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第3章 魔法の国からの編入生。初めての戦い

前書きにいつも悩んでおります笑。

とまぁ第3章に入ることができました。

今回も新たな登場人物がでてきます。

ここで"今"に戻る。

「って感じか?」

「龍太~俺の出番少ないんだけど~」

「志郎…お前、いつもいなかったろ…」

「クラス隣だったじゃん」

「いや、いつもいないんだが…」

「女の子に声ばかりかけまくってたってあたし聞いたけど?」

「いやぁ~紗奈さん冗談きついなぁ」

「あ、わたしも女の子八百万並に声かけてたの見た!」

「ちょっ、カオルちゃんまで俺に何を言うんだい?!」

「ほら見てよ!あたし正しい!カオルちゃんが八百万並に声かけてたの見たって証明してくれたよ!」

「「ねー!笑」」

「志郎お前なにやってたんだよ」

「あはは…龍太また話聞いてよ~」

「わかった。俺でよければな。それでパトリシア…次は君だったな」

「ちょっと龍太、俺もここから絡み増えるでしょ!」

「わかってるよ。俺だってちゃんとわかt」

「その前に志郎、貴方、私に言うことないわけ?あるでしょう?!私と会う前、貴方なにしてるわけ?」

「俺の話聞いてr」

「ごめんなさいもうしません。貴女一筋です」

「…そ、そう」

「一気に鎮静したな志郎くんとパトリシア」

「は?こーくんもだよ、わかってんの?」

「あー、あの時はマジで…はい…ごめんな」

「…まぁうん、あたしもごめんなさい」

「なんだこの謝罪会。流れ的これ俺、カオルに謝ることあるかな」

「うーん?大丈夫だよ?」

「そっか。でもいつも苦労かけてごめん」

「わたしこそあの時全然役に立てなくてごめん」

「いや、カオルは支えになってたよ。今もこれからもな」

「うん、ありがと!わたしもだよ!」

「そこ二人熱いぞぉ~」

「葉山先生こそ、謝罪会(熱いイチャ会)終わったんすか?」

「巫凪…言うようになりやがって。いや、ちょっと足りなか、わかったって紗奈この話やめやめ、だな。ってことで次の話をしよう」

皆は頷きカオルが口を開いた。

「だね!でもその前にあれも話さなきゃいけないね」

「あれ?」

「うん、龍太くんは知ってるよね?初めて一緒にみた」

「あの花か…」

みんなは「あーあれか」と言う。

学校の寮にもちゃんと新聞というのが来ており、生徒はちゃんと知事も知ることができ、数は減ったがテレビでもサイトニュースでも時々上がる。

あのときは、事件が絶えなかったからな。

魔心花と名付けられた花。

この花がきっかけで、俺達は四人でチームを組むきっかけになったんだよな。

にしても

「だいたいさ!こーくんがあのとき終わったあと言わないのがおかしいんだよ!?なんでわかって放置したの!?」

「あれは先生として近づけなかったというかさ」


「志郎も私になんとか言っても、元々こういうやつかわかってはいたわよ?まさかここまでやばかったなんて知らなかったんだけど?」

「頭が上がらないのは、そうだね。気をつけるようにはしてるし」

「えぇ、聞いたあとじゃそうね!でもあれとそれとこれは別よ!」



「なぁいつ終わるんだコレ」

「さあ?」

「カオル止めてくれ」

「龍太くんがそう言うなら!ん~、なら光らせる?」

「いやいやカオル先輩~、ここは見ときましょうよ!この四人の痴話喧嘩www」


はぁ、まぁとりあえず花のなんかもでるよって話したから話し進めるか。



~~~~~~~~



「ぬぅぅぅ、朝だぁ…」

俺は目覚まし時計を止めた。

「寝たい…」

スマホを見るとカオルからおはよ~~!と元気な文字列を見た。

