4章act2 不可視の偶像
4章act2
チーム巫凪の初の公式戦です
会場は熱気に包まれていた。
バトルのため学校の授業は昼に終わり、俺達はすぐに会場に移動となる。
バトルの会場は以前練習でやったステージだ。
控え室に行き客席を見る。
「ひ…人しかいないんだが」
「当たり前じゃない?龍太緊張してるの?あのときもこんなんだったでしょ?」
「ばか野郎。あれは人いなかったろ」
「あら気付いてたの。腕を上げたわね」
「ったく、そういうパトリシアは?」
「さ、さぁ?どうかしら?」
「ハッ!なら戦いで証明してもらうか」
「あら上等よ?楽しみにするといいわ」
「二人とも元気だなぁ俺は心臓から蟹がでそうだよ」
「私もキンチョールする!」
多分それはスプレー。
余語あと蟹ってなんだ。
四人とも思い思いの緊張台詞を漏らしていた。
「んじゃ行くか」
「「「了解!!」」」
「勝つぞ!ファイト~」
「「「「オォーー!!」」」」
バトル衣装、制服に黒いマントを羽織り、通信イヤーを装着しフィールドに立つ。
目の前には観客で溢れかえっていた。
そして俺達は目の前の相手を見据えた。
「ようお前ら」
「葉山…」
「おぅ巫凪」
「勝ちますよ」
「あぁお前達の力、見せてもらうぜ!」
「紗奈ちゃん」
「カオルちゃん」
「「いいバトルをしよう!」」
「あら、パト?緊張?情けないわね」
「その台詞、そのまま返してあげるわよリセリス」
「よろしくね、あー…葉山さん?」
「光で大丈夫ですよ。余語さん、よろしくお願いいたしますね」
「よかった。よろしくね光ちゃん」
お互いに握手を交わす。
アナウンスが響く
『お集まりの皆様、ありがとうございます。間もなく公式戦、ソーサリーズバトルが開始されます。フィールドに立つ魔法使いは持ち場についてください』
『続けて今回のルールを説明します。バトルの内容は《ダメージポインターリーダ》です』
まず、全ての公式戦では受けたダメージの対戦者は特殊防護術により全ての技の属性は痛みの壁となります。これにより魔法使いは傷を負わずに痛みのみが発生することで大怪我を防ぎます。
そしてここからが今回のルール。《ダメージポインターリーダ》の説明です。
四人の中にリーダーを決めていただきます。
リーダーとなった選手は仲間が受けたダメージを全てリーダーが引き受けていただき仲間とのリンクリーダーを兼ねていただきます。
リーダーが倒れたら負け。
選手にそれぞれ8回持ち点がありそれ以上のダメージを終えたら敗北(退場)とします。退場する選手は選択が可能でありリーダーが選択可能です。
但しリーダーのみ退場は不可能であり代わりに何回ダメージを受けても倒れなければ敗北となりません。
《以上で説明を終わります》
すると客席からはもう大歓声と拍手が沸き起こる。
カメラも何十個も回っていた。
リーダーか。
となれば俺しかいない。
「俺しかいないな」
三人とも頷く。
相手は
葉山がリーダーになったようだ。
俺は二人にリンクを開始する。葉山は三人にリンクを開始した。
なぜ俺は二人かと言うと俺とカオルは最初の日からずっとリンクしたままだからだ。
フィールドの大きなディスプレイに両者のリンクゲージとメンバーの魔力のカラーが浮き出る。
客席はおおと歓声が上がった。
ほんと金あるなぁ…。
『ではこれよりフィールドを決めます』
ディスプレイから光が放射されホログラフのサイコロが現れ属性の書かれた文字が書かれていた。転がり雷を指した。
『フィールドは鉄塔の森』
するとフィールドは霧で包まれて数秒で晴れた。
目の前はいくつもの鉄塔が生えており、まさに鉄塔の森だった。
『ではバトルを開始します』
そして戦いのホイッスルは鳴り響いた。
~公式戦ソーサリーズバトル~
ホイッスルが鳴った直後、まず俺達の作戦、それは
「一斉速射!!」
合図と一緒に俺達全員遠距離技の連続攻撃を仕掛けた。
光のレーザー、火炎球、銃弾、重力弾の連続攻撃が相手に降り注ぐ。
この大アタックに観客は大歓声だ。
「やったか?」と余語。
「いえ、まだよ」
パトリシアの言う通り、葉山達は無傷だった。
「やっぱり守護の炎か…」
俺は毒づく。
