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10章act8 最後の戦い

こんばんはおはようございますこんにちは

九州は梅雨入りをしたようですね。

こっちもそろそろかなぁ。

物語は10章act8になります。

最終戦はここで終わります。

結末はいかに

「志郎!!!」

俺達は叫ぶ。

「っ!!!」

余語はそのまま倒れる。

「志郎ッ!!無事か?!」

駆け寄り言うが答えは返ってこない、幸いなのは息がまだあったことだ。

だがルシファーの槍が横凪ぎに俺達三人の首を捕ろうと迫る。

「ハァッッッ!!」

パトリシアが有らん限りの声で叫び蒼蓮の炎が槍を押し返す。そのまま左手に杖を持ち、高速で魔法陣を描く。

魔法陣から黒い衝撃波が派手に放射した。ルシファーを包むが、そのままお構い無くパトリシアの首を掴もうとする。俺は槍を真上に殴り、カオルがルシファーの腕を斬らんとした。

ルシファーは再び回避する。

「パトリシア、無理するな」

「………」

「パティちゃん」

「わかってるわよ。でも」

「まだ志郎は生きてる。大丈夫だ」

「……」

「おや?彼はまだ生きているのか。さすがだね」

ルシファーはそう言って笑い、身体を前に倒…いや

「カオル!!!」

バリンッ!!!!という異様な音が響く。

ルシファーが前に身体を倒しかけた瞬間にとんでもない速さでカオルを突きにいったんだ。

カオルは壁に叩きつけられたが槍を剣で受け止めていた。

だがルシファーは鍔迫り合いのまま槍を流すように横に振りカオルを床へと叩きつける。

「カオル!。っ!!」

俺は杖を構える。カオルを助け起こしたいがその隙がない。そのまま遠距離攻撃を始めるが、ルシファーはどんどん距離を詰めてくる。

「くそっ」

俺はそのまま槍の振り払いを受け吹き飛ばされる。叩きつけられるところを重力で立て直そうとするがルシファーの胸に咲く花が輝いた。

俺の魔法は霧散しそのまま壁に叩きつけられる

「ぐ!?」

かと思ったが吹き飛ばされてる俺の服の襟をパトリシアは掴んで受け止めた。

「……」

「助かった」

「…いいわよ」

ルシファーは再び身体を倒す。

「来る!」

俺とパトリシアは構える。

その瞬間、倒れていたはずのカオルがルシファーと同じような速さで割り込んだ。

倒れていたのは不意を突く一瞬を狙うため。

ルシファーはカオルと一緒に壁に叩きつけられたがカオルは剣を握ったままルシファーの左胸の魔心花を突き刺していた。

そのまま風を纏いルシファーの翼を切り刻み始める。

「イアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

ルシファーは突如声を張り上げ、衝撃波が発生した。

「ッ!」

カオルの両耳から血が飛び出た。

俺は咄嗟に片方を手で圧迫したがもう片方がブチッ!という音がした。パトリシアもカオルと同様に両耳から血が飛び出た。

だがカオルはそのままルシファーに風を鋭くさせ切り刻み続ける。

「パトリシア、パトリシア。聞こえるか!」

「くっ!っつぅぅ…?」

聞こえてない。

剣に突き立てられた花は、怒っているのか光輝いていた。胸から根っこのようなものが飛び出し、剣を抜かんとしようとしている。

だがカオルはそのまま貫通させる気でいるのだ。さらに奥深くまで突き刺す。

「調子に乗るなぁぁぁぁ!!!」

ルシファーがついにカオルを引き剥がし地面に叩きつけ、ルシファーはカオルに巨大な魔法陣をぶつけた。

