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勿忘草の丘  作者: 中さん
第2章 異世界への一歩
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82話 生命を創造する力

現在、私達は庭の石に座って一矢達を待っている。現在の時刻は9時56分。彼らを待つ間、私はアレンとある事を語っていた。

私が持つ元々の魔力を取り戻すために、群青色の塊を溶かしていたのを覚えているだろうか。正八面体の、あの群青色のヤツである。

このような魔力の塊には様々な種類があり、その力で生命を作り出すもの、体の魔力を抜いて保存するものなどがある。ちなみに、どちらもベースとなる塊やその持ち主によって形状を変えるのだが、その後自分の意思で変えるということは出来ないらしい。

例えば、私が人形か何かを作って、生命の魔力の塊を与えたとする。

すると、人形につけられた塊は輝きを増し、まずは生命が誕生した事が確認できるらしい。生命の動力源や、その塊が身体の何処に行くのかは分からないが…… その後は身体に染み渡ったりして、普通の人間のようになるのだろうか。

生命を作り出す魔法は、強力な攻撃魔法よりも多い量の体力を使う。

アレン曰く、どこかの魔法使いも幼い頃に作った事があるらしい。ある特別な石を使ったのだが、そのベースとなる石自体が小さくて、だいぶ苦労したんだとか。

その後二週間、その魔法使いさんは疲労で寝込んだという。

で、それを何に使ったのかは、アレンも知らないらしい。



「百合亜さんも試した事があるっぽいけど、あの人は元々体力が無かったせいで、あんまり上手く出来なかったみたい」

「うん、座学の方が強そうだよね」

「雷華さんの身体能力と百合亜さんの頭脳を足して割った人間がいたら、絶対最強だよ」

「もしも雷華さんが男だったら、それこそ完璧なのに」

「う、うん…… それ、百合亜さんの前で言ったらどうなるのかな」



もしも、百合亜さんに性別を転換する魔法が使えるなら、一度雷華さんに試してみてほしいと思う。ちなみに、日之影家の三姉妹はお菓子作りと裁縫の他に調合が趣味であり、たまに世羅とロックさんと雷華さんが実験台にされる事もあるらしい。特に、特殊型で生命力が凄い世羅が。私は特殊型の三人の事を、記憶がある程度戻ったらしいアレンから、いくつか聞いていた。世羅はベニテングタケを食べた程度では、絶対に死なないという。なんと驚異の生命力、致死量3gのカエンタケでも無事なんだとか。食べても呻いた後に数秒で復活するから、実験台にされるのも仕方ないというわけだ。百合亜さんが実験前に、危険な毒があるかどうかを調べてくれるだけ、救いだと思うしかない。


まぁ、世羅がベニテングタケを食べた時点で疑問が残るが。


その薬は小さくなったり獣になったりした後、大体10分から3日程で戻るらしい。百合亜さんが半ば付き合わされてるだけのように見えるのは、私とアレンだけだろうか。なんだか、魔法って色んな種類があるんだなって、そんな風に思った。

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