お互いに早起きだな今日は。まだ5時だし。カオルも多分眠いはずだろうな。

おはよ~~と打ち返す。

テレビをつけ、パンを食べているとニュースが映った。

他校の学校での集団食中毒、病院での爆発。山火事、異常殺人事件。

「最近事件絶えないな」

こういう事が大っぴらになるのは、その事件全部に死者がでていることである。

とりあえずいつでも出れる準備をする。

「新聞取りに行くか」

わりと思うのだがこのマンション寮、A館からZ館みたいに数の建物があり全生徒が一人暮らしできるくらいなのだ。

ワンルームマンションな感じだが超防音、安全性もある。「下界と遮断された感じだな」

と外にでると、見慣れない女の子がいた。荷物をぼんすかと部屋に押し込んでいるようだ。

と、目が合った。

お隣だから合わなきゃおかしいが。

見た目はというか格好がおかしいというか珍しい。

ドレスなのかゴシックロリータなのか薄着なのか、とりあえず言葉で表すなら人間離れ。

初音ミク並に長いツインの金髪にその目は縦線があるような瞳にスカートの下からは悪魔のような尻尾、尻尾!?

「お前、なにもん?」

「♭§☆#¢」

「は?」

「♭§☆#¢々◎」

これはあれだ。こっちの言葉はわかるが向こうの言葉が通じてない。

どうしたもんかと考えると女の子は自分の胸元を見て、「??」と、ごそごそと紅い石のネックレスを付けた。

「聞こえるかしら?」

「え、ああ、はい」


敬語になっちまった。

「そう、良かったわ。さっきは、あら、おはよう。早いのねって言ったのよ」

「へ、へぇ」

こいつ、人じゃないな

「なに?」

「あ、いや、格好が珍しいなと」

「…ああ、この服?この世界からしたら、やっぱりエロい?まぁ一応これ私の寝てた格好だし、…そう見られてもおかしくはないわね。さすがに着替えてくるわ。あ、ちょっと待たなくてもいいけど待ってなさいよ」


と女の子は、颯爽と部屋に入っていった。

部屋から「##&£ヰ」と防音越しなのに聞こえた。

まぁ格好としては、そうなのかもな。ちなみに格好を気にしたわけじゃなく姿が気になったのだが。

というか、俺はこれ待たされてるのか?

たしかに隣は空き部屋だったから、誰が越してきてもおかしくはないが。

まさか人じゃない人が越してきました。なんて何になるんだ。

「まぁいいか」

って俺も着替えるか。

あともう着替えるだけだしと俺は制服に着替えて出ると、まだ隣は音がした。と思うと「お待たせ」と言って出てきた。

「んん?制服?!」

「言わなかったかしら?私、今日からあそこの生徒、編入生?なのよ」

「へー…」

「あなたもあの生徒なのね」

というか、ここに住んでる人みんな生徒なんだけどな。

カオルもそろそろ準備終わるかな。

いつもカオルと一緒に学校に向かう。今回はゲストがいる。

ちなみにカオルは俺の部屋の上の階に住んでおります。

階段を降りてきて

「おはよ~~ってあれ?誰?」って当然なった。

「おはよカオル。なんでも今日編入してきたらしい」

「そうなんだ!わたしは桜カオルだよ!」

いきなり自己紹介を始めたカオルに女の子は

「パトリシア・ユピテルよ」と名乗った。

で、まさか、クラスまで同じとは。

コーチは知ってたんだな。

だから俺達に言ったんだ。

当然転入生を紹介するとなった時、女の子でしかもかわいい彼女なら、クラスの騒ぎようは半端ない。

カオルは「わぁ一緒だぁ」と喜んでいる。

とは言うものの、転入生というのはここじゃもう珍しくないのだ。

魔法を持った人間がひっきりなしにこの学校に入ってくるからだ。

おかげでこの学校、未だに女子が多いがそれでも4対6と男子もかなり増えているからだ。

その4は男子だが。


「大したことはないが今日もまた編入生を紹介する。始めろ」


