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10章act5 空中都市

こんばんはおはようございますこんにちは

物語は10章act5になります!

最終章も後半になりました!


階段を駆け上がる。

立ち入り禁止だった作りかけの階段の先には新たな階段が形成されていた。

そしてたどり着く。

それはとても巨大な門だった。

迷わず俺は扉を押す。

そこから光が漏れだした。

光のその先には、生い茂る草木、遺跡のような跡地、誰かが建てたのであろうが見たことのない建築物と廃墟な街並み。

明らかに地球を遥かに超えるであろう高度な文明があったことがわかった。

そしてずっとその先に、神殿が見えていた。

だがこれは…

「…これはもう神殿というより」

「お城…?」

俺とカオルは言う。

六人も同じ事を思ったのだろう。

銀色に光輝き、時おり青い軌跡が走っていた。

俺達は歩き始める。

「龍太、ここは空中都市みたいだね!」

余語の言葉に俺は「確かにな…」と思い直した。

「ここは私達の世界にもないものばかりね」

「パトリシアも知らないのか?」

「知らないわ。あ、あれ見えるかしら?」

「あれ?」

「あの植物?」と余語。

「そう、見たことのない?」

「んん?んん果実がなってるのか?」

「そう。ここは人の手もなく果実や作物が成っているのよ。ここまでできるのは私達の国でもなかなかないわ」

誰の手もいらない場所…。ここはいったい何が目的で作ったのか。

「あ、あの花は」

カオルがとてとてと花に近づいた。

「カオルだめよ!」

「はぅ!?」

その花を触ろうとしたカオルはパトリシアに引っ張り戻される。

その触ろうと場所には花は雄しべから何か蔦のようなのを伸ばして、すすすと戻した。

「え?魔心花じゃないの?」

「そっくりだけどあれは花に擬態したグリーム。根もないのに生えてくるの。昔兵器に使ってたこともあったけど、なんでこんなところに…」

「…考えても仕方ないぜ。行こう」

「そうね」

と俺達は進み始める。

「今の内に情報を共有しとかないとな。俺達はこの事件を起こしたのをファルシだと思ってるんだ」

「ファルシ?ああ、あの金頭の?」とフゥラ。

「うん、実際には月島先輩もいると思うんだが」

「それはわかるけど、なんでファルシが原因なの?」とリィラ。

「都合とタイミングが良すぎるんだよ。例えば覚えてるよな。志郎から聞いたが、お前達が襲撃してきた時とか」

「あぁ、一発KOされてたわね」とパトリシア。

「「う」」

「その時に月島先輩がやってきたろ?」

「あれはたしかにタイミングがよかったよ。そのあとファルシ先生が来て、会長を宥めてたよね。あの二人仲が良いし」と余語。

「あの二人は仲なんて多分良くないぞ?」

「え?龍太。そうなのかい?じゃあ仲がよかったってのは」

「音羽先輩と月島先輩が仲がよかったんだ」

「え?だって二人は仲が悪いんじゃないのかい?俺、あの二人はいつも互いに睨み合ってる感じしかしないよ」

「そ、そんなことありません!」

それに返したのは朝霧だった。

「じゃあいったい会長はなんであんなにファルシ先生に付き添ってるんだろう。端から見たら恋人かなんかだよ」

「…ちがいます。あの二人はいつだってお互いを見てました」

朝霧の言葉に「あ」とパトリシア。

「そういえば文化祭、あの二人、手…繋いでたわね」

「え?まじでかい?」

「まじでよ志郎」

「それに俺は田辺さんからは一年の時は恋人のように慎まじかったって聞いたからな」

「たしかにお二人は仲良しさんだったわね」

それまで聞いていたアウロラが言った。

「アウロラさんは二人の事を知ってるの?」とカオル。

アウロラは頷き答える。

「一年生の時、月島さんとは同じクラスだったわ。ここでは言えないけれどカイトさんは実はちょっとモテてていたの。内緒よ?。月島さんがそれに焼き餅やいたりしちゃったりして…大変だったわね。でも互いを信じあっていたわあの二人は。とても素敵なクラスだったわね」


アウロラから明かされるあの二人の話、お茶目に内緒と言われたので俺達七人は考えてしまう。

「それなのになぜよ?」とフゥラ。

「月島さんが生徒会の会長になる頃だったかしら。新任の生徒会副顧問がやってきた。それがファルシ先生だったの。当時はまだ一年生で、もうすぐ進級する時だったからよく覚えているわ。その時にファルシ先生は月島さんについに見つけたよ僕のフィアリアーセの花って言っていたわ」