だが先手を取ったのは俺達の作戦だったからダメージはどちらでもよかった。
「ああ、やられた。さすがの火力チームだな」
葉山は言うが予想はしていたのだろう。
「攻撃チームは先手を取らなきゃあとが辛いからな。葉山もわかってんだろ」
「そりゃそうだ、んじゃこっちの番だ」
葉山達が動き出した。
葉山の魔法は機械錬成。
自分の体から機械を作れるのだ。
葉山の身体から小型のビットが何体か飛び出てきた。
リセリスが異常な身体速度で鉄塔を蹴って蹴って、毒の霧を打ち込んでくる。
俺は引力を壁にしながら回避する。
余語が葉山を撃ち抜くが炎の壁に阻まれているのがわかった。
「パトリシア!光の炎を炎で飛ばしてくれ!余語はいったん引いて支援を!」
「わかったわ!」
「了解!」
「させないぞ!」
葉山が余語にダメージを与えるべく腕を巨大なチェンソーに変える。
「おらおらどうした、余語」
余語を切り裂く寸前、カオルが間に入り光の剣で受けた。
「ぬぉっ!」
「くっ、重い!。志郎くん!ここは食い止めるからリセリスちゃんを!」
余語はパトリシアを見た。
パトリシアはなんとか光の炎を吹き飛ばそうとするがリセリスに阻まれている。
俺は葉山の生んだビットを潰しているから支援には行けないのだ。
余語は「わかった!」と走る。
俺がビットを潰しているのはこのビットに長距離ライフルが装備されてやがるのだ。頭を撃ち抜かれたらダメージ間違いなしだからだ。 見失う前に潰す必要がある。
「いやぁ、攻撃チームって攻撃も防御だからな。お前らはいいチームだ」
「余所見いけませんよ!!!」
カオルが光の剣を振り抜きまくる。
一瞬炎に当たる。守護の炎がカオルの魔力を受け一瞬消えた。がすぐにまた再燃する。
「ッ!?」
「いっくよー!!」
カオルは光速で二連続技を振り抜き葉山にまとった炎を一撃目で吹き飛ばし二撃目でダメージを与えた。
「ぐっ!」
だが葉山の判断は早くすぐに足元から高速ホバーをし距離を取った。
だが、これで先手を取った。
教員からポイントを取ったことで観客はさらに盛り上がる。
ディスプレイにカウントが入る。
「カオルの魔法も光の魔法を打ち消せるのか。なるほど。カオル!いったん引いてくれ!」
「了解!」
だが一瞬だ。
雨とか風でも爆風でもすれば吹き飛ばせそうだが。
「なんだよ、向こうも引くのか。というか桜の魔法の存在が如何に危険か忘れていたな。リセリス。パトリシアの足止めから攻めに移れ」
「はいはーい」
するとリセリスは今までパトリシアに防戦からステップでパトリシアを撹乱し始め、毒手を突き始めた。
「あっちはあのままマークだな。巫凪はビットで足止め。んで、余語は俺と相手に。光を支援しつつ。そろそろだ。やれ」
その葉山の合図と一緒に俺の頭に激しい痛みが走った。「なんだ?!」
俺はみんなを見た。
カオルが前のめりに倒れていたのだ。
その背後には、ガントレットで両手両足に装備した紗奈がニタリと獰猛な笑顔を浮かべていた。
何をした。当然観客も何が起きたという顔だ。
今まで近くにはいなかったはず、いや考えはあとだ!あのままじゃ追撃が来る!。
予想通り紗奈からの追撃、ガントレットを装備した踵落としが倒れたカオルの頭目掛けて迫る。
俺は引力をカオルに向けて自分に引き寄せた。
カオルは俺に抱く形になるが踵落としをされた地面は思いっきり抉れていた。
これで1-1だ。
「龍太くん…?!ご、ごめん!痛かった、よね?」
「大丈夫だ!。それより紗奈の姿見えなかったのか?」
「う、うん。見えなかった」
「なるほど。みんな聞いてくれ!」
俺はみんなに紗奈について説明する。
「おっと、巫凪、気付いたのか。恐ろしいな。魔法の観察眼は学校随一なんじゃないか?あいつ」
紗奈の魔法は印象操作。
自分を良く見せたりかわいく見せたりと自分の印象を変えることができる魔法だ。
だが今の紗奈は自分に自分の印象を無くしている。
つまり自分の気配や存在を極限にまで消しさったのだ。
つまり見える透明人間状態。この状態で紗奈は戦いをサポートしカオルに気付かれずに堂々とダメージを与えた。
「戦闘不得手なメンバーが多いなと言ったの誰だったかな」
