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9章act8 季節は文化祭 三日目

こんばんはおはようございますこんにちは

9章act8文化祭は三日目となります

残す文化祭はあと一日。

一時は絶望的だった文集100冊は見事二日という奇跡で売り切ることができて最高の白星を飾ることができた。

なんでも俺達は今部門賞可能性のトップにいるそうだ。

「そらがきれいだねぇー!」

もう一件落着と思っているカオルが空を見て、そして俺を見る。そして目が合うとニヘッ(*´∇`*)というような表情をしながら言った。

実際、完全脱力で終わったぁぁ!という感じだ。

まぁこのくらい脱力していたほうがリラックスできるものだ。俺も同じ感じだしな。

なので俺達の今日三日目の文化祭は各所自由に歩いて催しに参加したり部室でだらだらと文化祭を過ごして良し!、と方針を俺が取った。

ちなみに今だらだらと部室でだらーんと過ごしているわけだ。余語とパトリシアはミスコンまで一緒に文化祭回るらしい。

俺とカオルなのだが、カオルは文集完売と、そこまでに至る労力でか、外から聞こえる音楽や喧騒を聞きながら部室を休憩室にしてのんびりとしている。

ちなみに部室を休憩室と立て札を置いたのはカオルである。

一応、怪盗についてはちゃんと説明した。

「なるほど…そんな都市伝説がいたんだね。怪盗さんも一緒に文集売ってくれたんだね」

と明るい表現をしてくれた。その発想はなかったな。と俺は思った。

このままのんびりと今日を過ごすか、今日は一緒に何をみようかな、しようかな、一緒に模擬店食べ歩きとか楽しそうだな。とか考えていると

「なんで古書部が休憩室になってるのよ」

とちょっと疲れた顔をした神崎紗奈がやってきた。

脱力した俺はこれはまた何か起きそうだなと考えた。

~~~~


席に着いて話された話は

「ミスコンの!?」

「審査員?!」

「そ」

「俺達が!?」

「ミスコンの!?」

「審査員?!」

「いや二人してボケないで」

紗奈は息を吐く。

「いやぁ文集完売して俺達もう脱力してるから」

「どうやらそうみたいね」

「それでなんでわたし達が審査員なの?」

「審査員って言っても、票を不正なくまとめて結果を伝えるだけ」

「ああ、俺達なら不正しないと考えたわけ、か」

「まあそう。元々カオルちゃんにお願いしようと考えてたの」

「昨日の用件がそれだったわけか。で、なんで俺がそこに追加される?」

紗奈は視線だけでカオルを見た。俺もつられてカオルを見た。

カオルはのほほ~んとそうじゃないよいな、しかし俺と目が合うと(´ω`)という表現が合うような表情を俺に向けてきた。

カオル、かわいいな。

「って痛っ!」

それを見た紗奈が机の下で俺の足の脛を蹴ってきた。

ギリギリと歯軋りが紗奈から聞こえた。美少女とか言われてるなら絶対に出しちゃいけない音かと。

中学からこいつのことを知ってはいるが紗奈が歯軋りするということはかなりご立腹だということらしい。

ちなみに俺もカオルもそれを見てちょっと固まった。わりと怖いな紗奈。

紗奈はイラついてはいるが平常的に日常会話もしようとする。

「いろいろ脱力しすぎ二人」

「ん?でも審査員って事前に決められてたんじゃ?」とカオルが言った。

だがカオルが言うと怒りはどっか行き紗奈はあたふたした。

神崎さん俺とカオルに対する態度ちがくね?。まぁいいけども。

まぁ紗奈は割りと気分屋すぎるというか、人によって態度もちょっと違うが根は気遣いや自分の事を後回しにして皆を第一に心配し気にかける事ができるめちゃいい女だと葉山から自慢のように聞かされている。