俺は叫んだ。カオルの名前を。

だがカオルはそのままぴくりとも起き上がらない。

「…。龍太、片耳は無事ね?。そのままよく聞いて。カオルと志郎を連れて離脱しなさい」

「は?な、なにいってんだ」

「どうせなにいってんだとか言ってるんでしょ!あいつには勝てない…!無理よ。だから…」

パトリシアは俺の手を取った。

「おねがい…!。二人を死なせないで」

パトリシアを見る。その目は真剣だった。

俺はカオルを見る。余語を見る。そしてパトリシアを見た。

パトリシアは俺達を逃がす時間を稼ぐつもりなのだろう。俺達三人が生き残れば、もしかしたら次は勝てるかもしれない。

パトリシアも死ぬつもりで戦うわけではないとは思う。だが戦う覚悟も死ぬ覚悟をも持っていてそれを磨いてきた強さが彼女にはある。

余語も戦った。

最初はチーム内で自分は弱いと言っていたけど、だけどここまで登ってきた。

生徒会と互角に戦いパトリシアを助けるだけの力を持てた。

そしてカオル。

カオルは俺達チームにとって勝利の要だった。

ボロボロになってもカオルはあんな強大な敵に立ち向かい勝とうとした。初めて会った時、カオルはどこかこの世の人間じゃない心を持った人だと感じることもあった。だけど彼女は人間だ。誰より俺が知っている。朝が弱くて勉強が苦手で、甘いのが好きで、ちょっと可笑しな偏差値の学校に通う女の子だ。人の弱さもあり強さがあり俺を励ましてくれた。そして俺の大事な人だ。

守りたい人だ。…大好きな人だ。


なのに俺は、こうして守られてしまった。

みんなのリーダーだから、みんなの前に立たなくちゃいけなかったのに。

なのに俺は…。俺は弱いんだ。わかっている。みんなのように強くない。ちょっと知識と魔法に勘がいいだけ。

自覚している。

今のチームじゃ俺が一番弱いことも。

「龍太…!」

パトリシアが叫んだ。

槍が迫りかろうじてパトリシアが防いだ。

だがパトリシアはルシファーに捕まり地面に叩き潰される。

何度も、何度も、何度も。

パトリシアはそのまま動かなくなった。


俺はここで二人を背負って逃げるべきなのか?。

ここで諦めるのか。

ふと、声がした。


《諦めるの?》


違うよ。現実を見たんだ。


《それはキミにとって正しいの?》


正しいよ。あいつは悪魔の王だ。志郎も、パトリシアも。カオルも負けてしまった。


《ほんとに負けたの?》


??。


《だってキミはまだ立っているじゃん》


え??


《わたし、言ったじゃん。

あの時。キミも答えてくれた》


わたし?あの時? 君は…?


《あの大空へ。わたし飛びたいの。キミと一緒に。誰よりも》


その言葉が、俺の心を強く震わせた。


槍が魔法陣を帯ながら迫る。

俺はそれを掴んだ。

「??」


「そうだな。決めたもんな。どこまでもって」


掴んだ槍をさらに強く握る。

「何を言っているんだい?離したまえ」

「…。断る」

そのまま槍を握りつぶし、砕いた。

「な、貴様…!?世界の至宝を!?」

「そんなものどうだっていい」

心の中で魔力が爆発したくてたまらないのがわかる。

俺は雄叫びを上げた。

魔力がついに俺の身体から溢れでて迸る。

この叫びは俺の心が叫ぶ歌だ。


志郎、パトリシア、紗奈、葉山、リセリス、光、シャルル、三珠、朝霧、アウロラ、フウラ、リィラ、サリエル、リッリル、イリア先輩、遠山先輩、金美、摩耶、柳原、瑠花、ルア、本郷、林道、豚之先輩、結城先輩、田辺先輩、音羽先輩、遠近先輩、雲間先輩。

