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4章 人を努力させる3つのポイント

4章入ります~

俺達はひとまず"今"へと戻ってきた。


「ってことだからここからはいよいよソーサリーズバトルが入ってくるな」

「なぁおい、巫凪。まさかあれも話すのか」

「当たり前だろ葉山。光にも来てもらったからな」

「二人の昔話だったけ?」

「そうだ。紗奈もな」

「うーん、あまり聞いて欲しくないような」

「まぁなにはともあれ話すか」



~~~~


私の名前はパトリシア・ユピテル。

魔法国、王族家系にして総合調査部所属、そしてチーム巫凪所属。

今日はチームの三人に属性について教えるのだ。

教室を見つけ許可を取る。今は準備中。

私は天才魔女とも呼ばれ月火の黒魔女とも呼ばれてる。

天才は努力しない。努力しなくともできる。自分は天才なんだから、出来て当然なんだから。


「あれ、一番乗り?」

「あら志郎、残念ながら一番乗りは私だから貴方は二番乗りね」

余語は「そっか」と笑いながら入ってきた。

私は好きなとこに座ってと促し、準備ができるまで軽く練習しなさいと言う。

「うん」

と余語は魔力を操り始める。お互いに言葉は少ない。彼とはチームの一員ではあったけどそこまで話す仲でもなかった。

彼がビー玉を銀に変えたのを見た。

「貴方、錬金術の魔法使い?」

「え?あーそうみたい」

カオルも巫凪も珍しい魔法だから余語もと思っていたが予想通り余語もだった。

「珍しい魔法よ。私達の世界には錬金術使は必要な素材がないと錬金はできないもの。それを魔力で変換できるなんてね…」

「それは知らなかったなぁ」

「それなら二人が、くるまでの間、ちょっとだけ特別授業しましょうか」

私は錬金術について教えたくなった。

一通り教えたあと

「すごいなぁユピテルさん。いろいろ知ってるんだね」

「当たり前よ。私はすごいんだから」

嘘。すごくなどない。

ましてや天才なんかじゃない。

自分が天才だと言われるのはこれまでのことが今に繋がりみんなが天才だと、そう言った結果だ。

天才は天才らしく自分は天才だと


「いろいろ努力して、がんばってきたんだね」


「…………」

…………。

……。

唐突に言われたその言葉に私は思考を止めてしまった。

「あの、ユピテルさん?」

「何言ってるの。私はがんばってなんかないわよ。貴方とは違うわよ」

初めて自分を認めてくれたことに嬉しくて逆のことを言ってしまった。

それでも余語は笑って「そっか」と言ってくれた。

いつかこのお礼を言えたらいいなと考えながら。


