426話_手掛かりを求めて《下》
俺達が戻ったのは城ではなくギルドハウスだった。ハウスには誰もおらず、静止した空間が広がっている。
瞬間移動を発動させたのはグレイ。目的地の選択は発動者に権限がある。つまりはグレイの意志で俺達は今ここにいる。
(予定とは違う場所に連れて来てしまい、申し訳ありません)
「想定外だったのは確かだが、このくらいでお前を責めたりしない。それに何か理由があるんだろ」
(……今まで俺は、あの人は純粋な〝悪〟だと決め付けていました)
動揺するのも無理はない。自分が信じていたものを根底から覆されたのだから。
(ですが、彼の過去に触れて、彼は彼なりの正義で動いていたのだと知って、自分の気持ちが分からなくなってしまいました。すみません、魔王様……折角、機会を与えて下さったのに)
「謝らなくて良い。最終的にどうしたいのかを決めるのは、お前だ。ただ悔いだけは残すな」
(……はい)
迷いは残っているが、さっきよりはマシな顔になったように思う。……今の俺に言えるのは、このくらいか。あとはグレイ次第ってとこだな。
「急に目的地を変更した理由は、これか」
(……すみません)
「謝らなくていい。それに……正直これは俺にとっても予想外だった」
ワーナー家の別荘から回収したリアムの日記を開く。先ほどグレイが読み上げた文章を見ては自虐の笑みが零れる。
この日記がいつ書かれたものなのか分からないが、少なくともここ数年の間に書かれたものじゃない。もっと昔の、それこそ彼がまだ子どもだった頃に書いたものかも知れない。屋敷で見た時は気付かなかったが、こうして改めて観察してみると一つ一つの字が感情的で他の頁の文字に比べると覚えたての字を探り探りで書いたような歪さが目立つ。
「〝戦争は一瞬で何もかも奪う〟か……戦争を経験したことない子どもでさえ大事なことを理解してるというのに俺は気付くまでに数え切れない犠牲と多くの時間を費やしてしまった」
(魔王様……)
気遣うような声が聞こえて本題から話が逸れ始めていることに気付き、切り替えるように咳払いをする。
「辛気臭い話をしてる場合じゃなかったな。とりあえず手掛かりに繋がりそうな物は手に入ったんだ。今は、それで良しとしよう」
(……そうですね)
少しは調子を取り戻したのかグレイの顔に笑みが戻ってきた。俺もグレイもお互い思うところはあるが、今は気を落としている場合じゃない。
「早速、この日記と本を調べてみよう。グレイ、城まで頼む。城にいる奴等の知恵も借りたい」
(はい、お任せ下さい)
本日、二度目の瞬間移動 により俺達は今度こそ城へと辿り着いた。城の入り口ではメラニーとレイメイが何やら言い合いをしている最中だった。
「どうしてワタシが朴念仁と同じ場所を住処にしなきゃいけないのかしら。それに、ここはワタシとライ様の愛の巣なのよ」
「何が愛の巣だ、居候の分際で偉そうに。しかも、ここには貴様以外にも住んでる者がいるだろうが」
「居候とは失礼ね。伴侶よ、伴侶!」
「本人非公認のな」
非公認の伴侶って何だ。いや、それよりも……
「お前達、こんな所で何を言い争ってるんだ」
「まぁ、ライ様♡」
俺の存在を認知するとメラニーはレイメイを突き飛ばし、擦り寄ってきた。
「お帰りなさい♡ ご飯にする? お風呂にする? それともワタ……あ、痛っ!! 何するのよ?!」
「それは、こちらの台詞だ。まだ話は終わってない」
「ワタシの中では、とっくに終わってるわ。ほら、さっさと村に帰りなさい」
「だから……っ、もういい。ちょうどライも来たことだしな」
(何があったんです? またメラニーが何か粗相を?)
