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123/269

その123 いよいよリュートとの従魔契約です

 何はともあれ、これでリュートとの従魔契約に挑戦する資格は出来た。後は成功することを祈るのみ。


「それじゃあ俺達は従魔登録所に行って来ますね」


「はい。お気を付けて。と言っても隣ですけどね」


「そう言えば名前を言ってなかったな。俺の名前はアーロンだ。気軽にアーロンと呼んでくれ。これからもウチのギルドの依頼を頼むぞ」


 アーロンは二アの実力がEランクよりも遥かに高い実力だと知っている。更には俺も実力を隠していると思っている。ギルドからすれば、本来Bランクの人間が達成する様な依頼を簡単に達成出来るEランクなど、貴重な存在だろう。メジャーリーガーを実業団で支払う金額で雇える様なものだ。


「取り敢えず従魔契約が終わったら覗きますよ。その時に良さそうな依頼があれば受けます。じゃあ二ア。行くよ」


「はい」


 俺達は冒険者ギルドを出ると、隣の従魔登録所に向かった。


 従魔登録所に入ると、先程と同じ様に男性が1人受け付けカウンターに立っているだけで、室内には他に誰も居なかった。この施設に来る人間は従魔契約を求める人間だけだ。だが、俺は今までモンスターを従魔にしている冒険者に出会ったことはない。たまたまでなければ従魔契約自体、それ程頻繁に行われることではないのだろう。


「おや。貴方は?」


「Fランクになったので、従魔契約を行う為に来ました。これがギルドカードです」


 男にギルドカードを渡し、Fランクだということを確認した男は、俺の手へギルドカードを返却した。


「確かに確認しました。今すぐに契約を始めますか?」


「お願いします」


「それでは従魔にしたいモンスターをその場所へお願いします」


 そう言って男はカウンターの横の空間を指差した。


 男が指差した場所の地面には魔法陣が描かれており、魔法陣の中には色々な文字や数字も描かれている。


 俺はリュートを掴まえて、言われた通りに魔法陣の上に乗せると、男はカウンターの奥に姿を消していった。姿が消えた男が再び現れると後には武装をした男の姿があった。一体誰なのだろうか...。


「それでどうすれば良いんですか?」


「モンスターをその魔法陣に乗せたままコントラクトと唱えるだけです。モンスターが輝き出したら成功なので、この首輪を付けて下さい」


 そう言って、男が俺に渡したのはリュートの首には丁度良さそうな、色々と模様の描かれた首輪だった。


「それで契約が失敗した場合はどうなるんですか?」


「モンスターが凶暴になり、契約者を襲うようになります」


 契約者を襲う? それはリュートが俺を襲うということか? 俺の頭には失敗したらリスクがあるという考えは一切なかった...。

 

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