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その114 パーティーを結成しました

「実はそうなんですよねー。俺と二アは母親が違って、二アの母親はエルフなんです。エルフの力によって、魔法を使用する時に魔力が倍になるという特性がありまして...」


 かなりデタラメを並べたが、流石に無理があるか...。エルフの力によってとは言ってみたものの、エルフがどんな力を持っているかなど、全く分からない。イメージ通りなら長命で魔法に長けているというくらいだが...。


「そうだったんですねー! やっとモヤモヤが晴れました!」


 女性は満面の笑みをしている。このギルドには頭が悪い人間しか居ないのか...。まぁ、とにかく逃げ出す必要がなくなって良かった。俺は掴んでいた二アの腕を離した。


「早く2人の登録をしてくれ」


 男が女性に俺達の登録を促している。俺はいきなり二アの秘密を暴露した男を睨みつけたが、男は何の悪気も見せず、しれっとした顔をしている。


「それでは二アさんの冒険者登録と、お二人のパーティー登録を致しますね。お兄さんの方のギルドカードを渡して頂いても宜しいでしょうか?」


 俺が女性にギルドカードを渡すと、何やら先が光輝く不思議なペンを取り出した。


「それでパーティーの名前はどうしますか? またリーダーをどちらにするかも決めて下さい」


 そうか!? 〖ブラックアイ〗や〖ホワイトアイ〗の様にパーティーにはパーティー名が必要なのか...。うーん...どうしよう...。突然だったので何も考えていない...。うーん...うーん...。! よし! 決めたぞ。


「俺達のパーティー名は〖光の英雄〗でお願いします! リーダーは俺がやります」


 考えた末に出た名前が中二病丸出しのパーティー名だった。口に出した後で、名乗るのが恥ずかしいことに気付いたが、時既に遅し、パーティー名を聞いた女性は俺のギルドカードと、新品のギルドカードに不思議なペンで何かを記入している。


「それではパーティー登録及び、二アさんの冒険者登録を致しますので、このカードの丸い部分にご自分の血液を一滴垂らして下さい」


 女性は俺達の前のカウンターにそれぞれギルドカードを置くと、一本のナイフを取り出してそれもカウンターに置いた。


 パーティー登録をするのも血液を垂らす必要があるのか...。俺が躊躇をしていると、二アがナイフを手に取り、親指を切り付けた。


 ギルドカードに二アの血液が触れると、ギルドカードの丸枠の部分にEと表示され、その下に二アの名前。更にその下に〖光の英雄〗と表示された。


 俺も勇気を出し、ナイフを手に取り親指を少し切り付けた。


「痛っ...」


 血液がギルドカードに触れると、シオンと名前が書かれている下に〖光の英雄〗と書かれた文字が表示された。ニアとは違い頭に星マークが付いている。これがパーティーリーダーの証明だろうか? ともかく俺と二アはパーティー〖光の英雄〗を結成することに成功したのだった。



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