「何でワタシが悪い前提なのかしらぁ、グレイ?」
頭を抱えるレイメイに何だか申し訳ない気持ちになりながらも未だ状況を理解できない俺の代わりにグレイが切り込んだ。
「ライ、今日は一つ君に頼みがあって来た」
「頼み?」
改まって何だ? もしやギルド登録を取り消したいとか、そういう……?!
「拙者も、この国の住人に加えてもらえないだろうか」
住人に加えて欲しいって……どういう事だ?
「俺の中では既にレイメイも国の住人もとい仲間だと思っていたんだが?」
「あぁ、すまない。そういう意味ではなく……ライのギルドに加入した以上、拙者も此処に住むべきではとヒメカに指摘されてな。確かに一理あると思って君に相談しよう来てみたら、この女が……」
「何よ、ワタシを悪者みたいに。大体、貴方自身は妹さん達を置いて一人だけ此処に住むことに納得しているのかしらぁ」
「……不安がないと言ったら嘘になる。だが、他の皆と同じように拙者もライの傍で支えたいと考えているのも事実。しかし、それをライが望んでいるかどうかはまた別問題だと思ってな」
(それで直接、確認しに来たと)
頷くレイメイを見たグレイが「どうするんですか」とでも言いたげな視線を俺に向けてくる。
メラニーもまた「まさか受け入れる気じゃないでしょうね」と言いたげな顔をしながらも成り行きを見守っている。レイメイが同じ場所で暮らすのが相当気に食わないらしい。最近の様子から少しは仲良くやっているように思えていたのだが俺の勘違いだったのだろうか。
「ライ様、なにもワタシは意地悪したいわけじゃないのよ。ただワタシはライ様を娶ろうと企む朴念仁から貴方を守りたいだけなの」
「めと……?」
「な、ななな、何を言ってるんだ、貴様!!」
突然抜刀したレイメイが刃先をメラニーに向けたまま詰め寄る。
「いい加減なことを言うな! いつ拙者がライをめ、娶るなどと言った?!」
「あら、十二年前のこと忘れたとは言わせないわよ」
「十二年前って、まさか貴様……まだ、あの時のことを……」
「何年経とうが関係ないわ。〝ライ殿を守るために、貴女を斬る〟だったかしら……今度は、その言葉をワタシに言うつもりなのかしらぁ?」
首に刃を向けられているというのにメラニーは平然と煽り続ける。レイメイは怒りという感情を通り越してしまったのか真顔でメラニーと相対している。
「……おい、グレイ。何とかして、あの場を納めてこい」
(む、無茶を言わないで下さいよ。今行ったら絶対とばっちり食うじゃないですか。ここは貴方が行くべきでしょ)
「俺が行ったら逆に悪化するだろうが」
仲裁するのが無理なら、せめて二人の意識を何が別のものに……と考えていた時、手に持っていた日記帳の存在を思い出した。
「そ、そういえば二人に訊きたい事があるんだが」
「何だ、ライ」
「なぁに、ライ様」
睨み合っていた二人が同時に俺を見る。咄嗟の策ではあったが効果はあったらしい。しかしながら二人の表情は笑顔だが、その奥に互いへの底知れない不満が見え隠れしていて、このままだと冗談抜きで戦闘に発展してしまいそうだ。
「あー、と……先ずは、これを見てくれ」
「なぁに、その薄汚い本?」
「ライの私物か?」
咄嗟の策だった故に後の事は何も考えてなかったが、何とか思考をフル回転させて言葉を紡いでいく。その甲斐あってメラニーとレイメイの意識を完全に日記へ向かせることが出来た。
「いや、これはある貴族の日記だ」
「……ニッキ?」
(その日にあった出来事や他人には言えない事、また自分の想いや感情を記した記録書の事ですよ)
「まぁ、素敵! じゃあワタシも今日から、その〝ニッキ〟とやらを書いてみようかしらぁ」
「どうせライのことしか書かないつもりだろ」
「それ以外に何を書けって言うの?」
「……それで、そのニッキとやらがどうかしたのか?」
さも当然のように言うメラニーにレイメイは何も言わず、話の続きを催促してきた。実に懸命な判断だ。
「中身は普通の日記なんだが、所々変な文字や記号みたいなのが書かれてるんだ」
「あら、本当。人間の文字はあまり見た事ないから何とも言えないけど、少なくとも魔物が使う文字とも違うわねぇ」
