6章act6 星降る夜のアルケミックジーン
こんにちはこんばんはおはようございます
お待たせしました!6章はこれにて終わりです!
いやぁ~~寒すぎるぇ
僕はこの感覚を知っている。このときが来るのを待っていた。そんな感覚だ。
星降る夜は目前だ。
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俺達の平穏は突然事件へと変わった瞬間は覚えてない。
魔法使い達が乗る列車を誰が妨害するかなど考えなかった。だが今動かなきゃやばいことはわかっていた。
魔心花の影響を受けた人間が襲撃を仕掛けてきたと殺陣から連絡があったのだ。
太陽も夕陽になっており宵の明星がそれを告げていた。
「巫凪か、列車は見ての通りだ。幸い倒壊転倒は防げているが速度はこの有り様だ。速度計はあいつらのおかげで振りきれていて数時間後にはこの列車は全てを穿つ槍となるだろう」
殺陣がそう言う。
「ったく、楽しい時間だったてのに」
「しょうがないよ」
たしかにしょうがない。だが
「とりあえずさっさと解決すればいい話ね」
「龍太達大丈夫かい?」
と余語とパトリシアが操縦室にやってきた。
俺達はこの列車の図面を見て絶句する。
この列車はVIPが乗る一般人が乗れないような列車だった。
まぁ絶句してるのは余語と俺とカオルだけだけどね。
王族のパトリシアとか貴族魔女達ってこういう辺り全然驚かないし反応普通だよな。俺達庶民。
「なによ?図面見て何か驚く?」
「いや」
「とりあえず花使いを探さないとだね」
カオルの言葉に俺達は頷く。
ひとまず、最後尾の列車まで走って行く。道中列車に乗ってる魔法使い達の騒ぎ様はすごかった。
結城が状況を説明していた。
「結城先輩!」
俺達は結城に声をかけた。
「巫凪君達…」
「だいぶ状況悪いみたいね」
とパトリシアが魔法使い達に一瞥した。
「文字通り花使い達は命を狙ってきますから、こうなるのはわかっていましたけど…」
結城は少し疲れた表情だった。
生徒会がどんなに強く、そのとてつもない力を制御できようとも、やはり一人の人間なのだ。怪物だ怪物だと囁かれている人達だが人間だ。
人間なんだ。
そしてこれはトレインジャック
。上客が皆魔法使いとはいえ、この列車の速度を考えたら放棄はできない。
「生徒会に連絡は?」
余語が聞く。
「連絡は付きました。列車を放棄して魔法使いの安全を最優先にと」
つまり列車は民家にでも突っ込んで俺達だけ助かろうみたいな感じなのか。
「多少の犠牲は付き物か。その命令ってやっぱり会長?」
「はい…」
「あの人判断大丈夫か。なおさら犠牲一人も出せないな」
死者ゼロでこの状況を打破する。
「いつもどおりにだね」
とカオルが言う。
「そうだなぁ。結城先輩、俺達はいつもどおりってか東国家が攻めて来た時が正しいんですが、死者ゼロで状況を打破します」
「えぇぇ?。うーん…わかりました!私たちも最善を尽くします」
こうして俺達はトレインジャックをどうにかすることになる。
~~
ひとまず俺達は部屋を1つ1つ確認することになった。パトリシアと余語も手分けして花使いを探すが見つからない。
「龍太いたかい?」
「いやカオルのほうは?」
「ううん、パティちゃんは?」
パトリシアも首を横にふった。
「いないか。しかしな。いったいどこに」
「逃げたかもしれないわね」とパトリシアが言う。
「そうか?」
と俺は言うが、だがパトリシアが気のせいか歪んで見えた。違和感を感じた。
「やれやれ。とりあえず次に行ってみよう」
と俺は軽くを伸びをしながら言うと背後から鈍い音がした。
カオルが倒れたのだ。
なぜか俺の頭が痛くなった。「くっ…カオル!」
俺はカオルを倒したやつを見た。だがそこにいたのはパトリシアだった。
「パトリシアどうしたんだい?」
余語も驚いた表情をした。
「……一番厄介そうな奴を先に倒しただけよ。術を組んでるから簡単には起きないわ」
「なに?パトリシアお前いったい」
「志郎。次はあなたがこの子と同じになるの」
「…志郎!!」
俺は叫ぶ。しかし余語は
「パトリシア」
「ん、なにかしら?」
「君はパトリシアじゃないね?誰だい?」
「…………」
パトリシアが表情を変えず固まった。
俺は、え?となる。
「パトリシアはそんな表情をしないんだ」
「なにか根拠は?」
「そうだね…。パトリシアはそもそも足運びが少し内またなんだ。それに人の話を聞くときの表情は片方の目を閉じるか閉じないか、そんな顔だね。魔術に関しては君の知識もすごい。でもパトリシアらしくない。パトリシアはもっと悪戯溢れすぎた内容なんだよ」
「志郎…、俺、軽く引くわ」
「ええええ?」
「悪い志郎、他意はない。ってことらしいがパトリシアじゃないパトリシア。お前はいったい?」
しばし沈黙、そして
「……ふん。案外ばれるものなのねあんたキモいわ」
パトリシアの姿をした誰かが言う。対する余語は
「姿だけは、パトリシアそのものだね」
「見る目があるんだねあんた。でもこれほどいい身体は初めてなのさ」
俺は言った。
「残念だが花使い。一対二だ。お前一人で何ができる。パトリシアにどうやって身体を奪ったか知らんがさっさとでていけ」
「やれると思う?」
俺と余語は眉を寄せる。
どういうことだ?
