その1 異世界転移しちゃった!?
学力も文章力もなく、漢字も分からないし、句読点の使い方なども、イマイチ分からないド素人の作品ですが、読んで頂けると嬉しいです。
俺の名前は、吉村紫苑。17歳で高校3年生だ。シオンと言う名前だけ聞くと、ゲームの主人公のような名前だが、実際の俺はそれとは正反対の存在だ。
アニメやゲーム好きの完全なる陰キャで、午前中の授業が終わった昼休みの今でも、教室で1人スマホゲームをやっている。もちろんそんな俺に話し掛けて来るクラスメイトなど誰もいない。
こんな俺にも子供の頃からの夢があった。いつか、みんなが憧れる様なヒーローになると言う夢が。
だが、今でも現実にそんな話をしていたら、中二病の痛い奴だと思われて終わりだ。だから俺は心の中でいつも願っていた。
この世界では無理でも異世界に行ったら、こんな俺でも英雄になって活躍することが、出来るかも知れない。
異世界転生や転移物を読む度に、毎回そんなことを考えながら読んでいた。
俺の席より少し前に、男女が4人集まって楽しそうに話をしている。その中心にいるのは、上條慎吾。スポーツ万能、成績優秀、それでいてイケメンと、男にとって欲しい物を全て兼ね備えている男だ。
隣にいるのは山下大樹。茶髪のロン毛で、俺から見れば完全にヤンキーなのだが、不思議とクラスの皆は、大樹を怖がったりはしていない。
大樹と慎吾は昔からの幼馴染みで仲が良いらしく、教室でもよく一緒にいることが多い。
大樹の前にいるのは、早坂千恵。金髪のギャルで慎吾のことが大好きな女だ。
本人が公言している訳ではないが、傍から見ていて丸わかりなので、クラスの全員が知っていることだろう。
千恵の隣にいるのが、吉川春香。大人しい感じの女の子で、千恵や大樹とは合いそうな感じがしない。
よく一緒にいるが、春香も慎吾のことが好きなのだろうか? 正直、彼女居ない歴=年齢の俺には男女の恋愛のことは全く分からない。
そんな4人のことなどスルーして、ゲームをしていたその時だった。
「なっ、何これ!?」
「何か床が光ってるぞ!?」
俺が4人の方を見ると、4人の足元には金色に光る魔法陣が浮かび上がっていた。異世界転移物でよくある召喚を行う為の魔法陣だ。
残念ながら魔法陣は4人の足元で止まっていて、俺の方までは届いていなかった。俺は選ばれなかったということだろう。
しかしそんなに簡単に諦められる程、俺の異世界に対する憧れは低くはなかった。
「ま、待ってくれ! 俺も!」
そう言って、俺は浮かび上がる魔法陣の中へと走った。勢いを付け過ぎたため春香にぶつかると、その衝撃で春香は魔法陣の外へと飛ばされた。
「キャッ!」
「ゴメン! 吉川さん」
春香に謝ったが、既に俺の目の前に春香の姿はなく、周りを見渡すと明らかに学校のクラス内ではなかった。
俺の周りにいる人間は、まるで中世にいる様な格好をしていて、とても現実世界とは思えない。
やった! 俺は本当に異世界転移をしたんだ! この時の俺は、異世界転移が出来た喜びに胸を躍らせていた。その後に待ち受けていることなど何も知らずに...。




