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8章 わたしは人間?ちゃんと普通かな?

明けましておめでとうございます。

2019年初投稿となります。

今年最初の投稿が8章の始めなのはとても嬉しいですね

わたしが魔法を知ったのはまだ小さいころ。自身に魔法があるのを自覚したのは浅井というグラサン女が来た時だった。

でも、わたしが自覚をしたのは本当は既に前だったのかもしれない。それはいつだっただろう。


薄汚れた光が見える。


全身が痛くてたまらない。


冷たい苦しみの中で藻掻いている。

 

頭が凍りつき、感覚が失われていく。

 

痛みも。苦しみも。冷たさも光も。何も感じなくなってしまう。

失われるはずだった、ひとつの命。他の誰とも変わらない、ひとつの命。

 そこらじゅうで失われているそれと、何ら変わりのないひとつの命。

それでも、その暖かさだけは、守っていたかった。

その中で誰かが触れた。


中学の時、その日は雨だった。

「ねぇ、ーーーさ、いつもなんかぼんやり明るいんだよ」


「なんか不気味だよね」

放課後、忘れ物を取りに戻ったわたしはドアの前で制止した。何人かの友達が残っており教室で談笑していた。

「あれでしょ!変な力が使える魔法使いってやつ。テレビでやってんじゃん」

「あー見た見た。"選ばれちゃってる"ってやつでしょ」

「きもいよね~」

思考が一瞬で固まった。鞄を握った手が震えだした。

「だよねー、内心自分普通です~って気取ってるけど見下してんのバレバレだ」

「いいよねぇ、自分が特別だって思えるんだから。うらやましい~」


身体が震える。頭が熱くなる。いつも笑顔で接してくれるみんなの心の中身。

みんなと違う。それだけでここまで言われる。

そんなことない!見下してなんかいないよ!

逃げたい。今すぐ走って帰って布団にくるまって泣きわめきたい。

今すぐ教室に飛び込んであんたらのがずっと見下してんじゃん!と叫びたい。

でも、わたしは顔をあげて無理矢理に笑顔を作る。

それはわたしが無意識に気付かぬうちに作った処世術だった。

わたしは教室のドアを開けた。

「あれ~?みんなまだいたの?わたしも混ぜてよ~!」


その日は土砂降りの大雨だった。


~~

「カオル?カオル大丈夫か?」

「っ!?」

突然カオルは、顔を上げると俺のあごにあたり

「あいたっ!」

「り、龍太くん!?大丈夫?」

「ああ…大丈夫だが、カオル」

「な、なに?」

「なんかすげぇ目してたが大丈夫か」

「へ?あ、うん。大丈夫」

「………。そうか。何を考えてたんだ?」

「ううん、特にだよ」

カオルは話す気はないらしい。こういう時カオルは何か深く考えている時なのだが、紗奈との喧嘩時がまさにこの状態に近かったので俺にはわかっていた。とはいえ、この学校でカオルは人気は高いほうなので人間関係はここだと嫌なことは無いだろうが…悩むとしたら多分昔だろうか?あくまでも予想だが。

なので俺はカオルの頭を撫でてやる。綺麗なガラス細工やその割れ物を触れるように優しく撫でた。

「な、なに~?」

「なんでもないよ」

と言いながら俺はカオルを撫で続ける。

時々カオルはくすぐったいよ~と言うが嫌な気分ではないらしいから俺もカオルを撫でるのは嫌じゃない。むしろ好きなほうだ。

「カオルは」

「うん?」

「あー…いや」

「うん?あ、龍太くん」

「なんだ?」

「いや、その、手をね」

「手?」

いや撫でてるだけだが?