~~~~


これはあたしの話。

あたしは独りだった。孤独だった。何をしても何をこなしても。誰かに褒められることもなく両親からも目立つこともなかった。

だからあたしは願った。

目立ちたい。誰よりも輝きたい。どんなことよりも自分がその場所に立つその力の存在を。

そんな願いを持ってる時の中学のある日。校内で小さな火災が起きた。

火は直ぐに消えたのだが、犯人は誰だと騒ぎになった。あたしには関係のない話だと思った。思っていたがこの火災はあたしが起こしたことだと誰かが騒ぎだしたのだ。

目立つことなく視線を集めることもなかったあたしがだ。

こんな状況にあたしは嬉しくなり楽しくなった。

もちろん、この火災はあたしではない。ではないがあたしはあたしがやったと愉しげにみんなに言ってやった。

余儀なくその中学を転校されたが転校先、そこは変な町の学校だった。その学校では初めて知人と呼べる人が出来た。少なからず友人もできた。

そして好きな人もできたのだ。

まさかその好きな人が先生だとは思わなかったが。

その知人は先生と知り合いらしく知人を使う機会もあったが、その知人はあたしの想いをわかってか、何だかんだ協力してくれた。

先生達はあたしが前の学校で何をしたか気づいていたのか何も言わなかったけど、あの先生は言ったのだ。

「たとえ自分じゃなくても何か起こすなら人を笑顔にさせることをしろ」と。

自分をこうして見てくれることが嬉しかった。

中学三年になり、あたしは告白を決意した。

「き、この日の放課後、大事な話を…あなたとしたいんです。ここに来 て」

その時の先生は頷いてくれたのだ。

だが彼は時間になっても来ず、さらには何も言わず転任してしまったのだ。

知人とも疎遠になってきてあたしは目立つことはあってもまたひとりぼっちだった。

受験控えたある日。


「お前には魔法の適正が認められた。ここに受験先を変えるんだ」

謎のグラサン女がやってきて言った。


あたしはここで今までの原因を理解した。

だから迷わずその世界へ飛び込んだ。

驚いたのは知人も先生もこの学校にいたことなのだ。

あたしはあの日なぜ来なかったと聞いたが先生は何も言ってはくれなかった。

だが連絡先を教えてくれたので、時々話す。

きっと何かあるのだろう。

あたしは今でもそれを考える。


~~~~


「なんなんだろうなぁ」

「なにが?」

「え?わぁっ!?カオルちゃんどうしたの。あと龍太も?」

「溢れでるついで感みたいに言うな。どうした浮かない顔して」

「たいしたことないよ。ねぇ龍太。あたし達って友達?」

「急な質問だな…。俺達は友達だな。もしかして葉山のことでも考えてたのか」

「ちが、くはないけど。あ、そうだ!カオルちゃん!」

「な、なに??」

「あたしと一緒に今回のPR手伝ってよ!」


強引に話を変えたと思ったら今紗奈は何を言ったよ?。