そしてカオル。


みんなの思いと気持ち、無駄にはしない。


俺の身体を夜空へ変えよう。

俺の涙を星に変えよう。

俺の心を十二の魂に分けて、あまねく銀河へと変えよう。


そして自分の魔力を解放した。

青だった空は暗くなり星が瞬き夜へとなる。周りはきらきらと輝く光の玉が作られる。

光の玉はカオルや余語やパトリシアにまとわり、傷を治していく。


俺はすぅー、と息を吐いた。

ルシファーはそれを見て鼻を鳴らした。

「ふん。ここで覚醒するんだね」

「そうだ。もうこれ以上、みんなを傷つけさせない」

「フッフフフ。ハハハハハ。君が覚醒したところで、何も変わらない。僕には力がある」


しかし、ここで新たな来訪者が現れた。

「空が突然、夜になって、どうしよう!ってなってやっと上にこれたわ!大丈夫!?ってわぁぁ、お空、にこんな…」


「な、なぜ貴様がここにいる」

ルシファーが言う。

「なんででしょう?殺しそこなったんじゃない?」


余語もパトリシアもカオルも起き上がってきて、空を見て驚き、余語とパトリシアも来訪者に驚いていた。

「ああああ、アウロラ達と同じ反応。うう、私ショック。足あるのに」

「…霊峰詞葉、生きていたの?ってか龍太、逃げなさいって私、言ったのに…」

「悪い、聞こえなかった」

ということにした。


霊峰詞葉(5章で命を落とした人物で、霊峰三珠の母にあたる) (10章番外にて巫凪とカオルが救助。詳しくは10章番外参照)


「あの時、僕はたしかに殺したはず」

「うん、死ぬかと思った。でも死体くらい確認なさいな。三珠のお友だちが助けてくれたから無事でした。やったね」

詞葉は俺とカオルにウィンクする。余語は俺にそうなの?と目線が問う。

俺は頷く。

「じゃあ時間もないから」

詞葉はそういって深呼吸する。

「やめろ!!!!そんな下らない歌を歌うなぁぁぁぁ!」

ルシファーが叫ぶが、謳葉は歌い出す。

魔力の流れが変わり、暗いのに明るくなった。

ルシファーは奇声をあげ始める。


霊峰詞葉の魔法は魔祓癒旋律詩ディーバ・フォース・シンフォニーという邪悪を祓い浄化させる力がある。

ルシファーはこれを嫌うために彼女を殺した。

だが俺とカオルは過去へと飛び詞葉を救助した。

ルシファーからついに何かが砕ける音がした。

身体から何かが出てきて、形になる。

「ルシエルちゃん!」

ふわふわと飛んでおり、カオルが受け止める。

左胸にある花もピシッとヒビを生んだ。

詞葉はゆっくりと歌い終わる。

「ああ…あああああ!!知識がこぼれていく?!。僕の全知、全能…全てを支配する理が?。これはなんだ、僕の力がみるみる減っている?あああ!あああああああ!!!!!!あああああああ貴様らぁぁあああ。よくも、よくも、よくも!僕を出しぬいてくれたな!これは死だ。貴様ら全員死をくれてやる!、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!死ね死ねェェェェェ!」


