34話 黒猫と白猫の夢
今日もまた、レム睡眠で夢を見た。
何かが出てきそうな黒い亀裂が入った夜空の下に、見覚えのある黒と白の猫が二匹、こちらをじーっと見ている。黒は赤い目、白は青い目。どちらもそれぞれの瞳の色と同じ、ひし形の宝石のペンダントをつけており、やはりそれが私の興味をそそる。まるで、私に向かってついて来いと言っているように、2匹は先へと歩いていく。浮き足立つような感覚にすっかり酔いしれ、特に深い事を考えていなかった私は、そのままつられるように走りだした。だが、たった数秒ですぐに追いついてしまう。
すると、突然猫が歩くのをやめ、亀裂の入った夜空を見上げた。足元は前に見た夢と同じ、あの穏やかな勿忘草の丘の上だったが、みるみるうちに空にあった亀裂が広がっていく。何もできないまま目を見開いていると、次々に夜空の破片が落ちてくる。このままではとても危険だ、気づけば地震も起きているし、もしかしたらこの世界の全てが崩れてしまうかもしれない。
足元の安全を確認する為に下を向くと、自分の身体が全体的に透けてきている事に気づく。やっぱり私も、ここで消滅してしまうんだ。
あの猫達はもういない。もう逃げたのか、それともすでに消えてしまったのか。
空間が真っ二つに割れ、隙間から黒が溢れたと同時に、ハッと目が覚めた。
目覚まし時計のアラームが部屋中に鳴り響く。私はそれをよそ見しながら止め、欠伸をする。現在6時27分、タイマーの設定を少しミスしたか。アレンはまだ、押入れの方で寝ている。仕方がない、今日から寝起きドッキリでも仕掛けるとしよう。即席の銅鑼で、バァァァンと起こして差し上げようか。
「起きろー、学校行きたいんでしょー?」
「ぐぇ~」
鞄の中にはきちんと用具が入っているし、もう制服にも着替えた。寝起きのアレンは既に小さくなって、目をこすりながら私を待っている。家の鍵も持ったし、朝飯もキチンと食べた。
準備は万端、いつ外に出ても大丈夫。たとえ一矢が走って来ようと、私は屈しない。
しかーし、ルシアのぼんじょるの攻撃には負けてしまうだろう。
あの攻撃予測不能だから、回避するのが難しいんだな。