~~~~


まさかカオルが今回のPRを手伝うことになるとは。

え?なに?一緒に歌って踊るのか。

カオルは喜んでOKし俺はカオルを練習場に送ってきたあとだ。

曲がり角から人がきたのだ。反射的に「すみません」と答えた。

「ああ、構わないよ。君こそ怪我はないね?」

そこには私服の金髪オールバックの男がいた。

「おや?君は巫凪くんだね?」

「あ、ああ。そうですが」

「初めてお会いしたね。方々から噂は聞いているよ。そういえば自己紹介がまだだったね。僕の名前はファルシ・リキスト。生徒会副顧問を務めているよ」

名乗った途端、この男は何か危険だと判断した。

この全てを食らいつくそうとする虚無の魔力。


「それでは僕は多忙なので行くとするよ。精々僕を楽しませてくれたまえ」

とファルシは去っていた。

~~


その日も俺はカオルを送っていき、俺は戻ると葉山がいた。

「あ、葉山。何か用事か?」

「よぉ巫凪。元気そうだな。まぁ用事だ。用事なんだが桜はいないか?。んじゃチーム巫凪。とりあえず今日はみんなで迎えに行こう。用事はそこで話す」

みんなでカオルを迎えに行くとカオルと紗奈は驚いていた。

「それで、用事は?」

俺が聞くと

「チーム巫凪、俺達とバトルをしろ」

「「はい?」」

と俺とカオルは顔を見合わせた。

~~~~

あのあと俺達はバトルを受諾しバトルをする日付はまた公表することになった。

紗奈とカオルのPRに被らないようにすると葉山は言う。対戦メンバーも俺達に合うようにするらしいが、一人は紗奈だと言って、紗奈本人が驚いていたが、快諾しそのあと一緒にメンバー探しをしに行って教室から去っていった。

「あれ、大丈夫か?」

「あの二人なにかあったの?」

「……」

余語の問いに俺はそれに答えることはできなかった。

後日メンバーが発表された。

チーム名アクセルサーガ

葉山光代

神崎紗奈

葉山光

リセリス・ナイトローゼ

この四人と対戦することになる。


葉山光は葉山光代の妹であり、俺達と同年代の特進クラスに在籍する生徒で俺は中学の頃に少しだが面識がある。

リセリスはパトリシアに見合う相手がリセリスしかいなかったということらしい。

「は、初めまして葉山光です。よろしくお願いいたしますね」

と光は挨拶にも来た。光は男が苦手であり、漫画家でもある。そのため最初にカオル、パトリシア、紗奈、リセリスをガン見していたが、まぁ根はあっちではないので大丈夫らしい。葉山曰くだが。

彼女の魔法は守護の炎。

味方に温度のない炎をまとわせ、相手の攻撃を全て防ぐというものらしい。

いったいどんな戦術を取ってくるんだろうか。

~~

「え、パトリシア、二人の練習見に行ったのか」

「そうよ、まぁ大丈夫そうだったわ」

「それならよかった」

だがパトリシアの大丈夫そうだったわ、はここまでだった。

練習が後半になると、だんだんカオルと紗奈はお互いにつっかえてきたのだ。

そのため見学にいたパトリシアは二人のフォローに回ったりしていることが増えていった。

~~


「葉山」

「殺陣さん」

「バトルをするそうだな」

「はい」

「神崎紗奈との約束の続きのために桜カオルと接触させたわけか」

「彼女は紗奈の魔法をカットできるようですからね」

「巫凪龍太には何も言っていないのか」

「あいつには迷惑しかかけてませんね」

「そうか。

…葉山光はお前のために魔法を開花させたようなものだな」

「そうですね」

「思惑通りに上手くいくといいなという顔だ」

殺陣はそう言って去っていった。


~~~~


「カオルの元気がない」

開口一番俺は言った。

だがカオル本人は至って大丈夫!と言っていた。

バトルの練習を始める際にカオルに「PRとバトルがあるから何かあったら手伝うから無理はするなよ」と言ってはいたのだが。

心配である。


「巫凪…龍太…」

ふと呼ばれた気がした。

「???」

「下…」

俺は下を向くと小学生並の身長の制服を着た女の子がいた。

「すっげぇ物騒な小さい女だな」

と俺は思わず言う。

「それ、よく言われるし、あと、失礼…私先輩」

女の子は言うが俺は臨戦体勢になっていた。

「俺は君を知らないんすよ」


なぜならこの女は気味が悪い色をした魔力のあばら骨を纏っているのだ。

天井を見ると首の骨が見えた。

「姫野桃…。生徒会とかの三番目?やってる…」

あー、やっぱりもう生徒会全員って怪物しかいないのか?。

「…見えてるんだ?」

「知りません」

「見えてるんだ?」

「いいえ」

「…………」

一瞬ふてくされた顔をされた。

「んじゃ、いきますわ。迎えに行かなきゃならないんで」

俺は退散を兼ねて去る。

そのやばい視線は女の子が見えなくなるまで続いた。

あれは下手すりゃあの女の子が纏ってる骸骨に殺されるやつだと瞬時に危険アラームが頭に鳴ったからだ。

~~~~



「だからここはこうじゃないと!」

「でもこう動かないと次のステップが入らないよ!」

お互い揃って、動きがぶれてぶつかってしまう。

「カオルちゃん、今のカオルちゃんがそう動かなければそうならないでしょ!」

「なにいってるの、紗奈ちゃんが足元見てないからじゃん!」

「二人ともちょっと落ち着きなさいよ」

パトリシアは言うが二人は聞き入れはせずスルーされた。

「なにを!」

「むっ!」

一触即発かと思ったが。

「いい加減にして!」

パトリシアのキーンと響くでかい声が室内に響き、しんとさせた。


「二人とも、なにしてるのよ!?喧嘩するためにPR練習してるわけじゃないでしょ!いい加減にしなさい!そんな二人なんか。…………ッ!!!」


パトリシアは次に口にする言葉を口にはしなかった。代わりに扉を開け思いっきり閉めた。大きな音が室内に響き廊下を走る音が響いた。


「…今日は厳しそうだね」

「……そうだね」


