表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

116/269

その116 直ぐ近くは5分以内の時にだけ使って下さい

 [サーム]を出てからどれくらい歩いただろうか...。時間の感覚がハッキリとはしないが、どう考えても2時間以上は歩いている気がする...。あっちの世界でコンビニ近くにある? って聞いて直ぐ近くにあると言われたのに、2時間歩いても着かなかったら殺意が芽生えるレベルだぞ...。


 もうここまで歩いて着かないのは道を間違えているんじゃないかと、不安になったその時だった。


「シオンさん。川が見えてきましたよ!」


 ニアに言われ、目線を遠くに向けると川が流れていて、道が通れなくなっている場所が目に入った。そのまま目線を左右に向けると右の方に橋が架かっているのが確認出来た。


 道を間違えたのかと不安になっていたが、どうやら間違えてはいなかったようだ...。あの男の直ぐと言う言葉は今後二度と信用しないでおこう。俺達が橋に近付き川を見ると、深さはそれ程深くなさそうだが、かなり流が早く、落ちようものならどれだけ流されるか分からない。


「橋の近くにフェンリルらしきモンスターは居ませんね...?」


 ニアの言うとおりモンスターの気配はない。橋を渡った先に草むらがいくつか茂っているので、その中に姿を隠しているのかも知れない。


「取り敢えず、橋を渡ろうとしている人間が襲われているみたいだから、注意しながら橋を渡ってみようか?」


「分かりました」


 川の幅は10m程で、橋の長さは15m程の長さ。橋の横幅は人が5人くらい通れるかどうかという幅なので、左右に大きく動き回ることは出来ないだろう。俺達は横に並んで橋の上に上がり、進んで行った。


 橋の中央くらいまで到達したところで、草むらがザワザワと動き出し、中から巨大な狼形のモンスターが飛び出てきた。


 草むらから姿を現したモンスターは、橋の上にいる俺達の元へと走ってきている。


ーーーーーーーー

フェンリル LV30

ーーーーーーーー


「二ア! アイツがフェンリルだ! ウィンドカッターを頼む!」


 フェンリルはかなりの速さだが、男が言ったように二アのウィンドカッターなら外れることはないだろう。唯一、気を付けることがあるとすれば、風圧で身体が揺られて川に落ちないことだ。


 この前見た限りでは、しっかりと立っていれば風圧で飛ばされることはないと思うが...。俺だけではなく、二アの身体も気にしなければいけない。


 二アが一歩前に出ると、フェンリルの進行方向が少しズレた。フェンリルの目標は明らかに二アに定められている。


 フェンリルと二アとの距離がかなり近付き、完全に魔法の射程距離に入った。さぁ、二アさん。やってちゃって下さい! ...ん? フェンリルが接近してきているのに二アは魔法を使おうとしない。


「二ア!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