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8章act6 嫌な予感

こんにちはこんばんはおはようございます。

8章act6になります。


わたしは普段より早めに外に出る。

ワクワクと楽しみで身体を動かしてないと落ち着かなかった。

だが代わりに心は凪いでいた。

今日の戦いのために心が燃えているのだとわかった。

今日は本番。

そのための最後のウォーミングアップだ。

この時間、というよりこの学校周辺はあまり住民が少ない。

スーツを着た一般人を過ぎ去り走って通りすぎたのが最後に目の前は道だけになる。

突如背後から誰かが迫ってくる気配を感じた。

警戒をする間もなくわたしは意識を失った。


~~~




「えっ!今日授業なし?いったいどうして?」

『それがね~。今日はバトル祭なのよ。朝から晩まで目付け所のある生徒さんがバトルをするのよ。森宮の一般の方々やお偉い人達に政府の機関や防衛省、海上保安庁、公安警察。海外から協力してもらってるインターポール、FBIにCIAとか考古学の学者さんとか魔法国からは魔国政府の偉い人とか?マギウス技師とか女王とか来るのよ』

と御神楽。

俺は唖然。というかなんだそのよりとりみどりの動物園みたいな集まり。来すぎじゃね 。

「なるほど、それでフィールドに座席用意があんなに」

『まぁ偉い人達は座席でふんぞり返ってるだけだから。あなた達は午後からの試合だから。がんばってね』

と言って通話が切れた。

カオルは、マラソンしてくるーと連絡があったので直ぐには戻らないかもしれない。

俺は朝霧とアウロラに今日のことを話してくると返事をし外に出た。

フィールドの会場は午前の部のバトルを見るために、既に人だらけだった。

ちらちらと模擬店まで並んでるのだから驚きだ。

学校はきっとがらんとしているだろう。一割もいないと聞いてた魔法使いがこんなにいるとなんだか一割以上の力を感じるな。

午前の部は大学部の生徒の試合だ。

だが違和感を感じていた。

カオルからの返事がないのだ。

「先輩…おはようございます」

「巫凪くん、おはよう」

「ああ、朝霧にアウロラ先輩。おはよう」

「おはよ~、カオルちゃんは一緒じゃないの?」

「それが連絡つかないんです。二人は?」

二人は首を左右に振った。

屋台もあるからカオルもしかして食べ歩きしてないだろうかとも考えた。

俺は会場を見渡す。

「あ、龍太だ。おーい!」

と手を振る女の子がいた。シャルルだ。それに林道心愛がいた。

「シャルル。林道。おはよう」

「おはよ!試合30分前には控え室にいないとだよ」

「わかってるよ。でもカオルと連絡が付かなくてな。二人は?」

「ボクたち今来たばかりだから」

「あーそっか」

「それなら見つけたら探してたって伝えるね」

と林道が言った。

俺は礼を言ってその場をいったんあとにする。

~~~


ガタンと不意に揺れた。

「ん~これどうか?売れそう?」

「かなり良いから4000くらいはいけるかもなぁ」

わたしは目を覚ました。

どうやら車の中で後頭部座席にいるらしい。しかしなぜ自分は横になっているのだろうか。

気付いた。自分手も足も口も塞がれており、覆いのようなものまで被らされていた。魔法が使えないように手には何やら呪具までついていた。

「あ、起きちゃった?なんでもっと濃いの使わなかったんだよ?」

「…後遺症が残るからだ。この前のは強くしすぎたせいですぐに壊れたみたいでな。散々怒ってたからな。倉庫に運ぶまでは寝ていてもらいたかったが仕方ない」

「ぁぁなるほど」


倉庫。運ぶ。後遺症。壊れた。

わたしがこれからどうなるかを察した。

テレビや映画やドラマ、何より一回や二回くらい。

つまり、拉致。

「んーーー!!んぅー!」

わたしは必死に身体をよじって叫ぶだが手足は固く縛られており声もまともに出すことを許さない。

「大丈夫だよ、そんな怖がらなくても。君の買い手は優しいから気に入られたらいい生活ができるよぉ~」


わたしは凍りつき、更に暴れる。しかしそれがほどけることはない。

「そういえば君まだ処女?」

???。処女?さすがにそう言うのには疎い自信がある。

だけど少しは知っていた。

同じクラスのリセリスが言っていたし保体授業でも習ってはいた。

まだつまり男の人と、"ああいうこと"をしたことがないってこと?