編入生で女子が来ると男子が喜んでいる辺り、俺はこの展開に飽きて机に頭を打ち付き突っ伏していた。

そのたびにカオルから「起きて!転校生だよ!」

「いや、編入生だからね」やり取りをしていたが、今回はさすがに一緒のマンションに住んでるので、んな失礼なことはできない常識だけはあった。


「はじめまして、魔女王直轄総合調査部所属、月炎の黒魔女、パトリシア・ユピテル。よろしくお願いするわね」

喜んでいたみんなの顔が彼女の自己紹介でだんだん静かになった。

魔女王直轄だぁ?!というツッコミが一番したいところだが、殺陣コーチがそのツッコミを許していない。

「終わったなら空いている席につけ。今日は初の魔法学の授業を行うぞ」


授業が終わるとパトリシアの周りには人がひっきりなしに男女が集まっていた。

始めはみんな警戒していたがパトリシアの魔法の技術は卓越していた。

パトリシアが魔法の基礎を教える形にまでなり、他のクラスの生徒まで来ていた。

高校なのに大学みたいだと思った


「だからパトリシア!と言っているでしょう!」

「えー、パピーじゃないの??」

「違うわよ!」

「じゃあパティ?」

「…」

「違うの?!」

というカオルとパトリシアのやり取りを聞いた。

ちなみに俺はパトリシアと呼ぶことにした。

パピーは犬だし、パティは実は知らない人が多いがハンバーガーのお肉の部分を指すのだ。さすがにパトリシアとカオルに訂正はしづらかったので黙っておこうと思った。

そうそう。そのパトリシアを囲う集団の中には余語がいた。

俺は席で遠山金美と話していた。

遠山の魔法は"何でも斬れる刀"を生み出す魔法らしい。

「斬れないものはない」

と自慢気に言っていた。

「巫凪も混ざればいいのに」

「あの集団のど真ん中には入ってく勇気はないなぁ」

「そうだね。入学終わってわりと経つけど、編入生とか転入生、多いよね。ここってこんなもんなの?」

「あーらしいな。こっちに編入転入は自由だがな」

「編入転入しない子もいるの?」

いつの間にかパトリシアと会話に満足したらしいカオルが隣にいた。

「ああ、いる。いるけどその人達がどうして入学編入しないかはわからないけど」

「友達との別れとか寂しいんじゃないかなぁ?俺も入学迷ったし」

余語も来やがったぞ。

パトリシアもなぜかこっちに混ざりたそうな目を向けてきた。

こっちの会話内容が気になるようだ。だがひっきりなしに話しかけられてるのでパトリシアはその対応に苦闘している。

「あああ、なんかわかるかも!金美ちゃんも?」

「いや、私はそうでもなかったわ」

「龍太くんにいたっては地元なんだよね?」

「まあな」

「あ、俺、巫凪と桜ちゃんに言い忘れてた。チーム結成おめでとう~」

「ああ、そういえば二人結成したんだったね、おめでと」

俺とカオルは「ありがとう~」と返す。

チームを結成した、という言葉にパトリシアは強く反応したのを見た。

だがこっちには来れず、ちょっと苛立っていたのがわかった。

パトリシアは見た目暮らしもお嬢様っぽいからモテるだろうしな。

ちなみにカオルもなのだが入学してまだ夏にも入ってないのにファンがいるのだ。隠れファンってやつだな。

チーム組んだと知った一部の連中に俺はちょっと危ない目にあったが逃げ切っているので、なんとも言えん。ちなみに余語はさっきからパトリシアを見ていた。

こいつもしや。

ちなみにパトリシアはちょっとチッと舌打ちをしていた。こちらの会話に混ざりたいところに混ざれないのが嫌なようだ。というかパトリシアを感情を隠さないのか。

ので、助け舟をだそう、かと思ったら

「ユピテルさん、こっちくる?」

と余語が言った。

パトリシアは目を驚かせニヤリと笑う。