「……これは、もしや無音伝達ではないか?」
「無音伝達って確か記号や文字の並びだけで言葉を成立させる奴か」
「何それ、ワタシ聞いたことないわよ」
(簡単に言うと音を発さずに文字や記号のみを使った会話や連絡手段のことです。音が無いので文字や記号の並びで意味を成立させていくのですが、その並びに規則性は無く使用者が自由に組み換えたり、意味を成立させたり出来るんです)
「つまり文字や記号といっても、その並べ方は自由で、しかもどんな意味にでも作り変えられちゃうって事?」
「そういう事だ。しかし流石はライとグレイ殿だ。無音伝達 を知っているとは」
本来、無音伝達 は鬼人を含めた一部の魔族が使用している特殊文字。昔の世界では少数派とはいえ人間も使用していたようだが、この世界では一度も耳にしなかったところを見ると、この世界の人間にとって無音伝達は異端的な文化なのかも知れない。
(仮に、この日記に書かれているのが無音伝達だったとしたら面倒ですね。どれほど解読に時間を費やすことになるのやら、いえ、そもそも解読できるかどうか)
「解読は、ほぼ不可能と思った方が良い」
無音伝達で使用される文字や記号の並びや組み合わせには規則性も制限も無い。故に、同じ組み合わせでも使用者によって意味が全く違ってくる。レイメイが「解読は不可能」と断言する所以は、そこだ。
「これじゃあ文字と言うより暗号ね」
(まぁ、元々は同族間で機密情報を共有するために使用されていたものらしいですから、その認識は強ち間違いでもないかと)
何か別の意図があるなら兎も角、本来〝日記〟とは誰かに読まれることを前提に書くものではない。もし、これが本当に無音伝達だとしたらリアムは相当用心深い性格であると言えよう。何にせよ、先ずは日記に書かれている謎の文字が無音伝達なのかどうかを調べる必要がある。
「ありがとう、レイメイ。早速、調べてるよ」
「調べるって……まさか解読を試みるつもりか?」
「それ以前の段階だ。とりあえず、これが無音伝達がどうかを調べる」
(では、記憶を見るんですね)
さすがはグレイ。俺が何をしようとしているのか、もう見当が付いているらしい。
「記憶って誰の記憶を見るつもりなの?」
「日記の記憶だ」
俺の答えにレイメイとメラニーは今一つピンとこないようで怪訝な顔して首を傾げている。恐らく〝物体の記憶を見る〟という部分が引っかかっるのだろう。
「物体の記憶と言っても正確には物体を通じて人の記憶を読み取るだけなんだけどな」
「何だ、そういう事。てっきり何かを記憶する能力が、そのニッキに備わってるのかと思ったわ」
納得してもらえたところで俺は城の中へ入ろうと足を進めようとして言い忘れたことがあったのを思い出して立ち止まる。
「レイメイ、改めて歓迎するよ。ようこそ、俺達の国──〝ヴィヒューネ〟へ」
こうしてレイメイは正式に国民第一号となった。彼を〝第一号〟と明言した理由は一つ。グレイ達のように城を拠点としないからである。
前世と城の構造が変わっていない関係でグレイ達は前世で使用していた部屋を、そのまま使っている。折角ガーシャ達が城外に家屋を建ててくれたというのに、これでは持ち腐れも良いとこだ。新たに住民が来ないとも限らないので、その時まで大事に保管しておくとしよう。……というか、国としても街に住む者がいなければ非常に困るわけだが。
近々シャモン達と商売等のことで色々と話をする予定がある。よって今後の食料や物資に関しては問題なさそうだが、それ以前に人が集まらなければ国として成り立たない。
ギルドも設立したことだし、そろそろ本格的に活動を始めなければ。とは言うもののギルドの経営なんて当然未経験のため何から始めれば良いのか分からない。あの時、カイエンに、その辺も詳しく聞いておけば良かったと後悔していた時、先ほど立ち寄ったギルドの方角に数名の気配を憶えた。俺とグレイそれからレイメイが同じ方向を見たのは、ほぼ同時であった。
「……この気配、侵入者か?」
(この国に外部の者が入って来たのは確かですが、悪意を持った気配ではなさそうです。寧ろ、これは……って、魔王様、どちらへ?)