一瞬巫凪のことが頭に浮かび、固まった。

男はその反応を肯定と見たらしい。

「ねぇ!この子処女だってさ!これはいいよぉ」

「なら丁重に扱わなければな。性能調査とか言って手を出したら困るしな」

「結構鬼畜だもんねぇ。この前の子なんて、すごい抵抗して4?5かな?殺っちゃったもんねぇ」

「あぁ」

「あの子、死んじゃったもんねぇ。薬漬けにしてもまだ抵抗したって」

「なんにせよ、今回はいい感じの取引になるな」


耳を塞ぎたくなった。茶飲みのようにそんな会話をしていた。


嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!!。


わたしは暴れる。必死にもがく。抗う。けど何もできない。


二人の男はそれを気にせず、話続けていた。


~~



おかしい。さすがにみんな思い始めていた。

バトル開始は13時30。集合は13時だ。

あと二時間しかないぞ。

なのに連絡がない。

「こっちから探すか」

時間が惜しい。

シャルルが言う。

「外に屋台があったよね?ボク、カオルがよくあそこの店のおばちゃん達と話して買って食べてるの見たことがあるんだ」

「常連みたいな?」

「うん。ボク聞いて回るよ!」

「すまん…。ありがとう」

言うとシャルルが一瞬目を大きく見開いた。

なんだその反応?。しかしシャルルは何も言わず力強く頷いてくれた。そして走り出していく。

「あ!シャルルさん待って!わたしも行きます!」

と林道もあとを追う。

「私は一回兄さん達に知らせてくる。何か知ってるかもしれない」

遠山は言う。

「兄さん達ってのは銀先輩か?」

「うん、あとイリアさん」

「あの二人、有名なのか?」

「うん。多分それなりに。詳しく話すと長いけど、きっと力を貸してくれるよ」

「ありがとう。助かる!」

俺は頭を下げた。

その俺の行動に、遠山はちょっとたじろいだ。

「巫凪ちょっと変わった?」

「え?いや、どうかな」

「死んだ魚のような目から一日経って死んだ魚のような目をしてるから」


それ誉めてる?

ってかどんな目だよ!?。


遠山は「じゃいってくる」

と言って行った。

「先生にも話してくるわ。御神楽先生や葉山先生にも話してみる。探してくれるはずよ。可能なら私の使いの妖にも探すよう頼むわ」

霊峰三珠が言った。

そういえば霊峰と御神楽先生は名前が一緒なんだな。

仲良さそうだな。

「ありがとう、お願いするよ」

俺は言うと霊峰は変な顔をした。

「あんた、もうちょっと冷めてるのかと思ったけど、結構熱いのね」

と、霊峰は言って走り出す。余語やパトリシアにも話しておきたかった。だがすでに会場の中入りをしているらしく連絡が取れないと聞いた。

これには致し方なかったが俺達は範囲を広げて捜索を開始する。

真っ先に連絡が早かったのは葉山だった。

『桜が朝からいないらしいな。聞いたぞ』

「ああ、今俺達も範囲を広げて探している」

『わかった。俺らも探す。何かあったら俺らに連絡してくれ』

「わかった!」

通話を切る。

「よし、アウロラ先輩、朝霧、カオルを探そう!」

二人も力強く頷いた。

~~

葉山は通話を切ると、次々に講師や教師に連絡を取り始める。

極力学校の外の生徒や政府や監査に来ている偉い連中には知られないほうがいい。今日はバトル祭。楽しい祭りみたいなものだから一般の人もやってくる。

だからいろいろ混じったこの場所ならきっと気づく人は気づいてしまうかもしれない。だけど止まるわけにはいかない。俺はある意味、巫凪にはあいつが中学の頃に恩があるからな。