「あっちの人とも話してみたいわ」と言ってこっちにやってきた。

当然「ええー」と返ってくるがぞろぞろと人が集まってはこなかった。

え、なんで?着いてきそうなんだがと思ったら

「貸しね」

とカオルの隣にいつの間にかアイドル稼業やってる時よりもめっちゃ楽しそうな笑顔の紗奈がいた。

カオルには紗奈からも近づける事がわかったらしい。

「友達ができたこと、嬉しいんだな」

と俺が言うと

「そうかもしんない」と笑った。

「おー紗奈ちゃんお仕事休みだったんだね」

「そだよ~。で、龍太さっきの話だけどチーム結成したんだね、おめでとう」

「ああ、ありがとう」

「一年で初よね、すごいじゃない。相性良かったわけ?」

パトリシアが初めて質問を口にした。

「うん、私と龍太くんは100%なんだよ!!」

と、言うもんだから、みんなびっくりだわな。

「ひゃ、ひゃく!?」と遠山

「99.999%じゃなかったけ?」と余語。

「ふうん…」とパトリシア。

「パティちゃん?」

「カオル、貴女99.999%なの?」

「100だよ?」

「いやだから」

「100だよ?」

「誰が同じ事二度言えって言ったかしら!?」

「まあ実際は100みたいなもんだな」

「でしょ!ほらわたし達100%!」

パトリシアはため息をついた。

「あのね99.999%が事実ならとんでもないわよ。そんな相性、一万に一人じゃないの。貴方…名前なんだったかしら。そういえばまだ聞いてないわ」

「え、ああ、巫凪、巫凪龍太」

「それで龍太が、カオルの一万に一人ってわけね。大事にしなさいよ?」

「わかってるよカオルのこと大事にするさ」

「なんか照れるよ龍太くん」

「え、あああああ、ああああああ!!!」

俺今なに言ったよ。

「巫凪いいなぁ」

「いや、余語」

「ああ待って言わないで」

「わかったよったく」

「余語くん、どうしたの?」

「桜ちゃん、そのピュアな疑問が俺は困る」

「ねぇ、龍太。カオル」とパトリシア。

「私とバトルするわよ」


これが俺とカオル。そしてパトリシアとの初の出会いである。

家がお隣さんが出会いなんてもんは一切ない。

魔法が産み出されたこの世界に常識はない。

初めて俺はそう思った。


~ソーサリーズバトル~


必ず初めてバトルする魔法使いは初心者2、上級者1でなくてはならい。

この場合、俺とカオルが初心者に入る。

パトリシアは完全に上級者である。

よってルールは成立だ。

学校の敷地にあるホールグラウンドという場所でバトルをする。

足元は芝生であり、プロが行うサッカー場みたいな場所だ。

バトル内容は多種多様だ。

魔法使いにダメージを一定与える【ダメージカウンター】

魔法使いにクリスタルを浮かし砕く【クリスタルブレイク】

などなど、まだまだルールはあるが何気にスポーツゲーム性の高いのが特徴である。

今回は【クリスタルブレイク】を行う。


俺とカオルの頭上にはクリスタルが三つ浮かんでおり、パトリシアの頭上にもクリスタルが六つ浮かんでいる。

「まさかバトルにでるなんてな」

「わたし適当にいいよ!って言っちゃったよ」

「まぁ、なんとかなるだろう。胸をかりるつもりでいこう。ルールは大丈夫か?」

「うん、大丈夫」

控え室でそんな会話をしていたら殺陣が入ってきた。

「お前達、教師側として頼みがある」

「なんでしょう?」

「高等部一年でもなるべく早くチーム結成の数を増やすためにそのイメージアップをこのバトルで頼みたい」

「やっぱ金ですか?」と俺は苦笑した。

「それもあるが、少し違う思惑がある」

「思惑?」

「今はこのバトルに集中しろ。パトリシア・ユピテルは強いぞ」

と、控え室を出ていった。