そのままとんでもない速さで迫ってくる。 だが見えない速さじゃない。

詞葉の歌が、ルシファーの悪魔の力を大きく阻害したんだ。

俺は杖を持つ。杖についた石は俺の魔力に呼応するように輝く。

俺は杖を振り、杖は軌跡を描く。

流れ星みたいだと思った。

俺はルシファーとぶつかる。力は互角。

再び杖を振りかぶる。光の玉が杖へと星座の形を作り集まり大きな大剣へと変わる。

それをルシファーへと叩きつける。

光の大剣はそのまま霧散したが今は助かった。

翼を広げ飛ぼうとしたところをカオルは翼を切り裂いた。

俺とカオルは互いに頷き合う。

元より一人で勝とうと思っていない。

だがルシファーは対応が早かった。槍の破片をそのまま武器にしてきやがった。

カオルに突き刺さる。

「あれ?いたくない?」

「なに…?」

ルシファーが驚愕するが俺が膝をついた。

「いっつ…」

「龍太くん?!なんで」

「俺の魔法で、みんなの傷を全て俺への痛みに変えたんだ」

「それって、ソーサリーズバトルでやった時の?それを魔法に?で、でも大丈夫なの?」

「大丈夫だ。必ずカオルを、みんなのことも守るよ」


「…わかった。ありがとう。守ってね。わたしを。みんなを」

「ああ!」

俺達は再び立ち上がる。

「詞葉は壁際まで待避してくれ。周りには警戒しろよ」

「わかってるって。それにしてもすごいなぁ…」

詞葉は先程言いかけた言葉の続きを口にした。その続きは空にあった。

俺達は空を見上げる。

青空だった空を一面夜空へ変えプラネタリウムのように星がたくさん群生していた。

「これが龍太くんの魔法なんだね!」

カオルは空を見上げる。

ルシファーが跳躍してきた。

「カオル!」

呼び、カオルは回避する。

剣を構え高速の二連撃を打ち込む。

「パティちゃん!」

「わかったわよ」

パトリシアが炎をカオルに向けて放つ。カオルはそれを光剣で受け止め、刀身は伸びて紅く変わり、炎を纏う。

「ハッ!」

カオルはそのまま疾駆する。速さと重さを合わせた一撃。渾身の一撃だろう。

ルシファーに突き刺さる。

「やったか」

しかしルシファーから大きな高笑いが生まれた。

「なに?」

「カオル避けなさい!」

槍の破片と折れた槍を武器にしルシファーはカオルを突き刺す。

カオルはそれを危なくもかわした。

「君達の攻撃は僕には無意味だ」

それは初めて会った時に感じた虚無のような感覚。

「…それがお前の魔法か」

「そうとも。虚空域ボイドそれが僕の魔法さ」

悪魔の王で、魔心花の主で、さらに魔法使いか。

三つの力も使えるのか。

いや、今は二つか。それでもすさまじい力だ。

「君達の攻撃全て僕に吸収され僕の力となるんだ」

その証拠に、翼や貫かれた花は再生していた。

「さぁ絶望したまえ」

「まだだ!。俺達はまだやられちゃいない!負けていない!」

俺は杖を構える。

石が輝き周囲に漂う光の玉も同時に瞬く。

カオルもパトリシアも余語も構えた。

「往生際が悪いな」

「いくぞ!」

俺の合図で戦闘は再開する。だが何回やっても光、風、炎、金属、全てに対して奴に吸収されていく。


「なら…」

俺は大きく息を吸う。

右手に持った杖を肩に置く。先端の石から渦巻く光が溢れ出す。

それはどんどん大きくなる。ここだ!。

空いた左手は重力を起こし俺はそのままルシファーに激突する。

「っ!パティちゃん!志郎くん!」

カオルがなにかを感じ取ったのか二人の杖を取り自分の杖も俺に投げ渡した。


「??」

「!。ありがとう!!上がれぇぇぇぇ!!!」

ルシファーに組み付きそのまま上へと急上昇する。

「なにをしたって、同じだよ。ん?」

ルシファーは俺が宇宙まで行こうとしていることを察知したらしい。

「小癪な!!」

意地でも引き剥がそうとした。

ルシファーは悪魔だ。元々精神だけのような存在だ。

星という文化圏を外れることで存在意義を保てなくさせ瓦解させることができるかもしれない。

恐らくこれはルシファーには効くのだろう。だからこそルシファーは死ぬわけにはいかないために俺を引き剥がそうとしている。だがそれだと魔心花は倒せない。


だからもう1つの手にかける。俺の今の魔法でこいつの虚無を上書きする。

いわゆるブラックホールと大銀河の対決だ。

俺の杖と三人の杖を持ち全てをルシファーの魂に叩き込む。

「き、貴様ァァァ…!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

「そんなもの聞くものか!貴様の魂諸とも僕の糧にしてやる!!」

「何もない虚無の塊のようなお前に俺は!俺達は!!負けない!!」

互いの力がぶつかり合う。

「フハハハハハハハハハハハハハハハハ、アーハハハハハハハハハハハハッ!」

ルシファーが狂ったようなように笑い俺の力をどんどん吸い上げていく。

俺は自分の魔法をルシファーに送りぶつけていく。そんな拮抗状態が続き何分経ったかルシファーの高笑いが消えた。

俺はあらんかぎり叫ぶ。

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!燃えろ!!!俺の魂!!この世界の未来を照らす光となれーーーッ!!!」