「もう一度ギルドに行ってくる。お前達は、ここで待っていてくれ」
返事を貰う前に瞬間移動を発動させる。この気配、俺の読み間違いでなければファイル達だ。
◇
俺の予想通りギルドにいたのはファイルにガチャールにデルタ、そしてリンの四人だった。どうやらランク選定の時と同様にギルド内にある転送装置を使って来たようだ。
「ファイルさん、何かあったんですか?」
「あれ? ギルドマスターからの手紙まだ読んでねぇんですかい?」
「……手紙?」
記憶を掘り起こすが本当に心当たりが無いため素直に疑問を口にするとファイルは何か悪い予感を察したような渋い顔を見せた。
「あー、多分そっちに届くより先にオレっち達が来ちゃった感じっすね……なら、その反応も納得っす」
「それならそれで私達が一から説明すれば良いだけの話です」
「えぇ、えぇ、デルタちゃんの言う通り。大した問題じゃないわね」
詳しく話を聞いてみると十二年前に魔王が倒されたことで実質的に役目を終えたらしい〝異世界転生課〟の廃止が決まり、それに伴って一部の部署で人事異動が行われたらしい。
廃止となった異世界転生課に所属していたファイル、ガチャール、デルタにはギルド内の他部署への異動また他ギルドへの移転という二つの選択肢が用意されていたらしく、彼等は皆、後者を選んだのだと言う。リンも異動対象の部署に配属していたようでファイル達と同じ回答を出したのだとか。
「という訳で、これからお世話になるっす」
「俺としては皆さんに来て頂けるなんて嬉しいばかりですけど……ギルドと言っても、まだ何の準備も出来てないですし、依頼だって……」
「色々と細かいことは私達に任せて。私も含めて、ここにいる全員が君の役に立ちたいと思っているの」
ギルド運営や事務処理に関する知識なんて無いに等しいし、正直とても助かる。……それにしても結界を張っているとはいえ周囲は森や魔物だらけで確実に安全だと言える保証は無く、生活するにおいても利便性が悪い。しかもギルド自体も設立して間もないこともあって殆ど手付かず。国としてもギルドとしても、此処はまだまだ発展途上。
「……ありがとうございます」
「礼を言うのは、まだ早いっすよ。お互い大変なのは、これからなんすから」
「そうですよ。今は力を合わせて王都に負けないくらい人気で立派なギルドを作りましょう!」
「わ、私も協力するよ、ライ君!」
「うふふ。皆、頑張りましょうね」
ギルドに頼もしい仲間が加わり、更に街に住んでくれるとの事だったので持ち腐れだった家屋達に漸く出番が回ってきたのだった。
「ところでライ君は今、依頼中っすよね」
「そうですけど……どうして知ってるんですか?」
「このギルドで起こっている事なら大体のことは把握してるっすよ。何たって一応、今日からオレっち達は正式にこのギルドに所属する身っすから」
ファイル達は俺が今パレットからの依頼を遂行している最中であることを知っているらしい。説明の手間が省けて有り難いが、だからといって何もかも彼等だけに任せるのは申し訳ない。せめて依頼中でなければ…………そうだ、何も俺自身が残る必要は無いんだ。
俺は数人の分身を作り出す。同じ姿形をした人間が一気に何人も現れてファイル達は驚いたように目を丸くしている。
「ラ、ライ君が増えたっす」
「分身魔法……ですよね。初めて見ました。しかし、どうして急に?」
困惑する彼等に対し、俺は作り出した自分そっくりの分身を指差した。