「ううう、わたし全然魔法使えないのに」

「それなら一緒にがんばろう。もっといろいろ魔法ができるように、一緒に強くなるんだ」

「できるかな?」

「できるさ、相性100%だろ?」

「そうだね、相性100%だもんね!わたしもっとがんばるよ」

実際は99.999%だが、カオルは持ち直したようだ。

俺もがんばろう。


そして俺達はバトルグラウンドに立った。

「バトルグラウンドにようこそ、龍太、カオル」

パトリシアが立っていた。

格好が制服からゴシックドレススカートになっており、いろいろアクセを付けていた。

それらがすべてマジックアクセサリ、通称ミーティアであることが一目瞭然だった。

「ルールはクリスタルブレイク。時間は30分どちらかが先に6つ砕いたほうが勝ち、いいわね」

俺とカオルは頷く。

そしてバトル開始のホイッスルが響いた。

俺達は杖を構えた。


俺とカオルの戦法はシンプルだ。

カオルが目眩ましと運動の能力でパトリシアを圧倒しクリスタルを砕く。という戦法だ。

だが

「小手調べよ」

パトリシアが腕に火炎玉をまとわせ放ってきた。

真っ赤な炎が迫るが俺は魔法で弾く。

その隙にカオルがパトリシアの懐に迫りクリスタルを砕く、がクリスタルを砕く前にパトリシアがかわした。

「もらったわよカオル」

「くっ!!」

カオルは目眩ましを放つ。

間一髪でクリスタルを割られずに済んだ。

俺の魔法は万有引力。

杖を使い重力を操りカオルを自分の元に引き寄せヒットアンドウェイをした。

その戦法に、観客生徒から拍手が上がる。

観客がいる?いつのまに?。だが今はバトルに集中だ。

「大丈夫かカオル」

「なんとか。でもなんだろう。動きが見抜かれてる気がするの」

「カオル正解よ」

パトリシアは耳に付いたイヤリングを弾いた。

彼女の周りに光のラインが見えた。

「攻撃予測アクセサリか」

「あら詳しいわね。でも見抜いたからって、どうにかなるものじゃないでしょ!!」

俺とカオルは杖を使っているのにパトリシアは杖無しであれだからな。

続けて彼女は火炎玉を連続で放ってくる。

俺とカオルはスライディングでかわし一気に懐に再び入った。

「な?!」

「「もらった!!」」

とカオルの腕は彼女に弾かれたが、俺の魔法が彼女のクリスタルをひとつ砕いた。

すぐに引力で距離を取る。

砕いたことで、グラウンドに設置されたディスプレイがホイスルを鳴らし客が歓声を上げる。

さっきのスライディングはリンク率が高くないと失敗していたな。

相手は残り五つだ。

「さすがね。でも私もこんなもんじゃないわよ!」

彼女が地面を蹴って、俺やカオルのさっきの四倍の早さで駆け抜けてきた。

「カオルを気をつけろ!!」「わかった!」

だがパトリシアのが早かった。

俺は引力でかわそうとしたが彼女は髪の先端に炎を灯し俺のクリスタルを砕いた。

そして「お土産よ」パトリシアの炎の拳が俺の腹に入り、さらにパトリシアは自分を炎で纏わせ指を鳴らし、その炎が爆発した。

爆発の反動でカオルのクリスタルが一つ砕けた。

粉塵爆発までやってのけるのか。

これは勝てない。

だがカオルは諦めずにクリスタルを死守しつつパトリシアとドッグファイトをしていた。

俺もここで寝ているわけにはいかない。

引力をブーストし、パトリシアに一気に近づき重力を伴った腕を振る。

パトリシアは寸前で交わす。

振った腕の下の地面は重力によってグシャ!!と音を立てて凹んだ。

カオルからは戦うからには勝ちたい。そんな思いがリンクをしているからか伝わってきた。

だが目眩ましだけじゃ勝てないのだ。

「運動神経はたいしたものだけど、魔法はまだまだね。それじゃ私には勝てないわよ!」

「やってみなきゃわかんないよ!」