そうして視界は真っ白に染まり何も見えなくなった。


俺は一瞬気絶していたらしい。知らない場所にいた。 真っ白な視界に包まれていたが誰かがいた。

「これはまた随分派手にやらかしたね」

六枚の白翼を揺らした

「え?ルシ、ファー…?か?」

「だった。と言えばわかるかな?」

「え?俺は、お前はどうなったんだ?」

「君が僕に影響を与えたんだ。今の僕はルシファーじゃなく天使ルシフェルだ。君に関しては何事もないだろうね」

ルシフェル…。白き六翼を持つ最上位天使か。

「そうか…。なぁなんで今まであんなことを?」

「あまり覚えてないんだ。ただ悪魔としての僕は欲があったんだろうね」

「欲?」

「僕は人間なのだよこれでもね。でも天使だったのさ。ここに来て、人と交わる内に僕は天使として大罪を犯したのさ」

「大罪…七つの大罪か?」

「少し違う。でもそうだと思ってもらえればいい。その欲が色々世界に影響を与えたのは間違いないだろうね」

「…お前がいたおかげもあるから魔法使いはこうして今ここまで来れたのもあるんじゃないか?」

「僕は罪を犯した。良いこと悪いことに限らずやりすぎてしまったんだよ。手を出しすぎたってところかな」

「なら…」

「ああ、もう僕は行くよ」

どこに?とは俺は言わなかった。

ルシフェルは「そうだ」と言葉を続ける。

「僕が遺すことになるあの空中の都市は君達の好きにするといいよ」

「え?あの学校の真上に浮いてる空中の城のやつか」

「そう。あと」

「まだあるのかよ…」

「これでも餞別のつもりなんだがね」

「最後までいけすかない野郎だ」

「僕がいなくなることで今まで押さえていた物が開くかもしれない。それは君達に任せるよ。では今度こそ僕は行くよ。さよなら魔法使い達よ。


ありがとう僕を救ってくれて」


白い翼を揺らしルシフェルはどこからともなく現れた光の階段を上り消えていった。



~~


目を開けると病院だった。

「ここは…俺は生きてるのか?」

「生きていたらここにはいないわね」

パトリシアが椅子に座り紅茶を飲んでいた。

「!?。パトリシア?え、無事だったのか!カオルは大丈夫なのか!志郎は!音羽先輩や月島先輩は!一緒に来てくれたみんなは!あれからどウゴウゴ」

言葉の途中が途切れたのは俺はパトリシアに抱きしめられたからだ。

薄いなぁ…なんて思ったのは内緒だ。

しかし突然抱きしめられたことに驚いたので、抱きしめられたことに落ち着くことにする。

「落ち着いた?」

「まぁ、あ、はい」

「まず志郎は無事よ。今日は仕事を任せたからいないわね。カオルはそこにいるわよ」

俺はそこをみると隣のベッドでカオルが寝ていた。時々寝返りをうつ辺り大丈夫そうだ。

「ま、龍太に至っては心肺停止してたから危なかったんだけどね」

「マジで…?」

「自分がどこで戦ってたか覚えてない?」

「うん」

「宇宙」

「……よく生きてたな俺」

「そうね。で、音羽と会長がどうなったかだったわね」

「ああ」

「こうなったのよ」


~~~


空高くでは目映い白い光で埋めつくされその光はここまで明るく照らしていた。

しかし光に紛れて刃物が飛んできたことに私は気づかなかった。

「パティちゃん!!」

「!?」

カオルが無理矢理身体をねじこんでそれを弾き返す。

「ああああッ!!!」

物凄い速さで私とカオルの首を目掛けて刃を振る。

その刃をカオルは光を纏って防ぐ。

その相手はついさっき下の階まで戦っていた月島だった。

ずっと力を温存していたのかここにきてカオルを押し返し始める。

瞬間、弾丸が月島へ目掛け飛ぶが月島は筒上の光剣で叩き落とす。

余語がようやく起き上がり不意を突いたが月島は防いだ。

「あいつを止めるわよ」

「わかってる!」

