名咲…今私はとっても幸せかもね…(後編)
百合要素注意です!
6
シアターに着くと、部屋の中はほぼ真っ暗で目の前の画面だけが部屋を明るく照らしていた。足元が全く見えない、名咲は大丈夫だろうか?名咲の方を見る、転けてもいないし怖がってもない、成長したもんだ…そういえば昨日でもう18歳か。
(もう私に甘えてはくれないのかな…少し寂しいな)
「主人そこですね、名咲はそこの隣ですね」この席は名咲が選んだのだが、中々良い席だスクリーンがよく見える。席に座って周りを見渡すと沢山人が座っている、タイトルに関わらず人気の映画のようだ。
しばらくCMを見ていると、部屋が明るくなり店員が出てきた。
「これより映画、これぞ純愛!以下略 を上映致します」
一礼して店員が出て行った瞬間に、部屋がまた暗くなり映画が始まった。
7
内容は、貧乏だった少女がとある館の主人に拾われメイドになり、主人と暮らしていく内にだんだん主人のことを好きになっていく、そんな話だった。そしていよいよ告白シーンがやってきた。
「主人!私はずっと主人にお世話になりっぱなしです…だから私は主人に一緒ついて行って恩返しがしたい!主人…好きです…」
「私こそずっと君にお世話になりっぱなしだ 私こそ君に恩返しがしたい…私も君が好きだ!」(あ…私の好きな感じの告白シーンだ)
そんなことを思っていると、座席の肘掛に置いてある手に違和感が走った。名咲が私の手を掴んだ…そんな気がする、右手に柔らかい感触と温かさが伝わる、握り返す、ベタベタする 柔らかい手に対して滑るのは、かなり不快な感じがする
触るたびに滑るので手の感触と雰囲気が、
台無しである(そういや名咲、ポップコーンのバター味食べてたな、しかもこれは私の手を触る前に綺麗になるように自分で舐めたな?)
ちらっと名咲の方を見る、目が赤く顔が恋する乙女だ (いや待てよ…今更だけど名咲は私のことが…)そんな思いを振り払い、私は名咲の顔を突いた
「ひゃん!」
映画のワンシーンに可愛い声が響いた。
8
告白の後のキスシーン、またもや右に違和感が走った…
(なんで今日こんな積極的なのこの子は、いや待って確かに今までに主人大好きです〜 とかは言われたことあるけどさ、あ…そういえば名咲って私以外と殆ど話したことないっけ…それが原因かもな…、けどなんで18歳になってから、今まで素ぶりすら見せなかったのにこんなに積極的なんだろ?
けど…8年間 一緒に暮らしてきて実際夫婦みたいなもんだし、名咲が私のことを愛してくれるならいいか…)と軽い気持ちの私は、視線を映画から名咲の方に向ける。
予想どうり真剣な気持ちの彼女はこちらを向いていた。
互いの顔が近づく、「主人…」
私が顔を離す「主人?」
「名咲…バターの匂いがやばい… 私ポップコーンのバターは無理なんだ…」
私が断り、映画館で映画の再現は中断となった。
ちなみに私はバターを至近距離で嗅ぐと…
9
「映画はこれで終了です、忘れ物にご注意下さい」アナウンスが聞こえる、
「んじゃ帰ろかって名咲?」
「主人…最後が可哀想で可哀想で…」
ラストは親に結婚を認められず2人が離され、主人公が彼女を奪還すると決意して終わりだった。確かに周りを見渡すと感動で泣いている人が、沢山いる。タイトルの割に人気の理由が今分かった。
10
「もう夕方か〜早いもんだね」
「もう秋頃ですからね」「じゃ帰ろっか」
と映画館での出来事を忘れ車に乗ろうとする私に、声が掛かった
「主人…行きたい所があります」「夜景?」「はい…」
(多分私の好きなシチュエーションで 告白?したいんだろな…とゆうか、この状況や映画の名咲がしたことも私が好きなドラマで見た通りだ。けど私は…)
そんなことを思いつつ展望台に向かった。
「綺麗だね…ここ」「ですね…」
しばらく沈黙が続く、先に口を開いたのは8年前と同じく彼女だった。
「主人…一つ私のわがままを聞いて頂けませんか?」「いいよ」
