10章act3 事件の始まり
こんばんはおはようございますこんばんは
10章act3です!
あれから特訓は苛烈を迎えていた。
まだまだ鍛えるべきなところが多いとわかったからだ。
俺の魔法、万有引力は半覚醒したらしい。
テティスとの戦いがきっかけだったのかもしれない。
半覚醒名は心の星という名前(仮)。
俺は数秒無言になったがまぁいいかと思った。
技はあまり変わらないが拳から輝きが漏れているのだ。重力の力と混ぜるとすさまじい破壊力を持つ。
「龍太、まだいけるよ」
「わかった」
俺は余語と特訓していた。
全身に金属鎧を覆える余語はまさに鉄壁の重装甲だった。
見事に拳を受けきり、カウンターの浮き剣を放ってくる。俺は杖を使い引力でひしゃげさせる。
そしてお互いに特攻をし、激しいインパクト音を弾かせる。
~~~~
「あっちは派手なことをやってるわね」
「わたし達も派手なことをするの?」
「しないわよ私達は」
私とカオルの練習は読み練習。
ぺちぺちと、左右の手を挙げながらどちらの手かをハモらせる練習だった。
旗揚げみたいな練習である。
カオルにはそろそろ小技を覚えてほしかった。結城との戦いを見て思った。
けど無くてもごり押しで勝ててしまうのがカオルの恐ろしいところでもあるのだけど。
「ほら」
「あ、うん!」
「ちゃんと見なさいよ」
「うん、龍太くんちゃんと飛べてる」
「え?」
「ううん。私も負けてられない」
「…。そう」
私は今の話をあまり追求しなかった。
巫凪と余語の爆風がこっちまで届いて葉っぱがカオルの頭に飛んできた。背後から飛んできた葉っぱだからカオルに当たるわね。
と思ったのだがカオルは「お?」と言ったあと、くるりと身体を回してパシッと葉っぱを受け止めた。
「!?。ちょっ今のすごいじゃない」
素直に驚いてしまった。
「やぁ~なんとなく」
この咄嗟のひらめきと勘がカオルの凄さの一つでもあるのだろう。多分私でも難しい。
「私もまだまだ負けてられないわ」
「何か言った?」
「言った。言ったけど教えないわ」
「えー」
「カオルが思うことと一緒かもしれないわね」
「わたしが?うーん、今日の夕御飯が楽しみなこと?」
「違うわよ!。あーもう。とりあえず今日はこの辺りかしら」
と言って私は巫凪と余語を呼ぶ。
けれど事件は迫っていた。
~~~~
「朝か…」
俺は起きる。カオルはと天井を見るとまだ静かだ。寝てるらしい。穴の空いた天井。これ来年になったらどうなるんだろう。
カオルからしたら穴の空いた床下なのだが。
外で音がした。
「なんだ?」
扉施錠を解除して空けるとそこには両足の無い女の子、レインが車椅子無しで横たわっていた。
「な!?おい大丈夫か!」
大丈夫なわけがない。
彼女は這いつくばってここまで来たのだ。ボロボロだった。
レインを抱え、彼女の荷物であろう小さなポーチを拾い部屋に戻る。
ソファに横たわらせて俺はまだ寝ているカオルを呼んだ。
「……ぅりゅ」という返事が聞こえた。あと少しで起きるだろう
「…ここは」
と考えてる内にレインが目を覚ました。
「レイン?なにがあった」
「ここは…?」
「俺の部屋だ」
「…私に何かした?」
「そういうボケはいいから。何があった?音羽先輩は?一緒じゃないのか?」
「一緒じゃない」
「おはよ~…龍太く?うん?レインちゃん!?どうしたの!?」
と状況を察したらしい。天井から落ちてきた。
「ちょ、カオル」
だがカオルは床に叩き付けられる寸前に俺は受け止める。
「あ、ありがとう。これ何があったの?」
「どういたしまして。ああ、実はな」
と話始めた。
「ーー。そうだったんだね。とりあえずじゃあ朝御飯食べよっか」
「この状況でも朝御飯食べるんだな」
とはいえ朝御飯、俺も食べるか。
「「いただきま~す」」
「…いただきます」
食べながら話す。
「カイトから連絡があった。仕掛けるって」
「何をだ?」
「…でも危ない。時間がない」
「…?。先輩が仕掛けると何があるの?」
「…。お願いがあってきた」
「お願い?」
「二人にやってほしいことがある。ごちそうさま」
「やってほしいこと?ごちそうさま」
「なに?ごちそうさまでした」
レインは箸を置き言う。
「これから起きる事への過去への改編を絶対に秘密裏に」
「過去?」
「私は…」
俺たちは続きを待った。
「他者を時間飛行させる力がある。飛んでほしい時間がある。同時に行ってほしい場所がある」
「…どこだ?」