私の言葉にカオルは返事をし余語が頷く。

「月島先輩…!もうやめてください…!!」

月島とカオルは剣撃を撃ち合いながらカオルは月島を説得し始めた。

正直二人の剣撃は凄まじいものだった。

だがカオルや私や余語は杖を巫凪に渡したままなのだ。カオルは素手から光を剣を強引に作り対応していた。

「私はイザベルだ!ここまできてやめろですって?!馬鹿を言わないで!!」


月島はカオルの振る刃を直前に光の何かで引き裂いた。このままじゃカオルが斬られる。カオルは刃が引き裂かれたことに気付いてない。

「カオル!!!」

私は大鎌をねじ込み月島の剣と相対する。すごく重たかった。

余語が弾丸を放つのが見えた。

月島はその弾丸を空間ごと光で潰した。さらに私の身体から魔力が動くのがわかった。

「志郎!!右に!」

「!!」

余語は私の叫びを瞬時に理解し回避する。

余語のいた場所が真っ黒に染まった。あれをくらえばどんな魔法使いもどんな存在も無くなる。

大光境界コンファインルミナスだったわね…こんなにやばいなんて。いえ、まさかそんな魔法だったなんて…日本を救ったって話もまんざらじゃないわけね…」

私は鎌を構え月島と相対する。

ただ光を操るのではない。

理の境界を光で操ることができる。

それが月島の魔法の正体。

正直言って理解をするとそれは神の扱う力ってくらいの力だ。

この空中都市もこの力で今まで隠されていたのかもしれないわね。

「パティちゃん!!!」

カオルに呼ばれハッとする。思考に気を取られていた。光の刃が私の足を掠めた。「しまっ!」

「とどめ!!!!」

月島が刃を私に降り下ろす。カオルと余語が飛び込んで月島を突き飛ばした。

「まだ私の邪魔を…!!」

月島の瞳の瞳孔は血のような色に染まっていた。

「せめて剣があれば…!」

カオルの言葉に私は歯噛みする。

巫凪は空だ。頼れない。余語も体力が限界。私も魔力を使いすぎて限界が近い。

頼みの綱はカオルしかいない。いや!まだある?

「志郎!剣を作って!二本!!」

「えええっ?!ああわかった!桜ちゃん!!」

余語が剣を作って投げ渡す。

カオルは受け取り構える。

「ん!?ちょっとおもい!でも!」

月島は剣を振りかぶるがカオルは二本の剣を操りそれを弾く。

二刀流。それを使いこなすのはどんな使い手でも難しいと言われている。

カオルは使い方を知っているかのように乱舞し月島と渡り合う。

「龍太くんだって、あそこで戦ってる!だからわたし達も最後まで戦うよ!!」

カオルの叫びと気迫に月島は押され怯む。

響き渡る過擦音と剣同士が唸りを上げ緊迫した感覚が広がっていた。それが何分続いたか分からない。

瞬間、空の光が突然弾け巫凪の魔力が途切れた。

私達みんな、空を見上げた。

「アアアアアアアアッ!」

月島が奇声を上げ光の剣を横薙ぎになぎ払う。

カオルは空を見ていたせいで反応が遅れ受け身の体勢になった。

なぎ払った光の剣はカオルが持つ二本の金属剣を叩き割った。

その瞬間を月島は見逃さない。再び光の剣を横薙ぎにする構えを取った。

しかも月島の光の剣に四角い光のキューブが付き始めた。

感覚でしかないが境界を真っ二つにする剣だとわかった。

あれをくらえばカオルの存在が消えてしまう!。

カオルもそれを感じたのか大きく目を見開く。私や余語が割って入る時間もない。

ここまでかと思った。

だがカオルの視界に杖が目の前に落ちてきたのだ。

それは巫凪の杖だ。

カオルは迷わずそれを取り

一瞬で剣へと変えて一閃。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

月島の悲鳴が響き渡り赤黒い何かが粉砕するように消えた。

月島はバタンと倒れた。