と思うがカオルの指がちょこんと俺の背後を指していた。

俺は振り向くと殺陣がいた

「うげっ?!」

盛大に見られてたし!。

慌ててカオルを撫でてる手を引っ込める。

「ゴヨウケンハナンデショウ」

カタコトになった俺に気にすることなく殺陣は俺を見る。

「いろいろ云いたいことがあるが、目を瞑ってやろう」

「ハイ」

「それでだ。近頃お前達の話は噂になっている。夏休みチーム巫凪が見返りを求めず各活動を手伝っているとな」

「う、はい」

「今日はそれを評価しにきた」

俺とカオルは顔を見合わせた。珍しいなと。

「だがそれらは、目立つ故に時に鬼か蛇をもこちらを見せることになる。だが姿勢は悪くない。気をつけることだな」

と言って殺陣は去っていく。

「なんだったんだろ?」

「さぁ、褒められたのはたしかだな。カオルはあの人が人間じゃなくて大鬼の種族、つまりオーガなんだけど知ってたけ?」

「え?そうなの?知らなかった」

知らなかったか。


「それならあれだけ筋肉がすごいのが納得だね!」

いろいろはち切れそうだけどな。あと筋肉はまぁ関係ないような。

あんなんで趣味が時代劇とか、チャンバラとかインテリなもんだから見かけによらないよなぁ。

「龍太くんはさっき何を言いかけてたの?」

「え?あー…カオルは魔法いつ会得したんだろうなって思ったんだ。志郎は流れ星、星降る夜から授かったようなもんだろ?気になってさ」

「…うーん。あまり覚えてないけど。きっとあの時かな」

「あの時?」

「うん、あの時」

そしてカオルの瞳が風を纏うように雲が流れるように光出す。カオル自身にカオルの魔法、カオルの過去を聞こうとしたらカオルの魔力が異常を示すことがわかった。

まるで魔力が生きてるように。

「答えることはできるか??」

「うん?まぁ…できるよ?そのために聞いたんだよね」

「まぁうん」

「そっか。じゃあ龍太くんは?」

「え?」

「龍太くんはどうやって魔法を会得したの?」

まるでその問いは、聞けるならあなたも言えるよね?となんだか怒ってるようにも見えた。理解する。

「……ごめん。無用心ってか無神経だった」

「…うん、いいよ。わたしこそごめんなさい…」

「いいよ」

俺もまだカオルに話すことができない。逆にカオルもまだ話すことができないらしい。少し珍しいのはカオルは俺に対して自分を話したくないという拒否を見せたことだ。

まぁ魔法使いってのはみんな何か悩んでるもんだからな。

「いつか、話してくれよ」

そう言うとカオルは、小さく頷いてくれた。もうその時カオルの瞳は元のままだ。

「あ、ルシエルだ」

「ほんとだ」

ちょっと修行中に選んだ場所でルシエルに出会えるとはな。

だがルシエルが初めて、俺達の前までやってきた。

「「??!!!」」

初めて地に降り立つ姿は思わずははぁ!としたくなるがルシエル的な性格?(あるのか?)を考えるとその気が失せる。

ヒュルルゥと初めて鳴き、俺とカオルを見る。

そして飛び、俺達の周りを飛び回り、最後にカオルの肩を踏み台にするようにタッと足を付いてさらに高く飛び去っていた。

「」

「」

「今、わたしに触れたよね」

「触れたな」

踏み台代わりに、とは言わないでおいた。

「とりあえず今日の修行はここまでだな」

「うん、このあとは?」

「あーなんか茶道部の整理だな」

~~~~

「あ、やっと来たわね」

とパトリシアが珍しくつり目をいい感じに向けてきた。俺的にはかわいい仕草だが、なんか逆に、え?どうしたのお前って感じである。

「やぁ龍太」

と余語も軽く手を挙げる。俺も手を挙げ返事をして、小声であいつどうした?と聞いてみると。

「え?わからないけど、なんかかわいいよね。いつもかわいいけど」

と余語は言う。カオルに聞くと「パティちゃんはいつもかわいいよ?」と言う。

まぁ、そうか。

態度が違うんだよなぁ。パトリシア何か心境の変化があったのかと考えるが野暮だなと考えた。

「今から茶道部の整理なのよね?」

「うん、龍太くんの知り合いみたい」