「「「フィアリアーセの花!?」」」とパトリシア、フゥラとリィラ。

「フィアリアーセの花?ってのは?」俺が聞くと

「それは、その」

「なんと言うかこっちの世界では」

「んと、婚約とか何かそういう以上のような、あー…」

「ああわかったわかった。どうせ結婚相手とか僕の探していた身体だとかそんなとこだろ?」

魔女三人が言いづらそうに言葉を濁しているので適当に俺が返すと魔女三人は苦笑。

余語は理解してくれているのか無言である。

アウロラも同じ。

カオルはそもそもはてなマークをいっぱい浮かべてくれていた。よかった。何がだ俺よ。

「まぁ確信っぽいのは得られたからいいが何よりファルシは言っていたんだ」

「なにを?」とパトリシア。

「世界は行き詰まっている」

フゥラは「なにそれ?」と首を傾げる。

「わからないだけどパラダイムシフトをどうとか言っていた」

「パラダイムシフト?聞いたことない言語だね」とリィラが返した。俺は「たしかにそうかもな…」と続けて言う。

「フゥラやリィラはこっちに来て浅いからあまりこういう話をしないだろうけどお金の話に使われたりもしたんだ。まぁ一回きりだけどな」

「もしかして高度経済成長のことを言っているのかい龍太?」

「あぁ、そうだよ志郎。

人はそれをバブルと呼んだ。経済がよく、人は毎日お金を使い放題、歌って飲んだり、建物作ったりしてお金は減ってはまた増えて」

「…なんかパリピみたいですね」と朝霧

「そうパリピ。それが毎日な」

「で、余裕こいてたらあっさり落ちたのね」

「オチ言うの早すぎるわ。とまぁある種の時代変化、パラダイムシフトをもたらしてたんだ」

「それをこの時代で言うってことは?」とリィラ。

「一般人を減らして魔法使いを増やすって魂胆かしら?」

「え?でもフゥラの言葉通りなら良いことじゃないのかい?」

「バカ志郎。一般人を全員棄ててこの世界も魔法使いだけにしようって言うディストピアを作ろうって言いたいの?って言ったの私は」

「ご、ごめんパトリシア」

しばし無言で歩き始める。

「…あの人は今どこにいるのでしょう…」

朝霧の言葉に俺達は、あの人とは誰を言っているのかわかった。

「そういえば見てないな…。瑠美まで見てないと考えると」

きっと多分、この先を歩いているのだろう。

「急ごう」

みんなは頷く。

ふとスマホを確認したら時間が止まっていた。多分これは電波が届いてないのか。

俺はさっき考えていたことを思い出す。

人の手が不要。そしてこの街の構造や規模。空中都市。

まるで…

「ノアの方舟みたいだな」

俺の呟きは「ノアの方舟、ですか?」とアウロラが拾った。

「え?あぁうん。聖書に出てくる乗り物。大地も何もかもを全て洗い流すために成された計画だ。選ばれた人間だけはその方舟に乗る。全てを洗い流し終わったら新たな大地に選ばれた人間を降ろし新たな世界を作る。そんなお話しだった」

「ここがノアの方舟って言いたいわけ?龍太は」

「いやそうとは限らない。でもそうかもしれないって思ったんだ」

手入れせずとも自然に出来上がる作物。何千人住めそうな広い大地。そしてここは本当に浮いている大地なのだ。

「なるほどね」

「ノアの方舟…どこかで…あ、着きましたよみなさん」

アウロラは何かを思い出しつつあるのかもしれない。

ふとそんなことを思った。

ようやく城の前の門へと着いた。

「開かない」

門を押すが開かないのだ。

「周りを調べよ!」

リィラの言葉に俺達は頷き辺りを調べ始める。

しかし門らしきところはここだけだ。

「龍太くん!あの鍵は?」

「鍵?いやまさか」

と鍵を取り出す。

「なんだいそれは」と余語。

「あぁこれはな」と話始める(一章参照)

「なら試してみたら?」

パトリシアも言う。カオルも頷く。俺は鍵を押し当てる。ガチッと刺さった。

「刺さった…」

「まじ?」

「え、うそ?」

「他のも他のも!」

俺が言うとみんなが急かしてくるので俺は残りの鍵も試す。全部刺さっていきみんなで鍵を回す。

そして門が開いた。

まさかあの鍵、こんなところの入り口の鍵だったなんてな…。

持っておいてよかったかもしれない。


俺は一歩足を踏み入れようとした。

瞬間、黒い渦の虚無を強く感じた。


「いるんだな…。この先に」

「いますね」

アウロラも頷く。

「みんな、行こう」

みんなは頷き、城の内部へと入っていく。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

前書きにも書きましたが物語もあと半分で終わりに近づいています。

長かったです。いやまだ終わりませんけどね。あと半分もありますし。

いつものネタバレですが階段を越えた先は、空に浮かぶ都市、空中都市でした。

物語にも書きましたがこの空中都市は地上から見ると神殿(城)だけが見えるだけじゃなく魔力を有している存在ではないと姿形すら見えません。

久々にローファンらしい物が書けた気がしている。

同時に第1章からのフラグ(伏線)を回収。

ほんとに最終話に近づいています。

ちなみに前回と今回で都市伝説がでてきていますので軽く紹介します。


くねくね

都市伝説というよりは怨霊です。

白いふよふよした姿で、見た者は発狂して倒れて人格がおかしくなるという話がありますが、実はねじ曲げられてしまったことで怨霊から都市伝説になってしまった怪談です。

くねくねは元は両親の愛を受けられずに亡くなってしまった子供の亡者が本来の姿だそうです。

こう聞くとあまり恐怖がなくなる気がします。

対策はそもそも、くねくねはスマホの電波がないド田舎にでるとかなのでよほどのことがなければ大丈夫でしょう。万が一出会ってしまったら?元が霊だからか徐霊対象らしいなので寺や神社に駆け込み祓ってもらいましょう。



宙ぶらりんの階段

都市伝説というより怪談の階段みたいな変わった怪談です。

作りかけの階段には霊的エネルギーが集まりやすく異世界に通じる階段や別世界の扉といった近づかなければ一切害のない都市伝説です。

対策はそもそも作りかけの階段に近づくなって話ですかね。壊れたら大変だし。

絶対近づくなよ普通に危ないから


と、こんな感じでここまでですね

次回は10章act6になります

ここまで読んでくれてありがとうございました!

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