~~~


「って感じよ」

「すごかったんだな」

「すごかったのよ。そのあと自然落下してる龍太をカオルが助けて貴方はこの通りね」

「そうか。お礼を言わないとな。じゃあ月島先輩は無事なのか」

「無事よ」

「そうか。え、じゃあ音羽先輩は?」

「ああ、あの人はね」


~~~~


「終わったの?」

「まだだよ!龍太くん探しに行かないと!」

「え、あ、ちょっと!」

カオルは私の言葉を聞かず地面を蹴り空へ急上昇していった。

「って、下のみんなは?志郎ここおねがい!」

「ん、わかったよ」

私は階下へ降りる。

扉を開けると

「おりゃあああああ!!!」

ブチッ!!と叫び声と異様な音が響いていた。

「お?終わったか?」

その声は音羽だった。

異様な音はグリームを素手で砕いた音だったらしいわね。

他のみんなは息を着いたり満身創痍だ。

「あ、あなた生きてたの?」

「ああ~?なんとかな~。けど危なかったんだぜ」

「…なにがあったのよ?」

「いやなに俺もわからんのよ」

「は?」とこれ私。

「私達もよくわからないわ」

「うん」

フゥラとリィラも答える。

朝霧を見やる。けど魔力も精神も安定しているのがわかる。

じゃあと私は最後にアウロラを見た。

視線に気付いたアウロラは笑った。

「私がしたのはたった少しだけなのです」

「少しって?」

「私の魔法は色彩、つまり色を司ります」

私は黙って頷き聞き手になった。

「その青と緑を彼に貸し与えたのです」

「青と緑を?」

「…青は癒し、そして始まり、緑は再生、そして成長。今でもそれは彼の中で動いています」

「…。青の力で痛みを癒し、失った臓物を作り、緑で身体を再生、そして身体内部を成長させた。それは今もあの男の体内で動いているって言いたいわけ?」

「はい、そうです」

アウロラは穏やかに頷いた。

私はここで初めて思った。

こいつは神みたいなやつ、だと。

「あー、お前ら話は終わったか?終わったんなら上に行こうぜ。多分、みんな待ってるんだろうしよ」

音羽が朝霧を抱え「高い高い~」とか言いながら私とアウロラに言った。

私は半ば呆れた。驚くことがあるのに、まぁ話しても無駄なのかしら…と考えたわ。

「じゃあ行きましょ。ここあまり長居するとまたグリームがやってきそうだし」

フゥラはそう言い歩き始め、みんなは後に続く。

私は気になることはあるけどとりあえず後にしようと考えた。

けれど

「ねぇアウロラ」

「はい?」

「貴女、ほんとに記憶ないの?」

一応アウロラにしか聞こえない声で聞いた。

「そうです。記憶はないですよ?」

と申し訳ないような声を残して階段を上っていく。

私は溜め息をつき。階段を上った。


~~~


「って感じなんだけどね」

「アウロラ、やっぱりすごいな」

「すごいな、じゃないわよ。身体を作れる魔法なんて聞いたことないわよって言いたいわけ」

「いやでも、それで先輩助かったんだろ?」

「そうなんだけどねぇ~」

「あの空中都市は?」

「まだ浮いたままよ。魔力を持ってる人だけ見える状態なのが救いかしら?」

たしかに誰でもあれが見えたら怖いだろうな。

「ふぅん。話戻るが今でも青と緑の魔法は先輩の体内に?」

「年齢に追い付くくらいの再生と作りには時間がかかるみたいね」

「へぇ~。月島先輩と姫野先輩や明石先輩は?」

「こっちの国の魔導院よ。悪魔になったんだから当然ね」

パトリシアのなんとも思ってない顔に俺はちょっとゾッとした。

「ま、検査で終わるでしょうからすぐに戻るわよ」

「なんでわかるんだ?」

「龍太とカオルには魔を祓う力があるってしつこく検査して今回の事件でわかったから。まったく魔法なのに魔を祓うって二人揃ってなんなわけ」

「はい?え?わかったって、え?なに?検査?」

「貴方とカオル、三日も寝てるのよ。気づきなさい」

「気づくかあほ」

「あほですってぇ~?言ってくれるわね。その場で埋めてもよか「龍太くん!!」ああああ!!!???」

「などぅ!?ぐはぁぁぁっ!!!」

パトリシアの言葉は遮られた。カオルが起き俺に気付くやそのまま魔法を纏ったままダイブしてきた。

窓ガラスと物や壁が粉砕し、殺陣コーチがやってきて俺達は無言の説教をくらう。


こんな感じでこの事件は終わりだ。

やることは多いが俺達は生きている。

これからも。この先も。


ここまで読んでくれてありがとうございます


物語の最終戦、ついに終わりました。

主人公もついに魔法を完全に覚醒しましたね。

覚醒名に関してはカオル共々まだ未発表です。

でもこの二人に関しては未発表でもいいような感じさえしております。

正直ここまで書けるとは自分でも思ってませんでした。

でもまだ10章はact9とact10を残しています。

それが終われば、俺と私の交換日誌アカシックレコードは終わります。一つのゴールにたどり着く感じがしていいですね。

書き終わったらどうしようと、少し考えています。

まだわからないですね。

では今回はここまでです。

次回は10章act9になります。物語もあと少しです!

ここまで読んでくれてありがとうございました!


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