とパトリシアとカオルは言う。

とタイミングよくやってきた。

「あぁー!お待たせしちゃってごめんなさい!!」

と、声が聞こえた。

「龍太、この人が茶道部かい?」

「あぁ。こいつは八坂春日。中学のよしみな。

ちっさいからインターン(中学)と間違いを受けるんだ」

「久しぶりなのにいきなりそんな紹介か!!あ、はじめまして、アタシが茶道部、八坂春日。よろしくね!」

三人ともよろしくね~ってなった。

「小さいのに!同い年かぁ。あ、姫乃先輩と同じ?」

とカオルが聞くと、

「ううん?アタシは身長が伸びにくかっただけなの。あんな怪物達と一緒にしないでちょうだい」

「ああ…ごめんね」とカオルが謝る。だが俺はカオルが謝ることはないなと思ったので

「そこだけ見たらみんな俺も春日も怪物だな」

「そんなことないもの!アタシは人間ですぅ」

「…みんな普通の人間だ。人間の怪物っていう超人はいても怪物の人間はいない」

言うと春日は口を閉じる。

「うん…」

となぜかカオルが返事をした。

俺は思わずカオルを見た。

パトリシアと余語も八坂もカオルを見る。八坂に言ったつもりがカオルが返事をしたので「え、ああうん、なんでもないよ!みんな人間だもん。怪物の人間なんていないよ」

そうカオルは言う。

俺はそうだなと返した。

茶道部なんて物なんて使わんだろと思っていたら意外と物が多かった。

一方パトリシアと余語は何か楽しそうに談笑していた。

カオルも俺も八坂と駄弁りながら作業に没頭する。

「それじゃ龍太とカオルは悪いけどこの荷物体育倉庫までお願い」

と言われ俺とカオルは荷物を浮かしながら歩く。

夏休みの廊下は静かだった。中学の時も静かだったが、高校は高校でまた違った趣の静かさだ。この静かさはいい夏の証だなと感慨しているそんな時だ

「ねぇ龍太くん」

「ん?」

「さっきは、ありがとうね」

「何がだ?」

「人間に怪物なんていないって言ってくれて」

「ああーただそう思っただけだ」

「それでもありがとう。」

この時、俺はどうしてお礼を言われてるかわからなかった。

だがさっきのことを考えるとカオルは自分の魔法の過去を気にしているのかもしれないな。

だからちゃんと俺も答えよう。

「どういたしましてだ」

「わたしは人間?ちゃんと普通かな?」

「普通だな。体力多くて甘いの大好きで方向音痴で、どこにでもいる普通の女の子だ。ちょっと偏差値の可笑しい学校のな」

だから大丈夫だと言おうとした。が言う前にカオルは嬉しそうにくっついてきた。ねこみたいにすり寄ってくる。ああ荷物が危なぁいぃ~。

「わたしはね。もしかしたら神様からこの力をもらったかもしれないの」

唐突に始まったカオルの言葉。

唐突すぎて意味を理解するのにかなり苦労したが。理解した。

魔法のことを言っているのだ。

「もらった?って言うのは?」

「意味のままだよ~。わたしの住んでるところはね。海とか漁業とかお塩作りが盛んなのです」

「おぉ!」それは美味しそう。刺身とか

「でもわたしは刺身とかは苦手なのです」

なんでやねん。

ってか、その話題関連あまりないような?

「まぁ、ところがわたし、小さい頃に、海に落ちちゃってね」


話がジェット機並の変わりようだが相づちをうつ。

いやまて海に?。

「経緯は?ってかなんで海に?」

「古くから伝わるお祭りみたいなのがあってね」

事故ってことか。

「もう死んじゃう~!って海の中で考えたら、それは綺麗な青い大きな人がいたんだ~」

「……????!!!!!」

「そしたら呼吸もできるようになってね、気付いたらわたしは浜辺にいたんだ。だからきっとその時」

「そうだったのか。カオルはたしか東北出身だったな」

「うん」

つまり、あの地震の被災者でもあるのか?。カオルはその時に魔法を会得した?。青い大きな人とは多分人じゃなくて神様クラスのなんかだろうと考える。疑問は尽きない。尽きないが思った。

「カオルは強い女の子だな」

「そうかな?」

