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146/269

その146 備えあれば憂いなしです

「ア、アンタ、その歳でマジックボックスの魔法を使えるのかい?」


「はい。この前覚えたばかりですけどね」


「こりゃあ驚いた...。マジックボックスの魔法は特級魔法に分類されてて、かなりの実力を持っている人間でも殆ど使える者が居ないって言うのに...」


「特級魔法? それはなんですか?」


「アンタ知らないのかい? 通常の魔法はその効果により初級、中級、上級の3種類に分けられているんだが、その3種類に当てはまらない特別な魔法のことを特級魔法と呼ぶんだ。上級魔法までは誰にでも覚えられる可能性があるが、特級魔法に関しては生まれ持った素質がなければ、絶対に覚えることが出来ないんだよ」


 上級魔法までは誰でも覚えられる可能性があると言うことは、レベルアップ以外にも魔法を覚える手段があると言うことだな。


 と言うことは最大MPが0の俺でも魔法を覚えることが出来るのだろうか? 普段は魔法を使うことは出来ないが〖五十歩百歩〗発動中ならMPを持つ可能性がある。


 〖五十歩百歩〗が発動していても普段使えるスキルはそのまま使えると言うことは、魔法も使える可能性が高い。


 誰でも使える可能性があるという発言が、魔法が使えるということを前提にしているなら、覚えることは出来ないと思うが...。


 今度ニアに聞いてみるとしよう。


「妹は素質があったんですね。それで薬の代金はいくらになりますか?」


「全部で金貨5枚と銀貨7枚になるけど、金貨5枚にオマケしとくよ」


「ありがとうございます」


 俺は腰の袋から金貨を取り出して老婆に手渡した。


 あっちの世界なら薬局で5万円とかあり得ない買い物だが、こっちの世界では命を救うことになるかも知れない物に出し惜しみは出来ない。


「ニアのマジックボックスって、まだまだ物を入れておくことが出来るのかい?」


「はい! 多分、お城1個分くらいは入ると思いますよ」


 それってほぼ無制限なのと変わらないな...。それならこの際、冒険に必要な物は全て買っておくか。

 

 食べ物なんかも買っておきたいけど、保存は効くのだろうか? 取り込んだ時と同じ状態を維持する的な。


「食べ物とかを入れた場合はどうなるか分かるかい?」


「何日経っても入れた時の状態のままですよ」


 流石特級魔法だ。だったら心配することは何もない。


 俺達は薬屋を出ると街中を回り、冒険に必要な物を買い集めた。


 野宿する為のテント。大量の食糧。大きな樽に入った水。水に関しては水筒に小分けして、飲みやすい様にはしてある。


 それに迷宮に潜った時に使うであろう松明など、全部揃えるのに金貨10枚程使ってしまったが、冒険には必要な物なので全然良いだろう。


 時間的にもそろそろ正午になる筈だ。


 買い物を終えた俺達は冒険者ギルドへと向かった。


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