「龍太だね」
「龍太よ」
「龍太くんだね」
「わるかったよ!!!」
とにかく、紗奈もどうにかしなきゃな。
「そうだ!志郎!鉄塔をなん本か元の状態に錬成だ!」
「?。ああ、なるほど了解だ」
余語は鉄塔に触れ鉄塔が崩れ始める。
「なにするか知らないけどさせないわよん!」
「あんたの相手は私でしょうが!」
リセリスとパトリシアはほぼ一騎討ちだ。
その鉄塔は大量の砂へと変えコンクリだった床が砂地へと変わり始めた。
ザザっと砂音がし、振り向くと数メートル先に紗奈がいた。
「やばっ」
「逃がすか!」
俺は紗奈の頭目掛けて重力弾を放つ。余語も紗奈に目掛けて銃弾を放った。
だが紗奈は上手く回避してそれらを交わした。
「巫凪のやつ、とんでもない戦いするな。予想外だぜ」
足音が砂地なら紗奈は近づきづらくなるからだ。
鉄塔を何本か砂へと戻す。
そしてこれらの砂がすべて鉄塔だったことだ。つまり金属。
俺は魔法を使う。
砂は磁力を持ち、起動する。 心臓の音と同機させ、波を作る。
観客からは、驚く声が上がる。
砂の海。地の利をこれで作った。
「いくぞ!」
俺は海を利用した風の重力暴風を起こす。
暴風は光にぶち当たり守護の炎を吹き飛ばした。
光の炎が消えたら、みんながまとった炎が消えた。
「今だ!!」
俺達は再び総攻撃を繰り出した。
攻撃は見事に当たったようで、3-1になった。
こっから要注意なのはこの金属の砂だ。恐らく葉山にも似たような力が扱えることだ。地の利を逆に利用されないようにしないといけない。重力の暴風を毎回使えるわけじゃない。繰り返したら逆に砂を武器に使い過ぎて、紗奈をフリーにする。この勢いを俺達はどれだけ維持できるかだ。
「このまま勝ちにいくぞ」
~~~
「こーくん。砂が」
「わかってる。でも近づけないというわけじゃない。そのガントレットは電気を通さない仕組みだったろ。それにもうちょっとで今回のお前の装備が完成する」
葉山は足元で動く機械を操作していた。
「不意を突くチャンスはあるってことだね」
「ああ、装備はできたら呼ぶ」
「わかった」
紗奈は再び駆け出す。
「さて、盛り上がってきたな巫凪よ」
~~
パトリシアとリセリスはいまだに一騎討ち、いわゆるタイマンを繰り広げていた。
「さっさとそこをどきなさいよ!」
「断るわぁ」
リセリスは懐から薔薇の鞭を取りだし振り回す。
鞭がパトリシアの足を絡めとり宙吊りにする。
「ちょっ!!」
パトリシアは宙吊りされた状態なので自分のスカートがめくれる寸前に彼女は手で押さえた。
「あらぁパトちゃんそのお手ては、なぁに~??」
「リセリス!あんたわざとやってるでしょ!!!」
「だってぇ、パトリシアちゃんは昔から弄ると面白いもの~!」
「この変態!」
「ありがと~!」
「ほめてなぁぁぃ!!」
「あらあらお手塞がった状態で、私の魔法防げるかしら」
毒霧がパトリシアを包んだ。 「くっ!」
そのダメージは当然俺に響いた。
3-2。
続けてさらにダメージを受けて3-3。
まずいと判断した瞬間、回転した刃物が鞭を切った。
「パトリシア大丈夫?」
「志郎?!。助かったわ」
「あらいいところに入ってきたわね。私とパトの逢瀬だったのに~」
「さすがにそりゃ止めに入るよ」
「それじゃ私は光のとこ行かせてもらうわね!」
「あら?逝かせないわよ?」
「だから代わりに俺が退路を作る!」
「いいわね、来なさいな」
余語とリセリスがここでぶつかりあう。
「パトリシア聞こえるか?」
「龍太?聞こえるわよ。なに?」
「このままじゃじり貧だ。カオルも今葉山が作った機械兵器に足止め食らってる。俺が葉山を止める間にどうにか」
「光の守護の炎を対策しろって?」
「そうだが無理はするなよ!」
「わかってる。それより龍太。大丈夫だった?毒」
「なんとか大丈夫だ。パトリシアも大丈夫だったか?」
「あの子とは昔からああだからね。ああいうのはしょっちゅうだったから」
「へぇ…」
お前ら仲がいいのかわからんくなってきたぞ。
~~
「いくよ!」
余語は発砲するもリセリスは容易く避けてみせた。
鞭が唸る。その鞭が千切れ飛んだ。
「貴方、錬金術師だったのね」