だがミスコン審査員は、誰が参加するかを確認しているので、たしかに事前に決まっていたはずだ。

もごもごしながら紗奈は言う。

「…のよ」

「…はい?」

「なに?」

「…。…。」

聞こえなかった。

俺とカオルは顔を見合わせ、もっかい聞こうとしたのだが

「とりあえず、審査員よろしく。手空いてるんでしょ」

と言って審査員用の腕章を置いて休憩室、いや部室、いや休憩室から出ていった。

「なにかあったんだろうけど」

「あまり深く聞かないほうがいいだろうな…」

ということになり、しぶしぶ審査員を引き受けることになった。


外を見ると快晴。

冬服の人も夏服の人もいる。森宮の街はまだちょっと暑いな。

俺は鼻歌で歌を歌う。カオルは俺の歌を「お?」って感じで嬉しそうに聴いた。


ミスコンは午前11時から被服室で行われる。 この被服室、どうなってるんだってくらいお洒落で広い室内でとても教室とは思えない壁作りや素材になっている。


あ、ここから少し文集完売後の夕方に戻る。

~~

「とりあえずまた明日だね」

「そうね!文化祭終わったら、ウチアゲ?するわよ」

パトリシアは慣れない言葉を交えながら言う。

「俺も明日は制服だから、準備しなきゃ」

さすがに地球乗せたままはな。目立つよな。もう文集は完売したし。

「あ、志郎。明日どう?よかったら」

「うん、いいよ~時間いっぱい回ろうか」

「…っ!!。えぇ!えぇ!」

と二人を見送る。

「そういえばパティちゃん告白するみたいだよ」

「え?今それ言っていいのか?ってかマジか」

「マジです」

「いやカオル、それ言ってよかったのか」

「、。多分」

一瞬間があったぞ。

まぁいいか。

「実はな、あいつもそうなんだよ」

「え?」

「志郎も同じことを言っていたよ」

「ほぇ~…え、じゃじゃじゃー」

「炊飯器かよ…」

「ちがいます~!じゃあつまり同時に告白しちゃうかも!ってこと?」

「まぁその可能性もある、だろうな。告白か」

その俺の言葉が聞こえたのかカオルも「告白かぁ~…」という表情をしたあと俺はカオルを見た。カオルも俺を見ていたのか目が合う。

「……。」

「…。…。」


「「えっと」」

…。……。

何をお互い意識したのか、ちょっと気まずくなって顔を逸らす。

その時見たカオルの表情は、なんか、かわいかった。

その時のカオルは顔を薄く顔を赤くしていたのを夕陽のおかげで俺は気づかなかった。

~~



「とかあったしなぁ…」

「あー、告白の?」

とカオルが言う。

「まぁな。文集完売してもまだまだ事件は絶えないな」

「えー、じゃわたし達被服室行かなきゃいけない?」

「らしい。模擬店食べ歩きとかしたかったな」

「あー!いいね!あとで全店食べ回ろうよ!」


それは俺のお腹が御陀仏します。


~~


「初めて入ったぞ被服室」

「ダンスホールみたい!」

「ここ、ほんと学校かよ」

一応私立の学校だったらしいので公立の学校よりは変な作りはあるかもな。

ちなみに中はまだ開始時間でもないのに、すでにミスコン女子で埋まっていた。

「あら龍太、カオルじゃない。おはよう」

そこにはフウラがいた。

「おはよう~!」

「おはよ。フウラはミスコンに?」

「そうよ。リィラも参加するから。二人は?」

「なんか審査員任せられちゃったの」

「あら、そうなの?。まぁお似合いじゃない?」

とフウラは奥へ消えていく。

「一年生?」

と、あまり見ない女の子に話しかけられた。

だれだったかな?

「初めまして、文化祭総務委員長、楠葉前です」

くすは、さき。

まえ、と書いて さき か。

三年生と話したのは初めてだな。


「今男の人は、原則審査員以外立ち入りを禁止してるんだけど」

「審査員にさせられた人です」