その場の空気に緊張が走る。
「主人 名咲は…主人のことが好きです…けど名咲は… 女です…主人も女です… けど私は10歳の時の、あの事件からずっと主人が好きなんです!」「…」
「主人…私はずっと主人の側に居たい…もう18歳ですが主人に甘えたいんです… よろしければ主人と結婚…したいんです…」
彼女は、本心から絞り出すように、言葉を語る…。
「そりゃ私も名咲のことが好きだよ、けど…それは自分の娘が好きとかそんな感覚だと思う…8年間ずっと一緒に居た同性を好きになることは余り事例がない…だからね気持ちは嬉しいけど、私は名咲を愛せる自信がない…」本心?からの言葉を語る。(女同士だもん…)
「主人…一生隣にいるのが名咲じゃダメですか?」
「…」私が答えないでいると名咲が目を瞑った。
「…主人 映画館で出来なかった事して下さい…」
(私には口にする思いと覚悟がない…)
私は名咲の頬にキスをした…
「主人…やっぱり口は駄目ですか…」
「その前に名咲一つ聞きたいことがあるの」「何ですか?」
「何で18歳になってから私にそんなにアピールするの?今まで素ぶりすら見せなかったのに」
名咲の言葉で、8年間一緒に暮らした私の気持ちが変わるそんな言葉を放った。
「それは…沢山理由があります。1つめは、18歳にならないと結婚出来ないからです… 2つめは、
18歳は大人だからです。
テレビの教育番組で学びました… 大人になれば昔みたいに大好きな主人に、甘えてはいけないことを…
けど!結婚すればずっと抱きしめて貰ったり… いいこいいこして貰ったり出来ます…
名咲が大人になれば主人が他の人と結婚してどっかにいっちゃうのではないかと心配で、 昨日の夜みたいにずっと泣くこともなくなります。
名咲は、大人になんかなりたくなかったんです!。
だから、理由は身勝手ですが、
名咲は主人と結婚したいのです …
結婚してこの先ずっと主人にお仕えしてほめてもらったり、甘えたり 愛しあったりしたいのです…いつまでも いつまでも…」
名咲は、自分なりの身勝手で真剣な理由を語った。(次は私の番か…)
「朝に目が赤かったのは…ずっと心配だったんだね 、私は8年前からお互いに心配事は無くなったとずっと勘違いしてた…」
(名咲も色々勘違いしている部分があるけど…)私は名咲の目を見る
(多分私も心の底は名咲と同じ気持ちかな…?)
「名咲…目瞑って」
「主人…?」私は「名咲いつもありがとう…これからもよろしくね」日頃の感謝と名咲への愛情を込めて、互いの口を合わせた…。
「けどね 私は名咲が大人になってくれて、少し寂しいけど嬉しくもあるよ… 」
口を離し心の底から本心と言える言葉を私は伝えた。
11
「ねえねえ私今幸せ?」8年前の私が聞いてくる。「うん!名咲がずっと私の隣に居てくれるって言ってくれたから、とっても幸せ!もう怖いくらい…」私が頷く
「お幸せにね、未来の私…」
「幸せになってね!過去の私」
そこで夢が覚め、目を開ける。今日も私の娘ではなく、旦那でもなく、立場がよく分からない私の恋人?は元気一杯だ。
「おはようございます〜主人!」
「おはよう名咲…」今日も一日が始まる。
百合じゃない百合を描いてみたくて、今回はこんな感じのお話になりました。
実は名咲は、主人(夢)の事を愛してはいないんです!。
彼女が言ってる通り主人に甘えたいだけなんです、けど名咲は殆んど世間の事を知りません。そこで彼女が考えたのは、結婚すればいい!そんな考えです。
名咲は、恋愛ドラマと教育テレビでしか殆んど
世間を学んでいません。
恐らく彼女は恋愛ドラマを見て、大人が大人に甘えていると勘違いしたのだと思います。
その結果、結婚すればずっと甘えてられると、自分なりに考えたんですね…。それが彼女が、主人に告白した理由だと、私は思います…。
最後になりましたが、日本語下手ですいませんm(__)m