俺は今この状況がただ事じゃないことがわかっていた。カオルも同じ気持ちなのか何も言わなかった。
「霊峰詞葉が死んだ二日前」
マジかと思ったが俺は何がこようと、行ってやると言うつもりだったがさすがに驚愕した。一つ間を置いてうなずいた。
「わかった。パトリシアと志郎には伝えておいていいか?」
「だめ」
俺とカオルは顔を見合わせ「どうして?」と問う。
だがレインは無言のままだった。
さっきからレインは俺達の質問全て無言無視だった。
それが言えない理由か未来に起因しているのかわからないが…。
「はぁ~~行くしかないんだな」
「だね」
「…ありがとう」
「お礼は上手く行ってからだよ。つまり霊峰詞葉って人を助ければいいんだね?」とカオルが言うとレインは再び無言だったが、なんとなくこれは当たりな気がした。
あれでも霊峰詞葉ってたしか……まぁ着いてから考えよう。
「秘密裏ってことは知り合いに見つかったら負けか」
「うん。じゃあ準備だね」
身仕度を済ませ、準備よし。
「これ、持っていって」
ポーチから小さなアクセサリをいくつもだし、俺達に渡してきた。見たこと無いマジックアクセばかりだ。どれもが貴重なミーティアだとわかる。
とレインはもう1つ一枚の板を落とした
「あ…」
「ほいよ」
俺は拾いレインに渡す。
「……」
彼女は何も言わず受け取りポーチにしまったが代わりに「準備はいい?」と言った。
「うん」
「いつでも」
レインの瞳に光が入り俺達は光に包まれていく。
あー、なるほど。
瞳に光を入れることで使えるのかと納得した。
俺達は身体が浮いてそして、消えた。
実はあの時、それどころじゃなかったから気にしていなかったのだがあの板には、上に赤紫、斜め右下には小金、その左下に深緑。そして真ん中には大きな青の石が付いていた。
~~~~
(ちなみにこの過去へタイムスリップは番外で書きます。なので今は省略!!)
俺達は疲労困憊の中、二日ぶりに玄関の扉を開けた。
「ただいま!」
「戻ってこれたよぉ!」
俺とカオルはどっと疲労で部屋に入った。
「どうだった?」
「おぅよ。時間、まだ5分も経ってないんだな。レインの魔法便利だな」
「私にとっては便利ではない」
それは仕方ないな。
「少し強くなった?」
とレインが聞いてきた。
「うーん、かもしれないな。いろいろあったが多分これは今レインにも言えないんだったな」
レインはそれには頷いた。
「にしても、やっぱ元凶あいつだったんだな。今日出会ったら殴りそうだな…」
「いきなりはちょっと」
「いや、だってな。でもこのあと、どうすればいいんだ?」
「ここから出て」
「え?」
俺はレインに聞こうとしたらスマホから緊急学校メールが流れた。
そこに映像が流れ出した。
「月島先輩…?」
見たこともない場所だった。
『皆さん、おはようございます。
…なんとも悲しい話をしなくてはなりません。
一年生の魔法使いの生徒が違法をしました。
世界の干渉という違法です。また数回以上に及ぶ不適切な生命との接触も発覚しました』
そこに画像があり、ルシエルと俺がいる写真とカオルの剣がルシエルと呼応して銀に変わるあの時の戦いの写真が写っていた。
「な!?何言ってんだ」
『もちろん、彼らがこの学校のために様々な事をしていたのを皆さんも周知のはず。
でも我々…生徒会が決めたのです。我々が決めたのです。これより生徒会は強制命令を執行します。……。反逆者を始末せよ。繰り返します。反逆者を…』
正直に言おう。
かなり無茶苦茶なこと言ってる気がした。
「思ったより行動が早い。やられた…」とレインは言った。
「どういうこと?」
「詳しく話してる時間がない。二人はここから逃げて。早く。今はとにかく生きて」
俺とカオルは飛び出した。
「逃げてって言ってもな。…カオル?」
「どうして?わたし達、何も悪いことしてないよ」
カオルの顔は暗かった。
俺は頷くしかない。
「あぁ」
「ルシエルちゃんと会ったし、死なせてはいけない人も助けたのに、どうして?」
俺は考える。
「あいつにとって、それが何か都合が悪いのかもしれない」
「え?」
「とにかく今は逃げよう」
「…。うん」
俺はカオルに手を差し出す。
カオルは俺の手を取り駆け出す。なんか逃避行じみてきたな。
「いたぞ!!」
「逃がすな!」
「殺れ!」
と数人の生徒が杖を構えて魔法を放ってくる。
俺は重力弾に縫いつけて逃げる。
「これ全校生徒が敵なのかよ」