「あ、ごめんなさい。引き受けてくれてありがと」

「どういたしまして…。それで今何してる状況なのこれ」

「現在衣装選びをしてるところなの。二人には票の確認と不備がないか見てほしいの」

「…それだけ?」

「それだけ」

まぁ簡単だな。

前の審査員だった人、何やらかしたんだろうか。

楠葉は俺の前まで来ようとした。一瞬ぞわりとした。

ところがカオルは予想以上の質問を飛ばし楠葉の足を止めさせた。

「あの、楠葉先輩って、人、ですか?」

おおおい、カオル?!いきなり初対面に何を言ってるんだ?!。

「どうしてそう思ったの?」

楠葉は言うが、カオルは警戒していた。

それは俺を守るように立っていた。

「龍太くん、この先輩は人じゃないよ。…目的は何ですか?龍太くんですか?」

カオルは過敏に反応をしていた。

「いや、それを本人を前にして言うのか…」

目的が俺って。さすがにないだろう。

俺は失礼ながら楠葉の全身を下から上まで見た。

身体のラインは細め。

体格は、俺よりはまぁ小さい。背丈もカオルより小さいか大きいか。髪はブロンドのロング。

こんだけ見てたら変態だな俺。

が、特に変な物は感じない。

「どう人と違うんだ?」

「いいものと悪いものが混ざってる。ううん。受けてるって感じ」

即座に返された。

だが楠葉はぱちぱちと軽く拍手をしただけだった。

「や、ごめんなさい。怖がらせる気はないの。あと何もしない」

と小さく頭を下げ、敵意はないと言うように手を下げた。

「私はなるべく人との接触は避けているんです。だけど今日の文化祭のミスコンとかで否が応でも避けられないから仕方なくいるんだけど、目的は龍太くんですか?と聞いたね。半分は正解だ」

「え?俺?」

「だけど半分はハズレ。審査員の男の人がね。私が近づいちゃったら食中毒みたいに倒れちゃって…」

「「はい?」」

「だからこうして、近づいて回ってるの。神崎さんには苦労をかけさせちゃった」

男が倒れる?。女は大丈夫?。

「で、その龍太くんは大丈夫そうだなと判断したの。あなたの影響、…リンクって言うんだったね。強く受けてるからか、大丈夫なんだね」

楠葉はカオルを見た。

「どうやらそうらしいです。カオル、警戒解いても大丈夫だと思う。ここ学校だし」

「え、あ、そっか。ごめんなさい」

「いいよ。守ってくれようとしたんだな。ありがとう」

「…。…。…ヒャゥ」


カオルは身体をちょっとゆらゆらさせていた。どうしたのか?。

「それで私の正体、だったね。私は」

と楠葉は言葉を置いて、背後に真っ白の尻尾を九本揺らせた輪郭だけを見せてくれた。

「これでわかった、よね?」

「…」

「…」

妖怪だったのか。いや?この場合は幻想種なのか?いやでも妖怪か?…初めて会ったな。

男がぶっ倒れる理由は、下心を感知した楠葉が、自動発動してる能力でってことか。

まぁここ今女の子だけだし、着替えてる人とかいるんだろうしな。奇行に走る男もいてもおかしくないが、なら女の子だけで審査員をしたらいいんじゃ、と思うのだが。

だが考えてみるが、ミスコン中だ。店とか売り子や受付とかしているところはどうする?がら空きにはできない。つまりこの時間からこそが一番、人手がいない状況になる。犯罪、スリや強奪、強盗、拉致、ここじゃそうありえないがゼロじゃない。

1度俺たちは身をもって体験している。

男性審査員が必要な理由はすぐに対処に向かえる足がいるということだ。

現状俺たちは、暇であった。さらにカオルのおかげで俺、今ここに立ってられている。納得。カオルすごいなマジで。

まぁ思えば紗奈の魔法も弾いてたし、当然っちゃ当然か。

必然的に俺達に白羽の矢が来るのは時間の問題だったわけだ。


文集二日で売れてよかった。ほんと。