「そうだとも。こうしてちゃんと話せてるしな」

「あ、…うん。龍太くんのおかげだね!」

と話してる間に体育倉庫に着いた。

「あー、懐かしいなここ」

「ん?ああうん。入社式の」

「入学式と言ってくれ。将来がツラくなる」

言うとカオルは笑ってくれた。倉庫を開け中に入る。

相変わらず散らかってんなぁ。

ふと、奥を見るとまだ棺桶があった。

と、カオルは運んでいた荷物が落ちた。

「わわわわっ」

ドサドサと本が落ちる。

一冊気になる本があった。

「ああーこれは…?」

「記録張?」

読むと内容は、

何かの実験ファイルだった。


初期によるプロトタイプ成功。

素体人形、生成率65%。

異国の中韓、魔力による攻勢を受けた15の素材、--年実験成功、覚醒予想日-年秋から冬。

一部、素体に花を与え解放結果処理待機中。

花影響あり二人男女、細胞移植。花によるラクリマと本花によるラクリマによる一部を腎臓移植、実験成功。性別による脳への異常、不明。

魔力所持者による実験、失敗。本花による実験、成功


俺は近くに誰かいないか引力センサーを可能な限りまで広げた。いない。よかった。

「これは、なに?ラクリマって?」

「…ラクリマってのは魔力の塊のコピーみたいなやつだ。それを埋め込むとその技術が使えたりできる、だったかな?。この学校はいいこともしてるが悪いこともしてるってことか…」

「誰がだろう?」

「わからん」

わかるのは花ってのは魔心花のことか?

そして15の素材ってのは…俺は、目の前にある棺桶を見た。俺とカオルは初めてここに来たときにも棺桶があった。15体ものな。(第一章参照)

同時に気づいた。この15は、葉山達を襲撃してきた中韓の襲撃者達かもしれない。葉山も言っていた。あのあと機械蛇に食わせた奴等はとりあえず上の命令で渡したと。

たしか数は15くらいだったかな?と。

そして花の二人とは間違いなく、俺とカオルがやったやつだ。まぁ会長がやったのが正しいがあのあと黒フードに回収されていったしな。

それをカオルには話さなかった。カオルは顔面蒼白するだろうから。

「わたし達、これ見ちゃまずかった?」

「いや、大丈夫だ。大丈夫だから信じな」

「うん…信じる」

「まあまずはパトリシアや志郎にも話てみよう」

「うん」

茶道部の手伝いって言ったのにとんでもないの出てきたな。

茶道部へ戻ると

「別に志郎のために言ってるんじゃないんだから、そう私のためよ!」

「う。うん。でもパトリシアさっきの言葉」

なんかやりあってた。

「春日、これはどうなってんだ」

「アタシに聞かないで…」

俺達に気づくまで二人は言い合っていた。

~~

さて、二人にも話すと決めたのだが結局話せなかったのだ。カオルも何も言わないでいてくれた。

一応わかったのが、すぐに何か起きる訳じゃないことだったからだ。

ちなみにパトリシアと余語はデートの誘いをどうたらこうたらと話してたらしく行くの行きたくないけど行ってもいいわよ?と喧嘩腰になりそうだったんで俺とカオルが割る形になり夏休み最後の当日はみんなで街へ出た。ダブルデートってやつだな。

春日からは、「龍太、彼女いたのか…意外だ」

と言われた。

いやまだ彼女じゃないんですよね。

そんなことを考えた。


そうして俺達の夏休みは終わり、2学期が始まった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

いつものネタバレになります。

すでに読んでくれている人は気づいているかもしれないですが6章は余語、7章はパトリシアがメインという形で書きました。

そして8章はカオルがメインという形になると思います。

新しい登場人物も今回一人登場しました。

八坂春日。高等部一年の茶道部です。


それでは今回はここまでです。

次回は8章act2です。

ここまで読んでくれてありがとうございました!

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