それから俺達は逃げるに逃げる。
学校の外に出てしまった。
だがダークマターをくらっているのは魔法使いだけのようだった。つまり魔力がない人には影響がないってことか?。
「一般客に紛れ込むのは無理があるか。カオル」
「え?うん、そう思うよ」
カオルまだどこか上の空だった。
ダークマターは強制的に傀儡のようにさせる魔術?とりあえず魔術だと推測しよう。
簡単に言えば見知った人達が敵になる、ってことだ。
俺達は何も悪いことはしてない。
それを言ってもみんなは聞かないだろう。
わかっているから俺達は逃げているしカオルもきっとどうしていいかわからないのだ。
「ここからどうするの?」
「うーん…パトリシア達に連絡する?か?」
カオルは首を横に振った。
もし二人も魔術にかかっていたら俺達は戦わなくてはならない。それこそ死ぬまでだろう。ダークマターという魔術のタネがわからない限りはまともに戦えない。
「却下か」
…どこかで体勢を立て直さなきゃな。
一つ浮かんだ。
「…家来る?」
「…え?」
上の空だったカオルはこの時初めて、変わった反応をしてどこか緊張しながら頷いてくれた。
~~~~
家にはあっさりついてしまった。学校の外にまで追手が来ていたのに、なぜにだ。
「ただいま」
「お、おじゃまします」
「あら?龍太おかえり。どうしたの?あら、あなたがカオルちゃん?龍太から聞いてるよ~」
「は、はじめまして!桜カオルです!」
「いやまってそんなに聞かせたっけ?」
「ううん」
「( ; ゜Д゜)」と俺。
「あ、そうだ、お客が来てるから上がらせてるからね」
とお母さんは言う。
「お客?まさか」
敵?と思ったが
リビングまでいくと
「やあ 」と手を挙げて来たのは席に座る田名辺悟だった。
「どうしてここに先輩が?というかダークマターは?」
「生徒会にはダークマターは効かないんだよ。じゃないと僕ら偶数番がいる意味がないからね。実は僕らも攻撃対象になってしまっていてね。逃げるのに苦労していた。僕の魔法は過去や未来を視るだけだから。眼鏡壊されちゃったよ」
「それでまさかうちの母が追い払ったとかじゃないだろうな?先輩」
「実はそのまさかでね」
「え?!龍太くんのお母さん魔法使いなの?」
「いやお母さんは魔法使いの適正は何一つないんだ」
《代わりにあるのはあたしたちと対話する力を持ってるのよ》
不意に頭から声が入ってきた。
リビングの机にあるバスケットの中から白い大きな光と金色に光る球体が出てきた。
「え、これなに?」
「ひさしぶりだな。ダイヤ、カナナギ」
俺が軽く手を挙げると二つの光は俺の手にハイタッチをするように合わせてきた。
ダイヤは宝石のダイヤモンドが精霊化した精霊。カナナギは、金木犀の花が精霊化した精霊だ。
すごいのは人間と同等の知性を備え人の姿を取ることもできること。
そして人間の姿を取っているときは俺達同様に魔法も扱える。
つまり精霊と呼ばれる種族だ。
「ごはん食べてく~?」となに食わぬ顔で言ってくる母親。
「俺のお母さんは精霊使いなんだ」
と紹介を始めた。
「はじめまして、精霊のお母さんです」
「そこだけ聞いたら精霊の母と聞こえますよ…」と田辺が言うが母は気にしていないようだ。
「それで、こっちの白い子がダイヤ。こっちの金色の子がカナナギ」
「さ、桜カオルです」
《よろしくねカオル》とダイヤ
《よろしくカオルちゃん》とカナナギ
「さて、自己紹介も終わったようだし本題に入らないといけないんだけど」
「わたし達、何も悪いことしてないですよ」
その言葉に田辺は頷く。
「だけど彼らにとっては都合が悪いことがあるんだ」
「じゃあどうすれば?」
《決まってるじゃない!そんなのハッチャメッチャのミンチにしちゃえばいいのよ!》
なんてダイヤが言い出すので、いやいやまてまて!と俺は言う。
「俺達はどうすればいい?」
「学校に向かうんだよ」
「「学校?」」
《二人にはまだ見えてないの?…もしかして妨害を受けた?なら私の眼であれを見て。そうすれば見えるようになるはず》とカナナギが言う。
「なにを見るの??」
「??」
俺とカオルは外の光景に絶句した。
巨大な神殿が見えるのだ。
「な、なにあれ」
「…神殿?」
「神殿っぽいな。あそこに会長はいるのか…あの神殿は他の人には」
《あたしたちや魔法使いや魔術使いとか精霊使いとか魔力持ちの人なら見えてるんじゃない?》
「つまり魔力がない人には」