~~~~

思いのよらないイベントのあと俺とカオルはプリントとファイルを見ていた。

こんな枚数を整理しなきゃならんのか。

始まる前から大変だぜ…。

「そういえば審査員って誰がいるんだ?」

「あと二人はいるのかな?」

とタイミングよく

「一応あたしも審査員だから」

と紗奈がやってきた。

「おお、お前も審査員か」

たしかに印象を自由に変える人がミスコン参加したらチートだしな。

「二人とも、さっきはごめん」

俺達は顔を見合わせ

「気にするな」

「大丈夫だよ」

と言った。

まぁたしかに、前審査員が下心で倒れました、なんてちょっと言いづらいよな。

「あと一人は?」とカオル。

「魔女王アリシアさん」

俺はマジか、となる。

絶対仕事しないやつだろ。

だがアリシアはなんと一時間前に被服室に姿を見せた。

「桜カオルと巫凪龍太と神崎紗奈か。審査員として不足なしだな。その資料、ここに持ってこい」

「あ、はい」と俺。

アリシアは室内にあったソファに腰掛け資料を見ていた。

ちなみに俺達は会話ができずにいた。

アリシア・ユピテルも審査員するのかよっていう気持ちと、いやなんで理事長がここにいるんだよといろいろツッコミを入れたかった。

「お前、私が仕事をしない女と思ってるだろ?」

う、心読まれた。

「いやあのまぁ意外ではあったなぁ~…と」

「それをそう思っていたと言うのだ」

魔女王アリシア・ユピテル。

魔法国北の国の女王であり、この学校の理事長でもありパトリシアの実の母親でもある。

年齢なんか俺らの何倍の桁外れの年齢らしいが見た目はそうは見えない。

「さて、私は終わったぞ。お前たちは?」

などと言ってくるので俺達はせかせかと作業してなんとか時間までに間に合った。俺たちは開始前にパトリシアと顔を合わすことができた。

できたのだが……

「残念だったわねリセリスぅ!今回はあなたの特性はズルみたいじゃない?そんなワガママボディ晒せなくて残念だったわねぇ?」

「あらぁ?洗濯板体型が何言ってるのぉ?貴女だってそんな貧相な子供体型じゃ私のような評価はこないでしょ?世の中の女はエロさと私のようなボディでしょ~?」

「はぁー?何言ってるわけ?だいたいエロさ関係ないじゃない。というか顔見てしゃべりなさいよ!胸はまだまだ育つわ。そもそも栄養が胸にしかいかないのも問題ね~!」

「数百年生きて、まだ成長期言い張るのかしらん?食べても栄養が胸にもいかないなんて、ああかわいそうに!」

とリセリスとパトリシアはそんなことをしていたので、声はかけませんでした。

やっぱリセリスは紗奈と同様に出場できないんだな。

リセリスはサキュバスって言う種族で男を魅了し誘惑する能力があるからな。しかも常時発動だ。

まぁ紗奈は自発動の印象操作だから、仕組みは違うがな。

『さぁ、三日目ラストの大目玉、被服研主催のミスコン!いよいよ開幕です!今回は特別に校内放送が入らせてもらっております!