「此奴等を、こき使ってくれ。本来であればギルドマスターである俺が色々とサポートしなければならないっていうのは重々承知しているが貴方達も知っての通り依頼中で手が離せそうもない。だから、せめて……」
「ま、待って下さい! 事務や雑務は私達の仕事です。ギルドマスターの手を煩わせるわけには……」
「このギルドは設立して、まだ日が浅い。それに今の人員で回せるほど楽な仕事でないことくらいは俺にも分かります。このギルドのマスターになった以上、皆さんの厚意を踏み躙るようなことは出来ません。どこまで力になれるか分かりませんが、どうか手伝わせて下さい」
王都ギルドの職員達が毎日忙しなく働いているのは昔から知っている。手伝うなんて大層なこと言っても実際に手伝うのは分身だが、分身達が得た情報は本体にも共有されるから問題ない。
「……他でもないギルドマスターに、そこまで言われちまったら無碍に出来ねぇっすよ。それに情けねぇ話っすけど、この人数じゃ手が回らないのは確実なんで正直すっげぇ助かりやす」
「〝助かる〟のは俺の方です。皆さんが来てくれて本当に良かった。俺にはギルドの運営や事務処理に関する知識なんて全くありませんから」
「普通そんなものですよ。私達だって、この仕事に就いてなかったら知る機会なんてありませんでしたし」
予想外の出来事ではあったがギルドに職員が配属された。しかも彼等だけでなくランク選定に来てくれたツァイとアンヌも此処の配属を希望してくれたらしく、ただ王都で研修があるとかで来るのは後日になるらしい。
ギルドのことを彼等と分身に任せ、城に戻った俺はグレイ達に事情を説明。これで漸くギルドとして本当の出発点に立てた気がする。
(では俺は早速、この本を調べてみます)
「あぁ、頼む」
「拙者に何か手伝える事は無いか?」
「レイメイは住む家を決めてくれ。街に行けば何軒も空き家がある。今なら選び放題だぞ」
どれもガーシャ達お手製の外も中も立派な家だ。きっとレイメイも気に入るに違いない。
「メラニー、悪いがレイメイを街まで案内してくれ」
「どうしてワタシが…………もう分かったわよぉ」
不満そうに頬を膨らませながらも要求を受け入れてくれたメラニーは「ほら、さっさと付いて来なさい」と俺達に背を向けて歩きだした。
◇
二人を見送った俺とグレイは、それぞれの自室を目指して歩いていた。互いに言葉は無くとも心地良さを感じるのは相手がグレイだからだろう。
階段へと続く廊下を歩いている途中、前方に人影が見えて足を止める。人影の正体はギルだった。
「ギル? ここで何して……」
「グレイ、テメェに話がある」
食い気味で俺の質問に答えるギルの視線はグレイへと向けられている。
(話?)
「……此処じゃ言えねぇ。一緒に来い」
俺を一瞥したところを見るに話せない要因は場所ではなく俺にあるらしい。彼がグレイに何を話すつもりなのか大いに興味あるが、求められてない以上は出しゃ張るわけにもいかない。
(そんな急に言われましても……俺、やる事があるんですけど。その〝話〟とやらは絶対に今しなきゃ駄目なんですか?)
「駄目に決まってんだろ。いいから、とっとと来い!」
痺れ切らしたギルが半ば引き摺るようにしてグレイを何処かに連れ去ってしまった。昔から仲の良い印象が全くと言って良いほど無い二人なだけに少々心配ではあったがギルから遠回しの牽制を受けた身として後を追うわけにもいかず、大人しく自分の部屋へと向かった。