~~~~

カオルと紗奈の雰囲気はパトリシアの様子を見てなんとなくわかった。

「……」

「カオル?」

「龍太くん?」

「移動教室だよ。どうした?心ここにあらずだったが」

「そっか……うん、大丈夫」

カオルは大丈夫としか言わない。

本来なら俺もそこでわかったと言うのだが

「それなら練習でやった技も大丈夫そうだな」

とちょっと申し訳なさ半分で言うとカオルは「え?」と言ってから頭を抱えた。

俺も俺なりにカオルの力になりたかったから。


「なにがあったか話してみてくれ。何か辛いこと、何か大変なことあるんだな?」

「……うん、実はね」

とカオルはこれまでにあったいきさつを話してくれた。

~~~~


彼女はトレーニングルームでラーニングマシンで走っていた。

俺もこの二人の様子が悪くなることは気づいていたが、大丈夫だと思ってはいたが……その姿に俺は"先生"として声をかけた。

「紗奈」

「…こー…、なに?」

「お前最近、はりつめすぎだろ?どうした?」

「別に」

「そうか、今日は桜と練習じゃないのか?」

「……別に…」

「……お前喧嘩したな?」

「……」

紗奈はピタリとラーニングマシンと一緒に足を止めた。この学校で紗奈と関わりがある人はわかるだろうが紗奈はアイドルをしていないときはかなりツンツンしているのだ。

ようするにアイドルをしている時の彼女は純朴かわいこぶっているのだ。魔法学校の広報部アイドル稼業の半年、その道へ進んだのは彼女自身だが、一定層からは魔法なしで人気があるのだ。

「……練習見ないでほしいんだけど」

「ダメか?」

「何で見たいの?」

「影で努力はいいことだよ。でも誰にも見せないのはいけないな」

「どうして?」

「誰かが見てないと人間は怠けちゃうからだ」

「あたし別にサボったりしないよ」

「わかってる」

「…じゃなんで?」

「そばにいさせてほしい。あと適度に弱音は吐くべきだぞ。じゃないとパンクしちまうからな」

紗奈に感心すべきは、血を舐めるような努力、それを、彼女はおくびにも出さないところだ。普通だったら、辛い、やめたい、弱音を吐いて当然のはずだ。しかし、彼女は違う。誰にも言わなかった。だからだろうか。アイドルとして活躍を始めた彼女は俺に対して、見るな、と言うことがあった。俺は彼女の秘密の努力を言い振らすような真似は決してしなかったが、それでも彼女は、そばで誰かが見ている、というのが落ち着かないらしいのだ。

だが今の俺の言葉に彼女は頷いてくれたのだ。

「……あたし、カオルと喧嘩した」

「そうか」

「カオル上手いんだよ。あたしが教えたことあたしがこれまでやって来た長い時間を一瞬で覚えていくの」

「そうか…」

「だから、羨ましかった。ちょっと妬ましかった。あの子が綺麗にターン決めてると殴り付けたい衝動になりそうになるし…」

「そうか」

「うん、でもしない。友達だから。ねぇ"葉山先生"あたしどうしたらいい…?」

仲直りをすればいいというのは簡単だ。

でもそれじゃきっと彼女は納得しないし俺の言葉でも全部正しいというわけでもないかもしれない。