今回インタビューするのは被服研の副主催者、相宮桐華さんです!おはようございます』

『おはようございます。中等部被服研副主催の相宮です。今回は学校初のミスコンを開催します』

『おぉー、初なのですか。もしかしてもしかして何か景品とかも?』

『はい、ミスコンの優勝者には景品が準備してあります!』

『おお、それは燃えますね~!』

ミスコンは思えば誰が優勝するやら、だな。

みんな普通にかわいいし綺麗だし。

「ねぇ、誰が優勝するかな?」

どうやらカオルも同じ事を考えていたようだ。

「たしかにな。全員の好みがどう一致するか。でも順位発表は、五位から一位のみってあったな」

「え、全員発表しないの?」

もしそれで参加しても表がなかったら悲しくならない?って思った。

「そのほうが変な騒ぎとかにはならないだろう」

「それもそっか!」

という感じで進んでいく。

さて、最後のイベント楽しむか。

会場の審査席に腰を下ろす。

『さぁー、会場のお客の皆様方!いよいよ被服研究部、ミスコンが開始されますよ~!そしてはじめまして!あたしがここ被服研部長!上條亜沙美でーす!』

上條亜沙美って、生徒会の9番の人か。部長もやってたのか。

たしかイリアがぶりっこのブス!と怒っていたがブスではないな。

上條が挨拶を終えると拍手と上條をかわいいよ~!とかこっち向いて~!と叫ぶ男性がチラホラいる。

「彼女は元他校の生徒だ。この学校と他校とでの交流は自分の見てくれと性格を武器に活動していたから人気があるんだ」

とアリシアがつまらなさそうに話してくれた。

上條は笑顔で手を振っている。

『あ、そろそろ時間だねー!んじゃ!ミスコン、いざスタートしていこーっ!』

言い切り、拍手と歓声が沸き上がる。

『今年は三十人の女の子達が参加してくれました~!』

三十人。いわゆるこの人数が自分の見た目に自信がある女の子達という意味でもある。

「あたしもでたかったな~…」

「いや、お前が出たらチートもいいとこだろ…」

紗奈の呟きに俺は思わず返してしまった。

「わたしは審査員でよかったなぁ~…」

「カオルはでてもよかっただろうに」

「えぇ、こういうのはちょっと苦手かなぁ~」

「私はでたかったぞ」

「「「いや理事長だし…」」」

彼女はムスッとして俺を見る。

アリシアは理事長であり教師側なんだから。そんな表情してもいけません。

しかも意外とパトリシアと似てる表情だ。

こういうところはやっぱ娘と母なのかね?。

『エントリーナンバー一番!どうぞ!』

とまぁ、かくも激しい女の闘いの火蓋が切られた。

『ではトップバッターの入場で~す!』

一番最初に出てきたのはリッリルだった。

ミスコンってだけあって赤いロングマットの上を歩いてポーズをして歓声と拍手とで包まれる。

「本格的だな…」

「あの部長はあたしと似ててモデルやってるからね。経験から技術的に似せてるんだと思うよ」

「へぇ…」

紗奈の言葉に俺はそう言うしかない。

生徒会ってだけでもすごいが、ここまで再現させるのもすごいな。

『さぁ、まだまだいきますよ~!続いては~!』

と上條は司会進行をこなしていく。

「上條先輩も出たかったのかなこれ」

カオルが言う。

「あー、まぁたしかに参加者はアマチュア?とはいえミスコンだしな」と俺。

「司会はしているが出たかっただろうな。ネメシスも出たがっていたぞ」

あの魔女王ならたしかに出たがりそうかもな。

『エントリーナンバー10!』

と10番目に出てきたのはパトリシアだ。

「おお、次はパトリシアかって……えええ」

「ん?あ、ほんとだ。パティちゃん!って、ええ…」

俺とカオルは揃って言葉がない。

これまでの9人は普段見ないドレスのような姿なのだがパトリシアに至っては制服ではないのだが戦闘する格好だったのだ。

黒紫のゴシックロリータミニスカート。フリフリなのに動きやすさとかわいさが合わさったどうたらこうたらとまぁそんな衣装だった。

まぁ余語はどこかで見てるだろうな。

しかしさすがパトリシアと言うべきか歓声と拍手とで嬉しそうな表情であった。

「…文集が完売したことも相まっていい表情だな」

俺とカオルはアリシアを見た。

「…完売したこと知ってたんですか」とカオル。

「当たり前だろ。娘の部活なのだからな」

とつまらなさそうに笑顔を振り撒くパトリシアをアリシアは見やる。

表情はつまらなさそうだが嬉しそうな顔にも見えた。

「なんだ貴様?」

「あーなんもっす」

パトリシアが戻っていく、さて次かと思うと偶々だろう。俺と目が合った。

どう?と聞かれた気がしたので頷くだけにした。

パトリシアはその後、特に表情を変えず舞台裏にもどっていた。

次はなんと意外な人物、朝霧瑠美が出てきたのだ。

俺とカオルも紗奈もびっくりだ。

ガチガチになりながらも歩いてポーズをとっていた。

拍手と歓声を得ていたからよかったなと思うが。

意外だったな。

「瑠美ちゃん出てたんだね」

「ギリギリになって参加したんだな。俺ら一応確認はしたはずだし」

「まぁ文化祭ミスコンの醍醐味だろう」

「ありなんですね」

次はアウロラが出てきた。

わかってはいたがでかいよなぁ色々と。

ほんわかした足取りでもどっていた。

次はリィラだ。

このミスコン…なんかロリ人多いなとちょっと考えたりはしたが魔法使いになった時点で身体老化の低下と魂が魔力を帯びるため寿命が数倍伸びる。老化がない=成長が止まるとも取れるので必然的にこういう人材が多いのでは?と仮説がまことしやかにあるらしい。と聞いたことがある。

そんなことを考えていたらリィラの次にフウラが出てきた。

似たような姉妹なので順位も似そうだなと思った。

さて次は……は?

「」

「」

「」

「」

俺ら審査員の言葉と表情が止まった。

なんとキグルミンがドレスを着て絨毯の上を歩いているのだ。しかもキグルミン意外にもかわいいのである。

観客もどう反応したらいいかわからないらしい。

俺は思わず参加表を漁るがキグルミンの名前はない。

つまりこれはキグルミンの本名を探るチャンスなのでは!と考え名簿を漁る。

だがしかしだ。

「どっ、なでゅ」

どういうことだ。なんでだ!?と俺の口は言いたかったのだが、出たのは訳のわからない言葉だけである。

9章になってからあまりでなかったなぁと思えばここででるのかよキグルミン!!

