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異世界は、キャバ嬢とクズ男には醜く美しい世界  作者: 工作員
第一章 現役キャバ嬢と現役クズ男の召還
3/9

1話 それぞれの場所 side:奈那

「」がキャラクターのセリフです。

()が心の声です。

かっこが無い箇所は基本天の声です。

【side 古美長 奈那(こみなが なな)

 謎の手によって鏡の世界に引き込まれ、2日が経った。

 奈那はわけもわからないまま自身の部屋のベッド横にある

 大きな窓から見える庭園を見渡し今まであったことをまとめていた。


「最初六芒星みたいな陣の上で全裸だったよね私...。

 だーいぶ恥ずかしい。

 そしてそして?目を開けるとそこに、白いローブのフードを被る五人の

 【人と人じゃない何か】がいて?何言ってるかさっぱりだし

 フードを被って明らかに怪しいし何が起きてるかわからないし...。

 でも今は【魔法】のおかげで言語が通じる様になったんだよね。

 だけど、ここの世界元々いた世界と全然違うし、色々と違う点が多すぎて

 飲み込むのに一苦労なんですけど...本当にここはどこなの?

 ねえ愁...。」


 奈那は考えれば考えるほどわけもわからず、頭を両手で抱え始め愁の名前を呼んだ。

 そして自分の記憶を頼りにまずは、現状把握をし始める奈那。

 

「私の名前や素性に関してもその魔法で確認したみたいだし、プライバシー無いんかい!

 ったく本当に嫌な性格。 客なら即切ってるわ!!別に私のことなんて話すのに...。

 そして、急に目の前にいた五人の人達に変なこと言われたし」


[[[[[来るべく災厄よりこの世界を守り、聖女の名の元に悪を滅ぼして頂きたい!]]]]]


五人種族の集団は奈那目掛け六芒星の陣より少し離れた場所で

声を合わせながら、立膝状態で下を向きながら奈那に聞こえるように大きな声を発した。


「マジでまったく訳わからないんだけど!

 あの人達一体なんなの!てかどんだけ他人任せなの!?

 え?いきなり呼ばれて?いきなり世界規模!?

 なんて宇宙戦争?マジでイミフすぎる...説明無さすぎ!!

 そして私なんでこの部屋にいるの!!!

 ハァ...なんなのここ。 本当に意味わからない。

 どーーーいうことーーー!!!!」


 異世界にきた瞬間にかかった負荷が

 奈那の体力を奪い奈那はその場で倒れ、この部屋に運ばれていた。

 そして頭で考えても意味ないとわかり、出せる最大限の声を使い窓を開け庭園に向かって叫んだ。

 少し落ち着くことを優先に奈那は窓を閉め、机に向かいおぼつかない足で

 歩き椅子に手をかけ、疲れ切った腰を落とした。


「ってか何このファンタジーな世界

 まったく意味がわからないんですけど...。」


 ブツブツと一人でむしゃくしゃしながら呟いている。


「愁なにやってるかな...言い過ぎたかな...」


 奈那は机の上に両肘を置いて両手の甲を顎の下に置き溜息をついた。

 その時扉がコンコンと鳴った。

 奈那はひとつ返事を返すと扉が開き西洋風なメイド服を着た女性が笑顔でそこに立っていた。


「聖女様。英雄王の皆様がお待ちしておりますので、私に着いてきて頂けると幸いです。」


 メイドが律儀に丁寧な言葉遣いと一礼をし、奈那に告げた。


「次はどこに連れて行く気!?」


 奈那は自分が何をされるかわからず、座っていた椅子から飛び跳ね

 ファイティングポーズをしながら威嚇する猫のように椅子の後ろに隠れながら威嚇をしている。


「大丈夫ですよ。何も致しません。

 あ、ただこちらのドレスに着替えて頂きたいのです。」


 メイドが奈那の取った行動をクスクスと笑いつつ警戒することはないと告げると

 奈那の部屋に入りクローゼットの様な場所の扉を開け

 ズラっと並んでいるドレスを見せた。


「なっ...なにこれぇ!?めっっっっちゃ可愛いじゃん!!

