無理だろう。


「貴様ら何故、この馬車を狙ったのだ!」


 スージーは腰に付いている剣を抜くと正面に構えた。


「ガラード侯爵の紋章が付いた馬車を見付けたもんでな。金になるんじゃないかと目を付けたらビンゴだったな。お前はガラード侯爵の娘だろ? お前を誘拐すれば相当な身代金が取れそうだ」


 確かにこんな派手な紋章を付けて馬車を走らせていたら、侯爵家の人間が乗っていると周りに知らせているようなものだ。


「私とて騎士の称号を持つ者だ。簡単に行くと思うなよ!」


 スージーは単独で盗賊達に切り込んで行く。


「ちょっと、スージーさん待って!」


 俺の声が聞こえていないのか、聞こえていて無視をしているのかはわからないが、スージーに止まる気配はない。


「はぁっ!」


 スージーが剣を二振りすると盗賊2人がその場に崩れ落ちた。


「ぐはっ!」


 あれ? 実はスージーは強いんじゃないのか? 大サソリ相手にピンチになっていた様に見えたが、あれは仲間が毒に犯され動揺していただけなのだろうか...。


「ちっ! こいつ中々やるぞ...おい!」


「ああ。任せろ」

『アースバインド』


 盗賊の1人が魔法を使用すると、スージーの足元からツタが伸び上がりスージーの足にまとわり付いた。


「しまった!」


 ツタに足を取られてスージーは身動きをとることが出来ないようだ。


「ニア。俺はスージーさんの援護に行ってくるよ。ニアはここで待ってて」


「私も行きます!」


「でも...相手は人間なんだよ?」


「大丈夫です! 人を傷付けずに戦う方法だってありますから!」


「わかった...。でも無理はしないようにね」


 正直、多勢に無勢でニアの力がなければかなり厳しい戦いになるだろう。


 ニアが人を傷付けることなくやれると言っているなら、ここは力を借りるとしよう。


 俺はスージーに一番近い盗賊の元へと走った。


「ぐへへ。いくら強かろうがそうなってしまえば何も出来ないだろう。侯爵に引き渡す前にタップリと可愛がってやるからな」


「このゲスが!」


 盗賊はニタニタとしながらスージーに近付いて行く。


 俺は拳を握り締めると全力で盗賊を殴り付けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