キグルミンはポーズを決めて舞台裏にもどっていた。

俺達四人、観客も審査員の上條も固まっていた。

『さ、で、では次にいきます~!』

と上條は無理矢理進めることに決めたらしい。

「理事長はキグルミンの正体知ってるすか?」

「…服務規定に入るだろ?」

「さいで…」

知ってても知らなくても言うつもりはないようだ。

エントリナンバーの番号外ででてきたので俺達はキグルミンの表を作ることになった。もしこれでキグルミンが優勝したらどうするんだろうと真剣に考えてしまった。

『続いてエントリーナンバー25番!我らが会長!生徒会長です!』

と言われるだけで拍手喝采である。

割りとやはりというか生徒会長は生徒会長で覚えられることが多いらしく名前を知ってる人はあまり少ない。

生徒会長こと月島果夜は微妙な顔をしたが気を取り直したように歩いてくる。

「やっぱ人気だね~会長さんは」と紗奈は言う。

「まぁ人徳もあって綺麗でかわいい部類に入る人だからな」

「龍太くんも綺麗って思うんだ。…まぁたしかに綺麗な人だよね会長さん」

ちょっとむすっとした言葉でカオル言った気がした。

「カオルだってかわいいし綺麗だ。負けてない」

「ファッ?!」

そして今最もどちらも魔法使いの希望となる候補だと俺は思う。しかし俺はそれは言わないでおいた。

会長は俺をチラッと見てきたので小さく会釈した。

藍色の髪がなびかせる会長は光に輝いて見えた。

そうこうしてミスコンも、いよいよラストナンバーだ。

『続いてエントリナンバー30!』

最後は葉山の妹、葉山光だ。彼女は慣れないながらもポーズを決めて拍手をもらった。

「…あいつは今後魔法をどう生かすか楽しみだな」とアリシアが言った。

光の魔法は守護の炎だ。

仲間を守るための魔法だからたしかに覚醒すればさらに強くなるに違いないな。

『ミスコン参加メンバーの登場が終わったね!次は審査に入るよ~!係の人が投票券を配るから、ミスコンナンバー1はこの子だ!って人にいれてね!』

観客が投票箱に入れ始める。

「俺達は不正がないか、ちゃんと見てなきゃな」

俺の言葉にカオルと紗奈は頷く。アリシアはつまらない表情で見ていた。

と何事もなく投票は終わった。

『さぁ投票が無事に終わったねー!ではここでまず今回ミスコン参加者全員にでてきてもらいまーす!』

ミスコン参加者30人プラス一人?(キグルミン)がぞろぞろ出てきた。

『さぁではでは投票審査が終わったようなので!五位から呼ばれる女の子達を発表します~!』

と拍手と歓声で包まれる。

あと俺達のやることはここから無事にミスコンが終わるのを見守るだけだ。

『では五位!堅城梓!』

ちなみに堅城梓は三年生の先輩だ。

拍手が起こる。

『続いて四位!フウラ・レイラン!』

吸血鬼の姉のほうがランクインだ。

残念ながらリィラは五位内にはいなかったがリィラ的には尊敬する姉がランクインして嬉しいようだった。

観客からの拍手と歓声でフウラは嬉しそうである。

『そして三位!ファム・リズリー』

ファムはイギリスからの留学生の先輩らしい。

彼女もまた嬉しそうだ。

そういえばイギリス留学生意外にもいるんだな。イリアとかもイギリスだし。

『そして二位!パトリシア・ユピテル!』

さらに大きな拍手と歓声が彼女を包んだ。

おお、身近なやつが二位となると俺も嬉しくなるな!

カオルも同じ気持ちなのか拍手していた。

「ふん…」とアリシア。

今の言葉は誉めたのか?。

まぁいいか。余語のやつ嬉しいだろうな。

っても、あいつどこにいるんだろうか。

最後の最後まで探しきれんかったな。

ちなみにパトリシアは当然!というような顔だが嬉しさが顔に出ていた。

『さぁー!そして待望第一位!我らが生徒会長!月島果夜だぁぁぁ!!!』

溢れんばかりの喝采歓声拍手叫喚である。たしかに見た目も性格もみんなが認めるくらいに綺麗でかわいい人だからな。会長は。

ひとつ気付いたのだがこれで会長はちゃんと月島として認知されることも増えるのでは?と考えた。彼女がここまで人気なのは人徳だけではないはずだ。

現魔法使い最強。大光境界、通称(コンファインルミナス)という魔法を持つ彼女。その魔法はかつて、昔とある事件で学校生徒全員の命を救っているのだ。月島はその時に魔法使いの英雄とさえ言われている。