 ...高そう。店のドレスの何倍もの値段するんだろうな...。

 私の給料が毎月これで...恐らく一着...」


 奈那は初めてオシャレをする女性のように、はしゃぎまわりブツブツと独り言を呟いた。


「これ全部...着ていいの?」


 クローゼットのそばにいるメイドに声をかけ、自分に合う色のドレスがあるか確認していた。


「はい。勿論♪ どれでもお気兼ねなく着て頂いて宜しいですよ?」


 メイドはお気に召したと思い、ニコッと笑みを零し一着ずつ説明した。

 計15着のドレスの説明を終え、奈那は身体から出る変な汗を感じていた。


「いやいや、一着ずつ使ってるもの良すぎだし、高すぎよ!!

 私ののねんしゅ...違う違う。一着ずつドレス高杉君よ!!

 私には...そんな高級のもの着れましぇえええん」


 そういいながら奈那は一番端にあった、身動きが取れやすい侍女が着る服を選び着替え始めた。

 メイドは必死に抵抗しドレスを着させようとしたが、奈那の圧倒的な力により屈服された。


「もういいの!!私はこれで!!こんなのばっか着ていたら庶民の気持ちなくなるじゃない。

 これぐらいが丁度いいの...てか大丈夫?」


 メイドに無理やり着させられようとした瞬間に自分では軽く肩を回した程度だったが、

 メイドはそのままベッドまで飛ばされてしまった。」


「私力強すぎない!?なんで...?」


 その音を聞いたメイドがわらわらと外から部屋を覗きにきて、その一人が奈那に軽く説明をした。

 奈那は異世界に飛ばされた際聖女として召喚をされ、聖女の力を授かったと。

 その力は非常に強く、成人男性の50倍ほどの筋力がある。

 ただ目に見えない【魔力(マナ)】という身体の周りにある潜在能力のようなものによって

 力が増幅されているということ。

 奈那はまた頭を抱えたが、とりあえずメイド達についていった。


 自身の部屋から少し歩くと広間に着き、大きなステンドグラスのような窓に天使が描かれている。


「何もかも綺麗だなぁ。いや...これは!!美しいというものだ!!」


 一人で立ち止まり色々と周りを見渡していると、メイドに注意されまた着いていった。

 すると広間を超えると左右に大きな階段があり中央には大きな扉があった。

 そしてその中央扉を開き、中に入ると計り知れないぐらい高い天井となっており

 左右の道にはその天井を支える支柱が連なっている。

 左右の支柱の間には長いロングレッドカーペットがあり

 その先には長方形の大きなテーブルがあるのが見える。


「これ体育の授業なら間違いなく100m走で使われるぐらい広いわよ...

 規模感おかしすぎ!!」


 奈那はこちらの世界にきてから、驚くことしかなく毎回何かあれば自分のいた世界と比較をする。

 するとメイドがあちらへどうぞと奈那に一礼し、後ろに下がった。


 周りに気を取られ見渡していると右斜め前の支柱の後ろから奈那の方へと男性の声が聞こえた。

 声は好青年のように鋭く、何処か柔らかい印象

 そのまま奈那は声のする方に身体を向けた。


「姫、お身体の調子は如何ですか?」


 耳が長い白肌の好青年が問いかけてきた。

 そのまま奈那は顔を引きつりながら質問を返した。


「あぁ...えっと...体調は大丈夫...です

 どちら様...ですか???」


 初めてみる種族に未だ戸惑いを隠せきれてない。


(どんだけカッコいいのよ。

 ただなにじんなの!?白いから白人なの?

 ト○・クルーズって白人だし...てか白人でこんな耳長かったけ。)


 奈那は必死に考えていた、答えが見つからない。

 その時その男性のやや後ろから渋い年長のような声が聞こえた。


「クリス坊。嬢ちゃんが怖がってるじゃねぇか。」


 荒い古風な喋り口調の鉄の兜を被った奈那よりも背の低い男性がいた。


(イケおじきたああああ!!...ってちっさ!!

