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勿忘草の丘  作者: 中さん
第3章 僕は君が好き、君はあの子が好き。
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104話 半獣で特殊型の弟

私達が客間で林檎ジュースをすする中、世羅はアレンの手助けのもと身体の包帯を外す。

その間にクラーレさんは、奥の部屋へ薬を取りに行った。

その後の様子は知らないが、治療後に包帯を巻き直した世羅は薬を飲み、念の為といってクラーレさんに治癒魔法をかけられたらしい。

世羅の傷は一週間前からだいぶ良くなったが、それでもまだ痛々しかった。私はその光景を見なかったが、痛そうなわりにはそこまで唸っていなかったそうだ。現在は治癒魔法が効き終わるまで、ずっと安静にしていなければいけないらしい。

アレン曰く、霰粒橋の時の傷はすっかり消えてなくなっていたそうで、私はほっと胸を撫で下ろすのだった。


で、そんなことよりも、私がずっと思っていたのは……


ぼいんの美女に診察と看病をされるなんて…… クラーレさん、思ったより優しそうだし……

と、とにかくイイナーと思っただけなのだ。

ふと横を見てみると、紗羅はいつも通りの読心術を一矢達に試している。彼らもやっぱり、世羅のことを羨ましいと思っている様子。

一方の世羅は物凄く不満そうで、薬を塗られるたびに顔をしかめているのだが。



「おい紗羅、お前読心術使ってるだろ……」

「あ、バレた? やっぱり男の子なのね」

「ああああああ」



一矢はさっきよりももっと顔を赤くして、自分よりも背が高い勇助の後ろに隠れた。

「お年頃だな~」ってからかう雷華さんと、クラーレさんの"あの差"は歴然。そして、雷華さんは先程と同じようにくしゃみをした。

そんな話はどうでもいいとして、私はまた林檎ジュースをすする。キジトラ猫の寅くんを膝に乗せて、ゆらゆらと揺れる尻尾を目で追いかけた。

私は猫派だから、このひとときは幸せでしかない。

狼のルピナスも、勿論凄く可愛いけど……!


といってもこの寅くん、実は完全な猫姿というわけではない。よーく観察してみると、外見だけでも所々、猫らしからぬ特徴があるのだ。

例えば、耳の先に銀色の何かがついている。爪も明らかに薄い碧色系の宝石っぽいし、形も乱雑なカットが施されている感じで、光の反射で透明なそれがキラキラするのだ。

なんだろう、足元にも爪と似た色の宝石のようなものが生えていて、森の中にいると思いの外神秘的。


綺麗だと思って油断していると、時々刺さってちょっと痛い……


紗羅曰く、寅くんの本来の姿は人間に猫の耳と尻尾がついた半獣。

服装は世羅と若干似ていて、世羅の黒いタンクトップとは違い、薄い7部丈の灰色タートルネックを着用。黒い半袖パーカーのフードには、可愛らしい焦げ茶の猫耳がついているそうだ。

ちなみに、そのパーカーに尻尾はついていないとか。

髪型は世羅とほぼ同じだが、髪色は金で目は赤。幼い頃の世羅が本当に強い魔法を使ったら、多分こんな感じだろう。

普通に機能する耳は、人間と同じ位置に二つ、頭の上に猫耳が二つ。そして、飾りではあるがフードに二つ。合計で6つ、これが萌える半獣の特権というものか。

まぁ、まだ幼いので兄の力を借りないと猫になれないのだが。



「紗羅ちゃん、お兄ちゃんの治療が終わったわよ~」

「世羅はお兄ちゃんじゃないですー!」

「はいはい、勿論分かってるわ。私、桜の子供達の事はなんでも知ってるんだもの。双子ちゃんだとどっちが兄なのか姉なのか、認めたくないものなのかしら」



世羅と張り合おうとする紗羅をなだめたクラーレさんは、ある人物の名前を口に出した。

この間、雷華さん達が秘密基地の木の根元にカーネーションを供えていた時も、同じ様な名前を聞いた覚えがある。

少し前に紗羅から教えてもらった、桜さんの知識は確か………

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