瞬間彼女の廻りに炎が踊る。
「フフハハハハ!見てよこれが魔法だよ!すごいね!!」
彼女はパトリシアの魔法を使っていた。
俺はカオルを抱えながら紅蓮の炎をかわす。
花使いの中でも厄介な相手だぞ。
戦いはするが、俺はカオルを守りながら戦っているから上手く戦えていなかった。余語ががんばって食らいついていた。
「…うっとーしい!」
パトリシアの姿をした花使いは余語を吹き飛ばすが、なんとか堪える。
「志郎、すまん」
「いいよ。龍太は桜ちゃんを守るんだ」
「助かる。どうにかしてパトリシアからひきはがさなきゃな…」
「うん」
だがどうすればいい?ひとまずここでは思うように戦えない。この場所の部屋付近には同じ魔法使いの後輩たちがいる。だからここから出さなきゃいけない。
「ねぇ、魔法使えてるよ?」
彼女が言う。
それはチャンスだった。あいつら花使いは魔法使いに対して恨み嫉妬羨望憎しみがある傾向がなぜか多い。
それを逆手に取る。それは"信じれず疑っても、でも信じようとしてる"俺の心の成せる物だった。
この読み、外れたらヤバイし不利になる。俺は意識のないカオルの顔を見て問う。ノッてくると思うか?
意識のないカオルが頷くような、だけどちょっと悲しい表情にも見えた。そんな感覚があった。
その感覚を自分に刻みながら俺は言った。
「…それはお前の魔法じゃないだろ。お前の魔法だったとしてもここじゃパトリシアの魔法は上手く扱えない。諦めろ」
「なら電車の上ならどうかしら!!!」
そういってガラス窓を破り上へと身軽に出ていった。
つまり、のったのだ。
「志郎!チャンスだ!行くぞ!パトリシアを取り戻すんだ」
「え!?わ、わかった!」
余語は言い電車の上へ行く。
俺はカオルを安全な場所へ
届けたあと余語を追いかけることにした。
その身体を優しく抱きしめた。俺はカオルが、そしてこの温もりが俺は好きなのだ。これは本心だ。たとえ何があっても心の中で、キミが愛しいのだと伝えた。
その抱擁を終え、俺は余語を追いかけようとした。
だが俺の手を誰かが握った。
「カオル…?」
カオルの手が俺の手を握ったのだ。
…これはいったい。
「カオル…起きてるのか?……ちゃんとここにいるぞ」
するとリンクしていた何かが強くなったような気がしたのだ。
不思議な感覚だった。
心地がいい。ドキドキと温かさがあるような。
「…リンクにも何かまだいろいろあるのかもな」
俺は余語を追いかけずに外を見た。
ちらちらと星が流れ始めていた。カオルにかかった術はもうすぐ解けるだろう。
だから言う。
「カオル綺麗だよ。起きておくれ。一緒に星を見ようよ?」
~~~~
巫凪が来ない。この場合、僕は放置されたと見て間違いない。でも巫凪やカオルの背後にいつまでもいるわけにはいかないのだ。目の前にはパトリシアの身体を持った花使いがいるのだから。
何より僕が解決しなきゃパトリシアに格好がつかない。男って好きな相手には格好つけたい生き物なんだよね。僕もきっと巫凪も例外じゃないだろう。
列車の速度は尋常じゃなく景色は一瞬で通過する。
「さぁパトリシアから出ていくんだ」
「いやよ!」
火の粉を撒き散らしてくるが僕は防ぐ。僕はパトリシアにはあまり大きな攻めはできない。同時にあの花使いもまたパトリシアの力を上手く扱えてないようだ。
火を纏うか火の粉を飛ばすかくらいだ。
だが近距離戦は強かった。
ましてや魔族の拳は並の威力じゃないのだ。
今の僕の力だけじゃ、彼女からパトリシアを取り返せない。僕は銃を構えた。でも構えるだけ。
銃とは一般な人間が恐怖する武器だ。その心理だけ利用する。
ちなみに魔法使いに銃を向けても驚きさえされないのでこういう相手には好都合だ。
「知ってるかい?」
「なにを?」
「今宵は星降る夜だ」
「それが?綺麗よね」
