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その128 リュートとの契約は破棄しました

 街の入り口に着くまでに何人かの人間とすれ違ったが、リュートを見る目が以前と変わっているような気がする...。


 最初はやはりドラゴンを見た驚きがあるようだが、その後に契約の首輪を確認して、安心した顔を見せているように思える。


「あ! そうだ! 従魔契約を破棄したいんだけど、どうやったら良いのかな?」


「この首輪に触れてディストラクションと唱えれば従魔契約は破棄されます。ただし、一度契約を破棄してしまうと、シオンさんとリュー君は2度と契約が出来なくなってしまいます」


 2度と契約が出来なくなろうと問題ない。この先で困ったことが起きたからと、再びリュートと契約をするという考えは毛頭ない。リュートが自分の意思で力を貸してくれる分には、ありがたくお世話になるが、契約の力で無理矢理戦わせるのは良い気分がしない。


『ディストラクション』


 俺がリュートの首輪に触れながらそう唱えると、契約をした時と同じ様にリュートの身体が輝き出した。暫くすると何事もなかったかのように輝きが収まったが、周りの人間が立ち止まって俺達の方を注目している。


 こうなるのは当たり前だ。いきなりドラゴンの身体が輝き出したら誰でも見てしまうだろう。


 うかつだったと後悔をしていたが、街の人間には特別興味がなかった様で、数秒見た後はそのまま通り過ぎて行ってくれた。


「リュート! 空に向かい上昇して!」


 リュートに指示を出したが反応は無い。どうやら契約破棄が成功した様だ。ちょっとだけ勿体ないことをした気はするが、これで良かったんだろう。

 

「それじゃあ西にあるっていう畑に行くとするか」


 俺達は[サーム]を出て、西の方角へ向かい歩き出した。


 10分程歩くと、目の前に大きな畑が姿を現した。やはり、直ぐと言う言葉はこれくらいの距離で使ってほしいものだ。


 畑はかなり広く、ここから確認できるだけでも25mプールくらいの大きさの畑が、低い柵で区切られながら少なくとも10面以上は見える。獣除けだと思われる1m程の高さの柵が外側に設置されているが、所々壊れていて、そこから中に入れる様になってしまっている。これでは折角の柵があまり意味を持たないだろう。


 イートラビットによって壊されてしまったということかも知れない。

 

 畑で働く人間が出入りする為に柵の中心に、人間なら簡単に開けられそうなつっかえ棒の付いた扉があったので、扉のつっかえ棒を外して扉を開き中へと入った。


 少し遠くの方に1人の男の姿が見える。おそらく畑で働く人間だろう。俺達は男から色々と話しを聞いてみようと、男の元へと向かった。


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