「いいえ、わかるわよ。

刮目しなさい。グリモワール」

パトリシアの言葉に巨大な紫の魔法陣が浮かび上がる。

魔法陣がグラウンドを覆った。さらにパトリシアの動きが早くなったのだ。

「魔法陣の力か?」

「違うわよ」

と、パトリシアを見ると彼女の姿が少し違うのだ。

「あら気づいた?」

「カオルとは2~40%だけど、貴方は60%くらいかしら」

パトリシアの魔力が変動していた。

「…なるほどな、カオル気をつけろ。パトリシアは俺達と強制リンクをして力を高めているぞ」

「え、そうなの?」

「そうよ」

「でもリンクは触れないとってもしかして」

「俺達が近づいた時だ」

ならこのグリモワールと呼ばれる魔法陣はパトリシア特有の魔法か。手札が多いな。

パトリシアは炎をさらに飛ばしてくる。

力も威力もさっきとは桁違いだ。

「カオルも、運動ばかりじゃなく魔法使いなさいよ」

「わたしの魔法は光だけだし」

「ほんとに光なの、かしらね!」

立て続けに炎の塊をカオルの周りに投げている。

ふと、パトリシアが攻撃じゃなく、妨害していることに気づいた。決着をつけるきがないのか。

「光とか武器にならないわけ?」

その言葉で気づいた。

パトリシアはカオルを鍛えているのだ。

バトルで力を引き出させようとしている。なら考えなきゃならない。光か。

ソーラービームとか?

ついポ○モン技が出たが、「それだ」となった。

「カオル。ソーラービームだ」

「へ?龍太くん?」

「光を溜めろ、引き絞れ

杖をパトリシアに構えろ」

「で、でも」

「光のビームを撃つんだよ、ほら理科の授業覚えてるか?虫眼鏡使って動かして虫焼くやつ、あれだ!」

「龍太くん、紙じゃなくて虫眼鏡使って虫焼いたの?」

「だぁぁ、今はあとだ!とりあえず今は構えてイメージだ」

「う、うん。あれ?」

「どうした?」

「もうイメージできたよ、こうやればいいんだね!」


カオルは投げ撃つように放つ動作をした。

俺にはカオルの魔力の流れを感じた。

瞬間、パトリシアのクリスタルが二つ砕けた。

残り三つ。

俺達も二つずつで四つ。

形勢が変わった。

カオルの魔法は一瞬だった。

だが手から杖にキュイィーンと音を立てて光を放っている。

イメージが恐らくリンクしたからカオルは成功したんだ。

グラウンドに風が吹いてきた。

いや、カオルの周りに風が踊っているのだ。

カオルの魔力が躍り跳ねているのを感じた。

「カオルしっかり制御しておけよ」

「うん、大丈夫だよ」

「よし、いくぞ!」

引力ブーストで俺とカオルは四倍速度で走る。

これもリンクの力か。

カオルは続けて光のレーザーを放つ。

パトリシアはかろうじて見えているのか、かわしている。

射程を見ているのか。

俺は引力をしぼり、魔力を解放した。

暴風を引き起こし、グラウンド全体に風の音が響く。

その風を俺の魔法のリンクを駆使してカオルが操りその刃でパトリシアに攻撃する。パトリシアの炎は暴風によって吹き飛ばしさらにクリスタルを割る。

この時の俺は、風を操り操作できるようにしたと勘違いをしていた。

ついに追い込んだ。

あと二つ。

「いい感じじゃない?。初心者にしては上出来よ」

「実質三人でリンクしてるようなもんだからな」

この勝負、俺達の勝ちだ。

そう確信した。

が、忘れていた存在が光だした。

グリモワールと呼ばれる魔法陣だ。

「そう、貴方達はここで勝っていなければならなかったのよ。

あとひとおしだったわね」


魔法陣から紫の光がグラウンドを包み、俺とカオルのクリスタルを全部砕いていった。


パトリシア、クリスタル残2

龍太、カオル、クリスタル0


勝者、パトリシア


となりバトルは終わった。


