10話 午後のぼんじょるの
「ぅ………」
あれからアタフタして、約17分経つ。私は特にこれといってやる事もなかったので、未だにぐうぐう眠り続ける少年(小人)を見守っていた。
まだ起きないのかとも思うけど、可愛い寝顔をもう少し眺めていたい。寝顔を眺めていても飽きないって、こういう事なのか。
……ってもう起きてるじゃない。
「ん……」
「……お、おはよう。私、雪菜」
「あっ、おはようございます! 僕はアレンです」
おぉ、起き上がって喋った。人形じゃなかったのか。動きも滑らかだし、ロボットでもない。今のところはなんとか動揺を隠していられるが、いざとなって話しかけると声が震える。
それにしても、見た目だけは本当に一矢にそっくりだ。それでいて、ニコニコした笑顔がとっても可愛い。
違う所といえば先程言った通り、約15cmの身長と茶色い本を持ってること。しかもこの小人は、そっくりさんと比べると性格が随分大人しい。決定的に違うのはアレンっていう名前。一矢と関係する部分なんてほとんどない。
うん、少なくとも日本人ではないだろう。
「えっと…… 貴方はいつからここにいたの? 知っている事を話して」
「実は、いつからここにいたかは分からないんです。お嬢様にここにくるように言われたのは覚えているんですが…… 僕、何の為に来たのかなぁ。う~ん………」
「えっと、お嬢様って?」
「あぁ、それに関しては用件を思い出してから話しますね。ちょっと待っててください」
そう言うと、アレンという名の小人は箱に座ったまま考え込んでしまった。
にしても、お嬢様ってどんな人なのかな。お嬢様って呼ばれるくらいだから、偉い人だよね。私のイメージとしては、金髪ウェーブをハーフアップにして、ピンクのリボンをつけていそうだけど。それで、フリルがいっぱいついたワンピに、赤色のベルトシューズ。あるいは黒髪ロングのハーフアップに焦げ茶色のリボンをつけている、黒いレースのドレスを着た大人っぽいタイプ。
とにかく髪型はハーフアップが主流で、ちょっと我儘っぽい印象が強いのだ。
………どうであろうと、アレンには早く用件を思い出してもらいたい。