「そうだね。君がパトリシアだったら僕は幸せだ」
「はぇ?」
「でも今の僕では君からパトリシアを取り返せない」
「何が言いたい?」
「空をみてごらん」
「…」
思わず花使いも空を見て、目を見開く。
とんでもない数の星が降っているのだ。
「時刻は夜の20時、これから朝方になるまで、この星の雨は続くんだ」
「…それが?」
「そして僕が目覚めた日でもあるんだ」
「??」
僕はためた魔力を爆発させた。
金色と銀色に煌めきを放つ。空気が銀の欠片へと変わる。
パトリシアの姿をした花使いが初めて怯えた顔をした。
「僕は…龍太や桜ちゃんやパトリシアよりは強くはない。でも追い付きたい。いつか彼らの背中を守れるくらいに。パトリシアには、これからも僕が強くなるところをずっと見ていてほしいから。だから返してもらうよ。
その人は僕の大事な人なんだ」
そして一つの流れ星が僕へめがけて僕を貫いた。
気付いたら僕の身体は青銀の鎧を纏っていた。
兜はないけど、ないほうがいいや。重さを感じさせないその鎧は頼もしさすらあった。
僕は杖を掲げる。あっという間に銀が集まり、杖は剣へとなる。
そして小さく踏み込む。一瞬で間合いを詰めた僕は剣をパトリシアへと一閃した。
だけどパトリシアは無傷。この力は闇だけを祓い飛ばす。
「あああああああ!!!!」
花使いが悲鳴をあげ、パトリシアと花使いが分断された。僕はパトリシアを優しく受け止めた。
ちょっといい光景から見たら騎士とお姫様だね!って嬉しくなった。
黒い塊のような花使いは、ひどく変質した姿をしていた。
「あああ…私の魔法、身体……身体…力、力?力が抜けてく…!?」
ずるずると井戸からでてくるサダコみたいにはってきていた。
「…君はいくつ魔法を使った?」
「…四つ」
「…そっか」
花使いになった人は四つの術を使用者に与える。だが四つ目を使うと強力な分、人の形から離れた姿になるらしいのだ。
そして力を与える代わりに二度と元の姿には戻れない。僕は銃を構える。覚醒しているせいか銃までも銀に輝いていた。でも迷ってしまった。この花使いは僕らと同じ人間だったのだ。
「志郎…」
パトリシアが目を覚ました。
「大丈夫?」
「…大丈夫よ。というか離してくれないかしら」
「え?ああごめん!」
うーん、やっぱりパトリシアはパトリシアだね! 。
「まったく、"いろいろ聞こえてる間に"いつのまにか見違えちゃったわね」
「え??ああこの姿?うんまあね」
「思い出すだけで恥ずかしいわ…」
「なにを?」
「…とりあえず今は先にすることがあるわよ」
そしてパトリシアも花使いへと向けた。
「ずいぶんと私の身体を好き勝手してくれたわね。力は全然扱えなかったみたいだけど」
「ああ身体、ああ…力…」
「カオルや龍太や志郎を乗っ取りに使えなかったのはその術は、さしもの人外を乗っとるやつだったのかしらね」
パトリシアは花使いを見て言う。
「〆~仝¢££§∽∝‡∞〆」
パトリシアの言ってる言葉は分からなかった。でもニュアンスは、死刑を言い渡す執行人のような雰囲気だった。
「ちょっパトリシア」
僕は呼ぶが彼女は待たず黒い魔法陣を作り腕を中に入れる。そこから出てきたのは巨大な禍々しい鎌だった。それを軽々と片手で回す。右手に鎌、左手に黒い杖を携え、鎌に蒼い炎が宿る。その姿は本でしか知らないけど星が降る姿と相成って魔族と天翼族の間に稀に誕生する天魔種のそれだった。
鎌は容赦なく花使いの首を跳ね、その身体と魂を吸い上げていった。
「…ごめんなさい。仕事をしただけよ。怖かったかしら?」
僕は大丈夫と言った。
そして電車の速度がガタンと落ちた。
「あの花使い、かなり自分の力を使いこなしてたのね」
「だね。速度弄りに乗っ取り。多分桜ちゃんを気絶させた力も一つなのかな?規模がでかかった」