「お前は今どれだけストレスをためてるかわかるか?喧嘩した話だけじゃなく、これまでのこともだ。それを誰かに話したこともあるか?」

「…知らないし…それもない」

「お前自身が気づけなかったのもきっとあるんだ今までは、お前がアイドルはじめて気を使ってストレスとか管理してやってたけど、お前ももう高校生だ。そろそろ、自分でそういうことをできるようになったほうがいい……って思って、少しほっといたんだけど、ちょっとまだ早かったかな……」

「は、早くない!」

「いや、いいんだ。失敗とか誰でもするし苦い辛い思いはたくさんしする。だからこれも数ある内の失敗って考えて前に進めばいい」

「前に…って」

「そう、今から桜のところ行って謝ってこい」

「え?!無理だよ…」

「無理でもなんでも謝ってこい。そういうことは桜に嫌だ無理だと言われてから言うんだな。扉が鉄か紙かわからないのと一緒で叩いてみな」


 それでも、やや煮え切らない様子の紗奈。俺は仕方ないなぁと頭を掻いた。

「いいことを教えてやろう。人を努力させるための3つのポイント」

「努力させる?」

「そう。1つ目はさっき言った、周りの目を作ること。見られていると思えば人は自然に努力できる。2つ目は、期限を設けることだ。宿題に提出期限があるのはそのせいで……これも他言しておくと効果アップだ。3つ目、なんだか分かる?」

「…………分かんない。なに?」

「めっちゃ単純な話なんだけどな。3つ目はご褒美を用意すること」

「ご褒美?」

「そうだ、今日中にそれができたら、あー、俺ができる範囲でだがご褒美あげよう。なんでもいいぞ?できる範囲でだが」

「大事なことだから二回言いました。みたいな」

紗奈は少し笑って考えた。

「あとで、でもいい?」

「今」

「う~~ん。変なお願いだけど、いい?」

「おう」

「デートして1日」

「いいぞ、え?寧ろそんなんでいいのか?」

「うん、これがいい。もう高校生になったから」

「そっかぁ。んじゃとびきりのいいデート、企画しないとだな」

「ほ、ほんとにいいの?その生徒と先生、だよ?」

「俺、先生だけど講師だからな。学校の外じゃおっさんだよ。桜のほうもきっと大丈夫だろ」

「なんでわかるの?」

「巫凪にはちょっと楽しみがあるからな。

さて、これで言った。

お前は出来る子だ。大丈夫。自分してきたこと、自信に変えるんだ。いいな?」

その言葉に紗奈は頷く。

「うん」

「おう」

「あ、ねぇこーくん」

「なんだ?」

「なんでこーくんはそんなに前向きというか、元気でいられるの?」

俺はばか正直に答えることにした。

「それが女の子達にモテる秘訣の一つだろ」

と、ウィンクしながら言う。紗奈はその解答をわかってたらしく「女タラシ」と笑って返し「じゃいってくるね!」と言いトレーニングルームをでていった。

晴れ舞台に立つ彼女は彼女自身が魔法のようにキラキラ輝いている。

その輝きの理由。その理由に俺という葉山光代が紗奈の中にいるのなら、俺にとってこれ以上の喜びはないだろう。

だからこそいつ彼女に思いを伝え受け取ろうか。ずっと考えてしまっていた。

もしかしたら近い未来に伝えることができるかもしれないと。そう感じた。