 あれかな?幸せを呼ぶ小人のおじさんかな...!?)


 奈那は自分より背の低い自分より年老いた男性を見て一人でクスクスと笑いをこらえている。


「アーロック。私は坊と呼ばれる歳ではないと何度言えばわかる。

 これでもお前よりは人生経験は豊富だと思うがな。」


 ため息交じりにクリスと呼ばれた好青年がもう一人の男性に向かってアーロックと呼んでいる。


(なにこれ。どこの新喜劇ですか。 小さいおじさんでお笑いって一つしかないやん)


 笑いをこらえるのがキツくなってきた時、何処から出てきたかわからないが

 何もない空間に亀裂のようなものが走り、

 紫色の長髪をなびかせている女性の顔が奈那の顔の隣にヒョコッと出てきた。


「二人とも!姫の前なんだから言い合いはやめてよね。もっと怯えるじゃない。」


 突然自分の横に聞いたことのない声の女性が現れ、先程まで笑いをこらえるのに必死だった奈那が

 次は驚きを隠すのに必死になった。


「あ...あのぉ急にドンドン出て来られると情報量が多いというか...

 ってか人の顔の横に出てこないで下さいよ!ビックリしたじゃない!!」


 もう驚くのにも疲れたのか、しびれをきらして隣にいる女性の顔に突っ込みを入れた。


「あら、ごめんなさいね!姫様が可愛いすぎて...というか!もう!なにこの肌!

 憎いわねぇ!モッチモチでスベスベ!!なんで!!魔法??

 気になる!!どういうこと!!教えて奈那先生~」


 顔しか出ていなかった女性はその亀裂から、自身の身体を全て出し

 奈那の顔に自分の両手で覆うように抱き着きはじめた。

 奈那よりも頭二人程背の高い女性に抱きしめられ、奈那はその女性の胸に溺れた。


「んごごぉぉぉぉ!!ふもおも!息が!!息があああ」


 無理やり胸で抱きしめられ息ができなくっている。

 奈那は白目をむきそうになり、昇天しかけていた。

 そんな茶番の中抱きしめてきた女性の右肩に、手を置く種族がいた。


「サラリア そこまで 姫 怖がってる」


 その後ろから野太い声が、サラリアと呼ばれる女性の後ろから聞こえた。

 奈那はその聞こえた方に目を向けた。

 するとそこには、 顔はライオンの尾が蛇のような二足で立っている動物がいた。


(こっわ!...なにあの人!!...人かあ???助けてえええ食われるううう)


 奈那はその顔に驚き女性の胸の中で暴れていた。

 すると抱きしめられていた女性の両腕の力みが解放され、ようやく息ができるようになった。


「ごめんなさいねぇ。姫様が可愛いすぎるしぃ肌スベスベすぎてぇ

 お人形さんだと思っちゃった。てへぺろ」


 サラリアと呼ばれる女性は奈那を解放した後、自分の舌をペロッと出し

 頭をポンと拳にして自分の頭を軽く叩き、反省の色を少しながら見せた。


 すると、中央のレッドカーペットの方から足音が聞こえ、

 奈那含めた全員が足音の聞こえた方を向いた。


「レオ、サラ、アーロック、クリスおはようございます。それと...聖女奈那様」


 そこには、白い服装の修道女のような恰好で目元は白いレースで覆っている女性がいた。


(でかい...胸が...胸が...とにかくでかい!...明らかに負けてる...。)


 その女性は奈那の前まで歩いてき、突然右膝を地面につけ奈那へ頭を下げ下を向き口を開いた。


「奈那様 此度は突然な聖女召喚を行い、大変申し訳御座いません。

 誠に勝手ながら奈那様にはコチラの世界を守って頂きたいのです。

 まずこの世界の現状起きている事をご説明致します。」


 奈那の前で首を垂れている女性は、そのまま淡々と語ろうとした。

 その刹那奈那は、人生初の危機を覚え修道女の話を遮った。


「ちょちょ...ちょっと待って!!...え??私が世界を...救う??