あと一つは、ここをジャックした時だろう。
僕も自分の魔法を解いた。
「パトリシア」
「なに?」
「俺、これからも頑張るからね。君の…隣で」
あれ、最後言葉ごにょったぞ僕。言えると思ったんだけどな。だがパトリシアはそれが聞こえたか聞こえてないのか
「そうね。志郎はそれをさっき見せてくれたわ。私を助けれるくらい、強くなったじゃない。だからたまには!たまにはお礼を言うわ」
「お礼?」
僕は言うとパトリシアは僕のすぐ近くまで来た。ここまで密着されたのは初めてかもしれない。
「そう!別に普段からありがとうなんて思ってないんだから。だからありがとう。助けてくれて」
そのパトリシアの表情はそれはもうかわいかった。
「おーい!志郎!パトリシア!そろそろトンネルに入るからもど!…っと、あー…お邪魔だったかな。サァッセン!カオルよ、とりあえず戻ろうか」
「だから言ったんだよ。二人が戻ってくるまで待とうよって」
どうやらカオルも無事に目を覚ましたらしい。
巫凪が僕らを呼んでいた。
「戻ろうか」
「そうね」
と、僕らは列車内へと戻った。
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目的地へ到着するとまず俺達はメディカルチェックを受けた。
四人とも異常なし。葉山がいて助かったわ。
殺陣と葉山からは、ついに余語には覚醒していると判断が出た。
錬金術から《煌銀金術》アルケミックジーンへと魔法名が変わったのだ。
万物や大気を粒子へと。さらに粒子を錬成したり大気を銀や金へと。光をも万物へ錬成できるように、いわゆるもっと複雑なことができるようなったのだ。
そこから俺達はこうして、星降る夜に見守られながら、みんなと天体観測を楽しむのだった。
にしても今回は俺とカオル、ほぼ出番なかったな。
まぁ、いいか。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
前書きにも書きましたが6章はこれで終わりです。
いつものネタバレになりますが、この6章は余語が主役な章だったと言っても過言じゃなかったかもしれません。
好きな女の子のために、そして共にいる目の前の仲間の背中に追い付くために、がんばる彼はまだまだ強くなります。
そしてついに彼は魔法を覚醒させました。
大きな進歩であり物語にとっても大きな前進になりました。
彼の恋愛事情は書いてる中、もう少し先になるのかな?と思ったりもしますね。
そしてここでチラッと話しておきます。
それは花使いのことです。
過去にも前に巫凪やカオルを襲っていますが今回の花使いはまた別の花使いです。
その存在をここで少しお復習します。
突然地球に、主に日本に突然咲き誇った硝子のような赤い花です。
この花は、魔法使いには影響はないです。
花の名前は魔心花と呼ばれています。
魔力を持たない人に反応を示します。
魅了し唆し惑わし誘惑する力があります。魅了、唆し、惑わされ誘惑を受け摘んだ人は、その人に四つの力、身体的にも精神的にも心にも良くない力を四つ与えます。
力を使えば無意識に心の融通が聞かなくなります。
初めは1つの力しか使えません。しかし繰り返し使っていくと2つ目の力、3つ目の力を使えるようになります。 そして4つ目の力を使えるようになり、その4つ目の力を使うと人の姿から離れた怪物の姿になり二度と人の姿に戻れなくなってしまいます。
魔法使い達は、この花の回収処分を徹底してはいますが物語の状況を考えると回収処分は7割り達成という感じでしょうか。
という感じでお復習は終了です!
まぁ何回も花使い出てこられても困りますしねぇ…。
では今回はここまでです!
次回から物語は7章に入ります!
ここまで読んでくれてありがとうございました