「見えてないみたいだね。見えてたら今頃ニューストップ間違いないね」と田辺は息を吐きながら言った。
「蜃気楼とかじゃないよね?」
「蜃気楼に見えるかカオルよ?」
「には見えないかな?」
「だな」
しかもあの位置は学校の真上だな。
「ダークマター…」
「龍太くん…?」
「つまりダークマターは解ける魔術なんだな」
「!?」カオルがハッとした。
「そっか!その手があったね。わたし達二人なら解術できる。いつもどおりでいいんだね」
「だな。俺とカオルならできる」
「うん!ありがとう龍太くん!」
「ああ、もちろ-痛い!なんだよダイヤ」
《ちょっと二人の世界に行かないでよ!なに?ハッチャメッチャのミンチにするの?》
「そこまではしねぇよ?!。ただ倒していけばダークマターの解術ができる。一番手っ取り早いのは」
「あいつを倒すこと、だね」
「まあな。だがこれはあいつでいいのか?」
「名前出していいの?」
「え?」
《ちょっとちょっと。気になるじゃないの。あたしたちも混ぜなさいな。あいつって誰よ》
カオルは一呼吸置いて言った。
「じゃあファルシで!」
《…》
《…それどこかで聞いた名前だわ》ダイヤが考え込むように呟き俺は素で「まじで?」と返す。
《えぇ、でもずっと昔。懐かしすぎて》
「いやまあ実際直接確かめるさ。田辺先輩。あの神殿の入り口は?」
「君が前にも行ったことがある場所だよ。あの宙ぶらりんになってる階段」
「あそこか。ってあそこはただの立ち入り禁止だし階段だって作りかけ……いや」
俺の言葉が止まりカオルと田辺は??となる。
「作りかけや壊れた階段ってのは、放置されると異界や神隠しとしてそういう異界の扉のエネルギーが集まりやすいっていう都市伝説があるんだ。まさかそのエネルギーを乗っ取ったのか」
「なるほど。その可能性はあるかもしれないね」
「あの神殿は都市伝説ってこと?」
「さすがに神殿は都市伝説で説明できる領域を越えてる気がするけどな…。レインは?そういえばレインは無事だろうか」
あの場に俺とカオルはレインを置いてきてしまった。
かなり気がかりだ。
「……まずはわたし達の寮に向かおうよ龍太くん。レインちゃん、危ないかもしれない」
「だな」
「僕らとしては神殿に向かってほしいけど、まぁしょうがないね。わかった。そういう時間稼ぎは僕ら生徒会がやろう」
「え?まじすか」
「まじだよ。だから君達は仲間を助けながら、あの神殿に向かうといい」
「了解」
《なら、さっさといくことね。特別にあたしたちが道を作ってあげるわ》
「道?」
《私達なら学校までなら送れるから。そこからはがんばって》
「お前ら…。ありがとう助かる」
《じゃあいくわよ》
「いってらっしゃ~~い」
と母の声が聞こえた。
最後まで気の抜けた母親だったな。
俺とカオルは「いってきます!」と声を揃えた。
そして俺達はキラキラと光に包まれる。
目を開けると学校の目の前だった。
「いこう龍太くん!」
カオルは俺に手を差し出した。今度はカオルからだ。
「ああ!」
俺はその手を取り、一緒に走り出す。
逃げるためじゃなく戦うために。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
いよいよ最終章最後の事件の始まりです。
いつものネタバレになりますが今回タイムリープ、つまり時間移動をしますが本編にも書かれている通り時間移動をした時の物語は番外編として書かせていただきます。
今回久々に巫凪母がでてきました。前回登場は9章act3くらいに一回きりでしたので久々に出してみました。
ただ出すのは悩んだので、精霊使いとして出してみました。
巫凪母が使う精霊は二体、この二体はどちらかと言えば新登場になるのかなと思い紹介します。
名前、種族、性別、魔法、特徴で行きます
ダイヤ
精霊
女
魔法 金剛の波動
宝石のダイヤモンドが精霊化した姿。
魔除けと絶対的防御力と圧力を操れる。
銀髪のミニツインテールで人間時は白いドレスをまとっている。一人称はあたし。
カナナギ
精霊
女
魔法 開花の万花
金木犀の花が精霊化した姿。
透視と切断力のある力を操る。
ウェーブのかかった長い金髪で人間時には緑と黄色の和服姿をまとっている。
一人称は私
という感じです。
では今回はここまでです!
次回は9章act4、もしくは番外編をお送りしたいと考えています。
ここまで読んでくれてありがとうございました!