リセリスは鞭から毒霧へ変えながら言う。
余語は鞭を剣で切ったのだが「万象錬金。空気に俺の魔力を混ぜて剣を作ったんだ」
結果、余語の周りには"浮かぶ剣"が四本浮かんでいる。
その剣を放ったり浮いている剣は持ち手があるように振り回される。
一応リセリスに当たっているのだが炎に阻まれている。
「珍しい魔法だけどね、届かないんじゃねぇ」
リセリスの言葉通りだ。
だからまず炎を阻害する必要がある。
余語は浮かぶ剣と一緒に走る。
リセリスと近接で並び、リセリスに零距離で銃を放った。
「?!」
発砲音が響く。しかも空撃ちだ。空撃ちだということは風が起きる。
余語は間髪いれずに弾丸を打ち込んだ。
4-3。
リセリスもくらってからの対応が早く一発受けたらすぐに退避した。
「やってくれるじゃない?」
身軽な動きですぐに毒霧を防衛に回す。
「志郎!」
「どうした?」
「このままリセリスに妨害を続けてくれ」
「わかった。でも何回持つかわからないよ?」
「わかった。やばそうになったら引いてくれ」
「了解」
俺は光の剣一本で機械兵相手に振り回し、時に大技やらすさまじい動きを見せるカオルを見る。
葉山にとってはカオルを足止めしているになるのだが、果たしてどっちが足止めしているのか。
だがきっと葉山のほうが上手なのだろう。
だから気づかなかった。
紗奈の足元に小さなトラックのラジコンカーが止まったのをだ。
「やっと着いたな。機械兵隊陽動ご苦労さん」
その言葉に機械兵隊はすぐさま葉山の元へ退散する。
「逃がさない!」
「カオル!今は追うな」
「えっ?」
カオルは駆け出したが、俺は引力で引っ張った。
カオルの駆け出した足元に砂を巻き上げながら電磁ブレードが膨れ上がり切断した。
「気づいてたのか巫凪」
「さすがに葉山、タダで足止めはしないだろうからな…カオル大丈夫か?」
「だ、大丈夫。危なかった」
「ギリギリだったな。あのラジコンカーはいったい」
ラジコンカーの中から何かを取りだしそれを腕に装着した。
葉山の目の前にそのホログラムが何か写し出された。
ホログラムからは何かが表示された。
何かはわからないが一部はわかった。
「砂の海を逆に利用されたか」
言ってみれば鉄塔という金属に金属の砂。
これらの相性は葉山には打ってつけだ。
使われないようにと警戒してはいたが、隙を着いてきたか。
「誰も責めやしないからしっかりしなさいよね」
「うんうん、大丈夫だよ」
パトリシアとカオルからの声が聞こえた。
「ありがとう。どうするかだな」
現在4-3。
「しかしトラック作戦ギリギリだったな」
「兄さんは陽動に必死だったから」
「異常なくらいギリギリだったわ。まさか桜があそこまで動けるとはな…生徒会長並みか以上だなあれ」
「…こーくん」
「おぅ紗奈、大丈夫か?」
「結構キツい」
「思ったよりあの砂に防衛されてるみたいだからな。それだけ警戒されてんだろ」
「こーくんが初めて戦った時もこんなんだった?」
「ん、まあな」
葉山と紗奈は戦い前に話していた。
『あたしの魔法、戦い向けじゃないよ?』
『だと思うか?』
『違うの?』
『違うな。お前の魔法はどんな魔法よりもあのバトルで最強になる。その戦いを俺が教える。どうだ?』
『わかった。やる』
「ってあのとき言ったけど、こーくん。確かに実際今戦いでいろいろ動けてはいるけど…」
「あまり活躍できてないってか?」
「うん」
「技には敵わないさ。だがお前には誰よりもすごいもんを持ってる」
「なにそれ?」
「とりあえずさっき届かせたあれ着けておけよ?いや、持っておけよ」
「??わかった」
「俺はその準備を今始める」
~~
そこから余語が活路を開き、パトリシアがついに光の守護の炎を撃ち破った。
5-3
あと三回だ。
だが葉山達も負けてはなかった。
罠やら時に火力な攻め落としで5-4。
リセリスが隙をつくなり紗奈の不意討ちによる奇襲で一気に5-6となる。
「…相手のペースが上がってるな。カオル大丈夫か?」
「大丈夫だよ!龍太くんは?」
その問いを答えたのは俺
「大丈夫だろう。問題は、そろそろ手札切れとバトルの終了がせまってきていることだ」