~~~~~


同時刻

「それでね、わたしはどうしたらいいかな?」

「それでカオルも紗奈もって感じでパトリシアもって感じか」

「うん」

「仲直りしたい?」

「それはもちろん」

「そっか。きっとどっちかが悪いわけじゃない。友達との仲直りはやっぱり伝えることが大事だと思う」

「仲直りしたいって?」

「うん。きっとあいつは嫉妬もあったかもしれないんだ」

「嫉妬?」

「まさかカオルがめちゃめちゃ上手かった!なんて思わないからさ」

「そう?そうなのかな?」

「うん、だからと言ってわざと下手にやったら誰でも怒るだろうけど」

「だね。だからこそ仲直りしなきゃいけないって伝えなきゃいけないんだね」

「うん」

「わかった。今から仲直りしにいきます!」

「え、今から?!あの移動授業は…」

「今だよ!じゃなきゃいつやるの!」

「今でしょ!」

思わず乗ってしまった。

そしてカオルは駆け出し扉を開けダッシュした。

駆け出したら

「ひぁやぁ!」

「あびゃ!」

とカオルとパトリシアがぶつかる。

「か、カオル…」

「あ、パティちゃん」

「……」

「パトリシアちゃんごめんね。あんな光景はパトリシアちゃんも嫌だったよね」

「……そうね。友達だから、やっぱり仲良くしてほしいもの。でも私も…ごめんなさい。あんなに怒鳴るつもりはなかったのに」

「うん、わかってる。大丈夫」

「ほんとにごめんなさい」

「いいよ!」

二人はわぁぁと抱きつく。

俺はなんとなく空気でいることにした。

「あ、ごめんパティちゃん!わたし今から紗奈ちゃんのところにいってくるよ!」

「そうね、私も行くわ」

「いや、あの、お二人、移動授業…」

「「それは後!」」

「すいません…」

俺も腹を括って追いかけることにしたのだが教室を出ると、そこには余語がいた。

ちなみに二人はひゅーと廊下を走っていった。

「余語?」

俺はふと気配を感じ呼ぶ。「ああ、なんか大変だったみたいだね」

気配を消していた?少し腕を上げたようだった。

「まあな。そういえば移動授業なのにあの優等生のパトリシアが戻ってきた理由はそういうことか」

「俺はただ聞いただけなんだけどね。全然力になれなかったし」

「いや、余語がいなきゃパトリシアはどうしたらいいかわからなかったはずだ。お前はよくやった。すごいやつだ」

「うん…それならよかった。ってことは神崎さんのほうももしかして」

「葉山がなんとかしただろ。あっちもこっちがなんとかしただろとか思ってるだろうさ」

「ってことは今回このPRもバトルも全部葉山先生が黒幕なのかな?」

「それしかないな」

「桜ちゃんを神崎さんに近づかせて、そして先生がバトルを組ませる。つまり神崎さんのためだけのバトルとPRってことになるんだね」

余語の言葉に俺は初めてそれにたどり着いた。

「そうなるな」

「どうしてだろ?」

「…きっと昔の約束のためだ。そしてもうひとつはカオルを利用して何か考えてる。…あるいは」

「あるいは?」

「ああ、なんでもない。追いかけるか?」

「そうだね。あ、ねぇ」

「なんだ?」

「これを機に俺達も名前で呼びあわない?」

「 ( @∨@)」

「え?なにその顔の反応?」

俺は思わず笑いをあげてしまった。

「いや俺真面目に言ってるよ!?」

「ダーッハハハハハハハ!わかってる。すまんすまん。いいよ志郎。こっからは俺達も一緒に戦う仲間だ。勝とうぜ」

「だね、龍太、バテたりするなよ?」

俺達はガシッと拳を打ち付け合い二人を追いかける。

みんな走って追いかけて廊下を走る。

なんなんだろうなこれは。

楽しいな。

俺と余語が追い付いた時にはカオル、紗奈、パトリシアは既に仲直りして三人で笑いあっていた。

俺は余語と見合わせ、一緒にその輪に加わった。

その後、PR練習はとても快調よく進んだ。驚くことにPRにはパトリシアも参戦することになる。

ずっと見ていたから覚えてしまったのだとか。

さすがだな。

チーム巫凪対チームアクセルサーガ。

今年初の前代未聞の公式戦とまでなり学校中、話題となっていた。

政府からも使者が来るらしく、PRにもバトルの練習にも力が入った。

こうしてあっという間の練習期間が過ぎて、いよいよソーサリーズバトルが開幕当日となった。

楽しみで楽しみで仕方なかった。それはもうみんな同じなのか。みんなも楽しそうだった。


余談だが俺があるいはと予感した続きの言葉はこれからバトルの最中、それは起きることとなる。


4act1end

ここまで読んでくれてありがとうございます。

いつものようにネタバレをします。

今回も初登場の人物がでてきました。

ファルシ・リキスト。生徒会副顧問であり実際生徒会を運営しているのは彼。

姫野桃。かなりの低身長であるが生徒会の三番に位置する巫凪達の先輩。

葉山光。葉山光代の妹であり巫凪達とはクラスは違うが同年代の女の子。

ちなみに読み方は兄はこうだい、妹はひかると読みます。

今回の話は題名にもありますが人を努力させるポイントを話しています。

怠けさせないこと、行動させること、かといって無理はさせない、しないことの話です。内容を読まず後書きから読んでいる人は内容を読んでいただければわかるかなと(わりと楽しく書けた)


さて次回はいよいよ、公式チーム戦ソーサリーズバトルの試合です!

チーム巫凪vsチームアクセルサーガの対決の開幕です!

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