その力は境界を自在に操るだけじゃなく光を駆使したあらゆる攻防回復支援に超巨大一撃を秘める…とまぁ耳が胡散臭くなるほどの話がある力だ。月島に勝てる魔法使いなんて生徒会の誰か、あるいは隣で無邪気に拍手をしているカオルだけなのでは?と考えている。ちょっとカオルの評価が高いかもしれないが将来的に月島に勝てるかもしれないのはカオルだと俺は思っている。

だからこそ俺は会長のことをこれから月島として覚えておこうと思った。

いつかカオルと二人で一緒に戦う時、勝つために。

まぁそのいつかはわからんがな。


『優勝の月島会長には賞品が送られまーす!

…ごめんねこんなんで~』

『え?いやいいよ。嬉しいし』

上條と月島が普段話してる口調がマイクからうっすら聞こえてきた。

『それでは!会長!何か勝利の感想は?』

マイクを向けられた月島は

『え?えっと、今回のミスコン。見事皆さんの投票と応援のおかげで一位になりました。ありがとうございます!でも私一位とか美少女だとか未だに自覚とかないですけどね』

と月島はコメントをする。

『会長は自覚をしてもいいのです!!ってことでこれにて被服研、ミスコンは終了します!ありがとうございましたぁ~!!』

ミスコンは成功に終わった。「あー、終わったぁ…」

と俺はのびをする。

「龍太くん、まだだよ!」

「え、まだあるの?」

「ほら!」

とカオルは指をさす。ビシッと。

「うん?」

と先程の客が一斉に移動し出していた。

次は体育館だ!と声が混ざっていた。

「そういや」

隣を見ると既に紗奈はいなかった。

「ライブ!」

あーそうだった。

「アイドルじゃなくて歌手でもいいんじゃないか。あいつ…」

ってことを俺は呟いた。

カオルは早く早く!と急かし俺は引っ張られながら移動を開始する。

余語のやつ、ほんとに結局どこにいたんだろうか。

~~

「うん、いい写真だ」

僕取っておきの席。実はこの被服室のホールは二重構造だ。その構造上、下から上は見えない仕組みになっている。終わったらみんなにも教えよう。

「結城先輩に無理言ってよかったよ」


と回想すると

「え?被服室の二階?」

「そう!ミスコンのです!」

「よくわからないですけど、いいですよ。ただし…!変なことに使わないように」

「わかりました!」

と回想終わり。


こんな感じで、あとはシャッター切りまくってただけ。

そろそろ僕も移動をしなきゃいけないけど。

パトリシア、待とうかな。

ミスコンまで一緒だったし。

とりあえず移動して彼女を待つ。


「あら?もしかして待った?」

「ううん。大丈夫。なんかデートみたいな台詞だね」

「っっっ!!ちょ、そんなこといってないわよ」

パトリシアは顔を赤くしていた。

僕もこれはマズイ発言をしてしまったと思い被服室を見る。既に人はいなかった。

既に大勢の客が体育館に向かっているのだろう。

つまりこの時点で紗奈は魔法をフルで使ってることになる。ここから出たら僕らも体育館へ吸い込まれるだろうなぁと思う。

今なら言える?いや言えよ僕。

何を?告白だよ!と頭の中で僕の中の天使が言い合っていた。

「そ、そういえばどこにいたのよ?」

「え?」

先にパトリシアが口を開いた。

「カメラまで持ってるってことは写真撮ったのよね?どこにいたのよ?」

「あー!あそこ!」

「…いや、どこよ?」

「だから、あそこさ!」

「???」

「ああ、じゃあ来て!」

僕は無意識と勢いでパトリシアの手を取り向かう。

「こんな場所があったの。ちょっと埃があるわね」

「でもここなら人も来ないし。ここから舞台が見える。あとここに小さな窓があるんだ。ほら来てごらん」

「たしかにそうね。って言うか職権乱用したわね」

「あーうん。まぁ。そうだ!二位だけどおめでとう」

「はぐらかしたでしょ。まぁいいわ。ありがと。一位の自信あったんだけどね」

「ぉーすごい自信あったんだね」

「でも綺麗な人ってやっぱりまだまだいるものね」

「でもパトリシアすごく綺麗だったよ」

「////。っ!$ΚΠΥ!…はぁ。ってことは志郎、あなた投票してないでしょ!」