「とりあえずこのペースは維持がいいわね」
「ああ」
俺は葉山と近接バトルの状態である。
電磁と磁力重力がぶつかりあう。
「くらえっ!」
葉山がさっきからチラチラ
と余所見をしているので俺は圧縮暴風を与える。
そこから俺と葉山の1対1だった。
カオル、パトリシア、余語、紗奈、リセリス、光も攻防で戦いが続いた。
このままタイムアップを狙えば5-4で勝てる。
だがここで俺は戦う前の予感が的中したのである。
紗奈から膨大な純度の高い異常を示す魔力を感じたからだ。
~~~~
「っくー!巫凪やるな。だが、どれどれ魔力は、ここだな。紗奈大丈夫か?」
「……ハァハァ……つらい」
「そうか、なぁ、お前気づいてるだろ。あの時俺が来なかった理由」
「……」
「あの時、俺が来れなかったのは」
「うん、わかってる」
「……」
「確かにこーくんは、自分の人生を狂うようなことをしたかもしんないけど、守りたい人のためにそうしたんだよね」
「……俺は」
「いいよ、べつに。あたし、こーくんのこと好き。大好き。だから聞かせてよ」
「……まず言うぞ、これを言えばお前は今の魔法。"印象操作"から逸脱する。言ってることはわかるか?」
「うん、大丈夫だよ。決意は変えない」
「…わかった。じゃあ言うぞ。俺も紗奈、お前が好きだよ。大好きだ」
愛してると言いたいが、恥ずかしくて言えなかった。それは紗奈も同じだろう。
その同じ心が繋がり、紗奈の魔力が変化を始めた。
~~~~
すさまじい魔力の暴風が紗奈を包む。
「っ!?なにが起きてるのよ!」
パトリシアの言葉はみんな同意見だった。
俺はハッとしてフィールドにあるモニターを見た。
葉山のゲージが支柱となり
紗奈のゲージが、紫色と染まりビカビカと輝いているのだ。その表示の名前の下に新しい項目を見た。
《awake》と。
観客もそれを食い入るように見つめた。
俺はハッとしたが再びそれを見てしまう。
それに気付き自分の頬を叩く。
意識がもってかれている。
葉山が口を開く。
「ここに俺の持つ権限すべてを持って行使を宣言する。神崎紗奈。
今よりお前の"""印象操作"を覚醒により新たな魔法名、
"不可視の偶像"(イメージコンストラクター)とする」
その言葉に、会場は盛り上がる。
~~~~
不可視の偶像、まさに紗奈に合う名前の魔法だ。
「みんな気をつけろ。ここからは未知数だ」
俺の言葉に三人は頷く。
紗奈は葉山がラジコンカーで届けた武器を持つ。魔力を纏い、歌い出す。
それはマイクだった。
とても距離があるはずなのにその""声"だけで意識を持ってかれ思考を壊される。
それはリセリスや光達もなのだろう。
葉山はその歌声を聞き入っていた。
「ああああもう!!!!」
パトリシアが叫びリセリスも叫ぶ。
取っ組みあいを始める。 じゃないと思考を持ってかれ何もできなくなるからだ。
「カオル!大丈夫か?」
「う、うん、 でも考えができないんだよ」
カオルにまで影響を与える覚醒の力か。
意識を持ってかれてるからか俺は空を飛ぶビットに撃たれた。
続けて余語がやられる。
5-5
葉山からキャノン砲が放たれ俺はかろうじて防いだ。
だが完全に防げなくダメージを負った。
紗奈が歌いきり、みんな意識を取り戻した。
ここでバトル終了の笛が鳴り響いた。
こうして俺達の初めての公式試合は点数は引き分けだが見方を見たら敗北という形で幕を閉じた。
その時の紗奈は笑顔で歌いきった顔をしていた。
act2end
ここまで読んでくれてありがとうございました。
お馴染みネタバレですが、巫凪率いるチーム巫凪vs葉山率いるチームアクセルサーガの対決どうでしたでしょうか?
よかった?普通?微妙?実は書いてた自分はなんとも言えないと思っていたりもいなかったり。
対戦的には引き分けですが作戦的にはチーム巫凪ら負けたって感じだなぁと書いたときは思いました。
今回題名で軽くネタバレ?してます。
不可視の偶像、神崎紗奈の覚醒魔法です。おめでとうございます!。
4章act2は終わりですが4章act3にて4章はおしまいという形にしております。
では今回はここまでです。
次回は4章act3で4章を締めくくります