~~~~


その後、片付けやらなんやら終わり

「負けちまったな」

「そうだね。でもわたし達はまだまだ強くなれるよ!」

「そうだな」

こうして初のソーサリーズバトルは終わった。

ちなみに観客があまりに多く見えたのはどこぞの先輩の幻術魔法によるものだったりもした。つまりあんなに派手に戦ったのに客は0である。余語とか、俺達の友人は見に来ていたようだが。


次の日

「カオル、龍太おはよう」

「おはよう~」

「昨日の戦いお疲れ様ね。それでちょっとお願いがあるんだけど」

お願い?

「私も貴方達のチームに加わるわ」

俺とカオルの「ええええ!」と叫びが響いた。

「パピーちゃん本気?」

「っだからパピーじゃないわよ。それにあなた達は特訓すれば伸びるでしょうし」

「うーん、いいのかなぁ?わたし、またもう一度パピーちゃんと戦いたい」


あー、チーム組んだらそうそう戦えないっけか。わかんないけど。まぁコーチにそこは頼んでみるか。

「龍太、ダメかしら?」

カオルはパトリシアをチームに入れたいが、だが再戦もしたい気持ちと競り合い優柔不断状態になったのでひとまず俺に判断を向けてきた。

チームは四人は必要。あと一人は実は心当たりがある。

「わかった、いいよ。組もう。再戦に関しては俺からまた頼んでみる。二人ともいいか?」

「「もちろん」」

「とりあえず良かったわ。よろしくね龍太、カオル」

「「よろしく!」」

「それならあと一人ね。宛はあるのかしら」

「ああ、あるよ。割りと信用できる奴がいるんだ」

「あら?それなら安心かしら。なら決まりね」

と俺はそのあと余語に声をかけた。

「え?いいの?!」

「いろいろ練習とかも、増えるだろうがな」

「もちろんやるっきゃないね。ってことはこれで四人チーム巫凪結成だね!」


お前もチーム名そのセンスに至るのかよ。

と、こうして、チーム巫凪が結成された。

ちなみにあのバトルの戦いはレベルも作戦もイマイチで初心者すぎたらしくテレビ放送、校内放送もすることはなかった。

代わりに初心者のバトルとして政府に記録が送られることになった。

さらに代わりに高等部一年で初チームバトルがあったという噂が流れイメージアップにはなったと聞いた。



ここまで読んでくれてありがとうございます。


3章はここまでですがact2でまた続くので続きをお楽しみに!

さて、今回もネタバレをします。(読んでない方は読んでから)


今回は編入生が龍太とカオルのクラスにやってきました。別段あの学校では編入生に転入生は珍しくないけれど、今回は魔法の世界からやってきたパトリシア・ユピテルという魔法の世界という異世界からやってきた魔女の女の子です。


ちなみに本文では書くことができなかったのですが魔法国と地球の言語が違うことから魔法国から地球へ来ている魔法使い達はみんな首に石の付いたネックレスを着けることで地球の人間にもわかるようになっています。(翻訳石みたいだと思ってもらえれば)


どうやって行き来してるのか、何があって地球と魔法の世界が繋がったのかは、これからの話しの中ででてきます。

そんな中、今回のこの物語の醍醐味の一つと言える魔法使い対魔法使いの対戦、通称『ソーサリーズバトル』を書くことができたのはよかったです。


それではまだまだact2に続きます!

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