 待って待って!突拍子すぎて意味が!!

 てかそもそもいきなり連れてきて、いきなり案内されて、いきなり世界救えって

 図々しいにも程があるよ!!! 私がどんな力持っていようがただのキャバ嬢だよ!

 あくまで、キャ・バ・嬢!!」


 元々いた世界から別の世界に飛ばされ、かなり突拍子のない現実をずっと突き付けられ続けた。

 ただ、世界を救うということは自分の命にも関わることと認識し、さっきまで陽気だった顔つきも

 徐々にこわばってき、汗が止まらなく少々下を向き黙った。


「キャバジョーというのが何か私たちにはわからないです。

 ただ、奈那様が思って頂いている通りで御座います。

 ただ事ではないです。 むしろ命と直結する内容で御座います。

 ご安心頂きたいのは、我々英雄王が奈那様を全力でお守りします。

 我々五名を最強の盾と思い、我々が何がなんでも奈那様をお守りし

 奈那様が世界を救う道しるべとなります。

 なので、我々に力を...お貸し頂きたいのです。」


 修道女の声が震え、怯えているのが伝わる。

 ただ何に怯えてるのかは奈那にはわからない。世界を脅かす者なのか、奈那本人なのか。

 奈那自身も恐怖と焦りで理性が欠けてしまっていた。

 だが、自分の身を削ってまで守りたいものがある人を、身近に奈那は見たことがある。

 その人の力になりたいと実際元居た世界でも思っていた。


 奈那は意を決し肩の震えを無理やり止めた。

 すると下を向いていた奈那は顔を上げ、修道女の前まで行きしゃがんだ。

 そして相手の肩に手を置いた。


「...何が正解かわからない。

 私が本当に力になるのか。 何が正しいのか。

 今も凄い怖い。 力があるってみんな言うけど、実感沸かない。

 けど困っている人たちが大勢いるんだよね...?

 なら...それなら!少しでも力になれるなら!!頑張る!!

 私頑張るから!!!」


 奈那は修道女を鼓舞しようと、自分の置かれている立場を理解もしていないにも関わらず

 協力の意思を告げた。


「ありがとうございます。本当に...本当にありがとうございます。」


 修道女の声が震え泣いているのが、声色で伝わる。

 奈那は女性の頭を撫で安心させようと至った。

 少し落ち着いたのか、修道女は再度顔を上げ奈那に向かい口を開いた。


「世界は今魔族に襲われている状態です。

 数々の国の民や、冒険者が甚大な被害に遭っています。

 その為勝手ながら、聖女召還によりこちら側に転移して頂きました。

 倒す悪しき者は【魔王】達で御座います。」


 再度奈那は驚いた顔をしたが、先程まで慌てていた様子は無く、目に闘志が宿っている。


「わかったよ。私に何ができるかわからないけど、全力で頑張る。

 ただ私力の使い方も何もわからないよ?」


 修道女は笑顔を零し、奈那から一歩下がり周りの連中に指をさした。


「今...はで御座います。

 これから貴方様には訓練して頂き、力を得て頂きます。

 その為我ら英雄王四名と親衛隊がお守りさせて頂きます。

 勝手ながらご教授をさせて頂く上で、何卒ご理解をお願い致します。」

 

 その言葉の後、周りにいた一同までも同じ姿勢になった。

 そして全員が呼応しているかのように、奈那へ口を開いた。


[[[[[我が姫君にて、世界の救世主様!

 今この時を持って我が肉、我が血、我が命は貴方様に授ける事を誓います。

 盟約の名の元に!世界の理の元に! ア セイント!]]]]]


 各々喋る箇所が決まっていたかのように一人一人が一句言う度に立ち上がり

 最後には全員が自分の胸の前に、何処から出したかわからない武器を天に掲げ

 奈那へと忠義を表した。


 奈那は笑顔で大きく頷き、自分の手を全員と同じく天に掲げた。





そして奈那も大きな声を発した。

「みんなで平和にしよう!!!」

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