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133/269

その133 やっと使える武器に巡り合えました

「シオンさん。シオンさん」


 ニアの声が聞こえてきて、俺の意識が眠りの中から戻ってくる。


「うーん...」


 目を覚ますと俺の直ぐ目の前にニアの顔があった。


「シオンさん。深夜になったのでイートラビットの討伐に向かいましょう」


 時間になったのでニアが起こしてくれた様だ。ニアに起こしてもらわなかったら、下手をすれば朝まで眠ってしまっていたかも知れない。


「ありがとうニア。いつの間にか寝ちゃってたみたいだ」


 身体を起こしベッドから降りると、俺に続きニアもベッドから降りた。気付けばリュートまでベッドの上にいる。


 俺達がベッドから降りるのに合わせてリュートもベッドから浮き上がった。


「よし。行こう! ニアも準備は良いかい?」


「はい! 休んだのでMPも全快になりました!」


 俺達が小屋から外に出ると小屋の壁に3本のクワが立て掛けてあった。


 右端のクワを手に取り構えてみると、今まで手にしたどの武器よりもシックリとくる感覚があった。


「ステータスオープン!」


ーーーーーーーーーーーー

シオン・ヨシムラ

男性 年齢17歳

人間 職業・村人 

LV30 HP165/165

SP92/92 MP0

力34 技34

速さ34 魔力0

防御34 幸運20

[装備]

農民のクワ 武器適正A 攻撃力35

[加護]

炎G 風G

土G 水G

雷G 聖G

光G 闇G

[スキル]

村人の一撃

村人の怒り

[ユニークスキル]

五十歩百歩

ーーーーーーーーーーーー


おお! 適正がAだからなのか、農民のクワの攻撃力が35もあるじゃないか。ということはベタに行くと力34の俺が攻撃力35の武器を装備したことにより、総攻撃力は69になったと言うことか。


 農民のクワがLV30の俺よりも高い攻撃力を持つのか...。複雑な気持ちだ...。


 と言うか幸運の数値が20から上がってないんだが、まさかのカンストしたってパターンか? だとしたら切なすぎるぞ...。


 まぁ、ともかくクワの補正で攻撃力が35上がるなら、イートラビットへの攻撃には充分そうだ。肝心のイートラビットだが、人参畑の場所を聞いていないため、どこに行けば良いのかが分からない。


 手当たり次第に畑を探そうとしていると、白い物体が1つの畑に大量に集まっているのが見えた。よく目をこらして見てみると、それらは畑に生えている人参を貪るウサギの姿をしたモンスターだった。


 どう少なく見積もっても100じゃ足りない。おそらく200匹近くはいるだろう。全滅させれば金貨60枚とかなりの稼ぎになる。俺はクワを構えながらイートラビットの群れの中に突っ込んで行った。


「てやぁぁぁ!」


 イートラビットに向けてクワを振り下ろすが、攻撃が当たらない。自分の動きは明らかに速くなっているのを感じるが、何故か攻撃だけが当たらない。


 そうか!? 速さが上がれば動きは速くなるが、攻撃が当たるかどうかは、わざの数値が関係しているんじゃないのか? だとすれば俺の攻撃は何万回繰り返したとしても当たらない気がする...。


 何か手は無いかと今現在使えるスキルを調べてみた。


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