表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

153/269

その153 異世界でも朝は弱いかも知れません

「シオンお兄ちゃん。シオンお兄ちゃん」


 どこからかニアの声がする。俺が目を開けると目の前にニアの顔があった。


「ん...ニア...おはよう」


「もうすぐ出発するみたいですよ。他の皆さんは既に出発の準備を終わらせています」


 周りを見渡すと他の冒険者達は出発の準備を終え、朝食すら済ませている者が殆どだ。


 辺りには食料の残害などが転がっている。


 多分、ニアがギリギリまで起こさずに寝かせてくれたんだろう。


「ゴメン! ニア。ニアもお腹が空いたよね?」


「大丈夫ですよ。森に行く道中、食べながら移動すれば良いだけなので」


「それでは南の森に向けて出発したいと思います」


フォードの号令で一同が出発する。


 少し進んだところでニアはマジックボックスから食料を取り出した。


 俺達はそれを食べながらフォード達に付いて行った。


 4-5時間程歩いただろうか...。


 俺達の前に大きな森が姿を現した。


 森は大量の木々に覆われており、中の様子が全くわからないようになっている。


「ベヒモスがいるのはこの森の中ですが、どこに現れるかはわかりません。直接戦闘を行わない人達は後方から付いてきて下さいね」


 アーロンが決めた分担に合わせて隊列が組まれる。


 先頭は直接戦闘を行う者。次に魔法などの遠距離攻撃で援護する者。その後ろに回復魔法や回復薬で負傷者の治療をする者。最後に俺とマルコだ。


 正直回復魔法は無理だが、回復薬で負傷者を治療するくらいなら俺とマルコにも出来ると思うのだが...。


 全員の並びが決まったが、戦闘を行わない筈のフォードの姿は最前列にある。


 それぞれの活躍を見極める為なのかも知れないが、フォードがベヒモスにやられる様なことがあれば、報酬はどうなるのだろうか? 戦わないとしても自分の身を守ることくらいは出来るのかも知れないな。


 隊列を組み、森の中へと入って行くが周りにモンスターの気配はない。


 どこにいるかがわからないということは闇雲に森の中を歩き回ることになる。


 迷って森から出られなくなる可能性はないのだろうか? そんな不安を覚えながら10分程、森の中を歩いていると先頭の方から大きな声が聞こえてきた。


「いたぞ! ベヒモスだ!」


 先頭では戦闘が始まった様だが、俺の位置からは見ることが出来ない。


 先頭付近まで走って行くとそこには体長5mは優に越えるであろうモンスターの姿があった。


 大きな爪に大きな角。口からは鋭いな牙が生えているのが見える。

 

 爪、角、牙。これだけの素材を2人で持ち帰るとか絶対に無理なのだが...。


 ニアのマジックボックスがなければ途方にくれてしまうところだった...。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