それを返そう。


~~~


会場の控え室、実は初めて入ったけど、中々いいところじゃない。和室洋室などと他にも様々な部屋があって更に部屋が選べて自分達の落ち着ける空間で、バトルが始まるまで私達は精神を統一できる。どの部屋にもモニターがあるから今私達は大学の先輩の試合を見ていた。一人が覚醒した力を使い大技を繰り出したあと大ダメージを食らったが相手チームは耐え抜き、一気に逆転させて会場は歓声に包まれる。

私はともかく、余語とレイラン姉妹は割かし緊張していた。

ちなみに部屋は洋室の図書部屋ね。

「リィラ、フウラ大丈夫?」

「大丈夫よ。私達もあの歓声の中で戦うのね」

「そうよ。フウラ今のうちに緊張ほぐしておきなさいよ。リィラもよ」

「わ、わかってるわよ~!」

姉のフウラ、妹のリィラは吸血鬼でもあり魔女でもある。

紫電の魔女フウラ。

原子炉の魔女リィラ。

どちらも威力に優れた二人。

そして覚醒の力を手にし更にこの一週間で強くなった余語。

この戦いは楽しみね。

「志郎大丈夫?」

「あ、うん。大丈夫だよ」

と余語は紅茶を飲んだ。

余語は緊張しているのかしてないのか実は少しわからない。多分あの星降る夜で実戦をしているからが大きいのだろう。

けど、その表情は考えごとの顔だとわかった。

「何か考えてるの?」

「ん?うーん、なんか変な感じだなって」

余語が言うとフウラにリィラも反応する。

「なにがよ?」と私。

「映像に映ってるチラッと観客に数人先生が映ってるじゃない?何か慌ただしい気がして。勘だけど」

私は疑問符を浮かべた。

「気のせいじゃないかしら?今日お祭りだって聞いたの今朝なのよ?」

「参加する生徒には、より実戦的にするために事前まで知らせてなかったみたいだし、その対応じゃないかしら?」

私に続きフウラが言う。

「うーん、そうかな。まあそうだな」

と余語言う。

「そうよ。それじゃ何か私の国の絵本の話でも聞く?。日本じゃ聞けない話とかあるわよ?」

と私は緊張ほぐしでもするかなと考え言う。三人は「おお!」と拍手をしてくれる。私はつい鼻が高くなる。

この時、余語の、つまり人間の勘や洞察みたいなのは実際に当たっていたのを私達は知らなかった。

なぜならこの時、会場の外で一部の魔法使いの生徒と教員は事件を解決すべく動いていたから。

後々私達は怒るが通信途絶なこともあり、致し方ないかと納得するのだが。

~~



…いない。

以前カオルと一緒にマカロンを食べに来た店の店主のところまで足を運んだ。

「今朝早くから準備してるけど見てないなぁ…」

「そうですか、ありがとうございます」

「バトル直接見れないけど応援しとるよ~!」

と激励されたがこの状態でバトルはできるかどうか…。

かなり多くの人に聞いて回った。


ここは俺の地元だ。

人がいきそうなエリアを、住宅地、森宮の街も捜索した。

学校のクラスメイトにも会ったし以前俺にけしかけきた男子生徒達にも話を聞いたが見ていないという。

困った。手ががりがない。

誰一人カオルを見ていないのだ。

だが証明になるのはあった。


つまりカオルはこの街と学校には訪れていないということだ。


その時だ。スマホの通話が鳴った。

「もしもし!」

『あ、繋がった!巫凪くん夏菜瑠花です!』

「夏菜!どうした?今それどころじゃ…」

ないんだ!と言おうとしたら遮られた。

『大丈夫、わかってるよ。カオルちゃん探してるんだよね!私も瑠愛と一緒に探してるんだよ』

「そうだったのか…!ありがとう」

『それで…手がかりじゃないんだけど巫凪くん聞いたことない?』

「…なにをだ?」

『女の子が、いや正確には最近だと魔法使いの女の子が時々ふらっといなくなっちゃう話ってか噂。学校設立前からあるらしいんだけど。未だに誰も見つからないって』

「ああ、知ってる…。都市伝説の"不思議の国"だったかな。内容はアリスが元になってて生まれた話だったはず。ある日少女が早朝、ふらっと学校近くを歩いてたらいなくなるってやつ。あれか。校内にある鏡に連れ込まれるやつのさらに強化版ってやつだろ。っか今どこにいる?」

『そんな話なんだ…。えっと今は巫凪くん達がランニング練習に使ってた道にいるよ。でね。そこの近くの住宅街のおばさんが今朝にカオルを見たって聞いたの!』

「は?…なんだって?!」


都市伝説のルールは基本的必ず自分対相手だ。

それは胡散臭いくらいに忠実決まっている。

都市伝説はルールを絶対に破らないからだ。

誰か一人場外が見た、いた、ならルールじゃない。


なのにどこにもいない…?。


嫌な予感がした。


「この都市伝説。都市伝説じゃないかもしれない」

『え?!』

俺はお礼を言い、先生に連絡をした。

次の場所に向かうことを伝えて切った。


つまりカオルは必然的で意図的に何かに阻まれたのだ。

都市伝説と呼ばれていた都市伝説ではなかった何かに。


恐らく…カオルだけじゃなく昔から誰かが。


この森宮の街は街を出るとき、必ず隠し探知機のある通路を出なければ出れなくなっている。

最近できたシステムだ。

名目上、魔法使いが一ヶ所に集まる場所だから彼ら彼女達を守るためにできたらしい。

だが一つそれを回避する方法がある。


それは海だ。

何より元々次に探しにいく予定だった場所。



俺は南の方角を見る。


それは海と空が見える街。


白亜の街ラグーンエリア。


そこにカオルはいる。


「朝霧、アウロラ、ラグーンエリアだ。そこにカオルはいる。今から飛ぶぞ。しっかり着いてきてくれ」


「「え?」」

俺は朝霧とアウロラの背中を天高く引力へ向けて叩く。

二人は宙に浮き、大空へ一気に飛翔させる。

俺も大空へ飛ぶ。


今行くからな!

俺は自分でも気づいてないくらいに呼吸が酷く熱く荒く身体は震えていた。


ここまで読んでくれてありがとうございます。


いつものネタバレになりますが嫌な予感バリバリの展開になりました。

カオルが拉致されるという事態です。

今回実はオリジナルの都市伝説を使うことになりました。

読んでくれた人は知っていると思いますが実際は今回使った都市伝説は多分ないはずです。多分…。似たような都市伝説はあるかもしれません。

都市伝説というのは元々人を安心してお家に帰すために生まれたものだと言われています。

学校の怪談が子供を遅くまで学校にいさせないためにできた理由とよく似ていますね。

つまり都市伝説や怪談は人々の心の恐怖の具現した形と言っても過言ではないのかもしれません。

皆さんはそんな不可思議な事に遭遇したことはあるでしょうか?

ちなみに自分は遭遇したことはないと思います。

san値直送待ったなしですわ。

逆に帰る場所があるから、人は帰る。そういう場所から帰ってこれるのかな?なんてことを考えました。


さてさて、

今回はここまでになります。

次回は8章act7です。

ここまで読んでくれてありがとうございました!

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