途中でパトリシアは母国語を言い、いきなりガシッと僕の首を捕み揺さぶる。

「うんごめんなさい~!酔うよ~酔うよ~」

「まったく…!私このこと一生終わっても忘れないから」

「すみません」

「で、実際入れるなら誰にいれるつもりだったの?」

「そりゃ君にいれるよ。僕は君が好きなんだから」

言って気づいた。

今のはさすがに僕でも気付く。自分の本来の一人称と言葉を思うままにいってしまった。

だけど驚いたのはパトリシアは思った以上に驚かなかったこと。

「………どうして私なの?」

「…好きになった最初の理由は一目惚れだよ」

「……」

続きを促された。

「だけど前も話したね。僕は龍太や桜ちゃん、パトリシアみたいな大きな魔法はできない。密かに憧れたんだ」

「アコガレ…?」

「うん、この人すごいなとか、こんな風になりたいなとかそういうの」

「……」

「でも僕はそのどれもなれなかった。僕は結構適当だったんだよ。だからここに来て、みんなと出会ってさ…。龍太なんかめちゃくちゃすごいじゃんか。あいつ最初あまり人を信じてない感じがした。でも気付いたらあいつはそれをゆっくりとだけど乗り越えてた。身近にあんなすごいやつがいて、僕だってがんばれる。なんて密かに思ったんだ。一番憧れたのはパトリシア。君だった。大きな魔法だけじゃなく小柄だけどすごい努力家で器用で自分の戦いをしてる。勉強だって住んでる世界が違うのに誰よりも好成績だ」

「誉め殺しはズルいわね…」

「でもパトリシアのすごいところなんだよ。僕はみんなにはなれない。僕の代わりは誰でもできるかもしれない。でも僕がみんなにはなれないように、みんなだって僕にはなれない。僕は僕だけだから。

だから力になりたい。君の隣で戦えるようになりたかったんだ。好きだから」

一緒にいたいから。とは言えなかった。

代わりに

「あれから今の僕はどうだろう。ちゃんと君の隣で戦えてるかな…?」


これが僕流の告白だ。


「…そうね。戦えてるわ。自信を持ちなさい。私は初めそういうの興味なかったのよ。毎日届く手紙は燃やしたし」

「な、なんで?」

「軽く見られてるって感じたから」

「へぇ…」

手紙送らなくてよかったと安堵した僕である。

「…志郎が初めてわかってくれたことが私の理由よ」

唐突に話を変えた?。

体育館から音楽が聞こえてきた。ライブが始まったのだろう。

紗奈が歌う曲は、珍しく洋楽で愛の歌だった。


「私のことを認めてくれたこと。私にとってはこれが全てよ。みんなは私を天才だとか何もしなくてもできるとかやっぱり思ってるのよ。それが悪いとは言わないわよ?でも私はこの性格だし、なかなか認める人はいない。だけど志郎が私を努力家だと言ってくれて、貴方を見る目は変わったわ。目が離せなくなった。……。…あーうう…」

「ど、どうしたの…?」

パトリシアは突然呻く。

「…慣れないことはするもんじゃないわね……」

「うん…??」

「一回だけしか言わないから」

「え、何を?」

「いいから!志郎!黙って聞きなさい!」

「あ、はい!」



「好き……」


その時、僕の顔を見る彼女の表情は恋をした顔だった。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

文化祭三日目はミスコンです。


いつものネタバレですが

巫凪達は審査員、久方ぶりにアリシア理事長がでてきました。

そしてついに余語とパトリシアの告白シーンを飾ることができました。

魔法学校らしい告白シーンを書けたと思ったりしていますが少しインパクトが欠けているかな?と思ったりもしています。

何はともあれよかったです。告白シーンちゃんと書けるかな…と思ってました。

ミスコンの結果ランキングですがこれは今回の内容を確認してくれたほうが良いかもしれないですね。


では今回はここまでです。

次回は9章最後となりますact9です!

ここまで読んでくれてありがとうございました

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