プロローグ
鉢陶工です
それは人ではなかった。
それは望まれて生まれたものではなかった。
それは小さな光なんて届かない路地裏で生まれた。英雄なんて存在しない、守るべき価値さえあるのかすらわからない人と呼ばれるものがいる路地裏で。
世界の失敗によって生まれたそれは決して誰も恨まなかった。
それはだれにも、どんなものにも平等に接した。
悪人、善人、老人、子供、男、女、犬、猫、ごみ、財宝、生者、死体、etc
そのすべてからそれは悪意を学んだ。正しいものだと思い、悪意を学んだ。
それには夢もなく、希望もなく、救いもなく、正義もなく、ただただ悪意しかない。
だってそのように生まれてきたのだから。
確かにそれが生まれたことで救われる命もあるだろう。しかし、それによって救われる命より、失うもののほうが世界にとって多すぎる。海すべてが失う命だとしたら、救われるのはその中のたった一匹の小魚に過ぎない。
だがそれにとっては関係ない。自分の行う習慣として悪意を学ぶだけだ。
そして今日もそれは学ぶ。正しい悪を知るために。
最後に正しき悪となり、人々を、いやあらゆる生物を駆逐するために。
少年は夢を見ていた。自分にとっては遠い、遠い昔の夢を。
そこには一人の女性がいた。彼にとっては自分を育ててくれた姉のような存在だった。
彼女は革命軍と呼ばれるようなところのリーダーだった。
一部の人だけが悠々と生き、虐げられる人々のため立ち上がった美しい女性だった。
彼女とその仲間たちによって彼は育った。
彼女たちは算術、歴史、文字、文化、料理、あらゆることを教えてくれた。
そこは肥溜めと呼ばれるような場所だったけれど、彼女とその仲間たちがいるだけでとても美しく見えた。
その女性が処刑場に連れていかれる夢を見ていた。
体中、あざだらけで足もうまく動いていない、それでも彼女は眼から光を失っていなかった。
行かないでと、彼は言う。だけどその言葉は届かぬように彼女は何も言わなかった。
そうして彼女はその身が焼き尽くされる前に大きな声で叫んだ。
「私が死んでも、灯火はきえない」と
たった一言、その一言を言うのにどれだけの力を使ったのか。彼には想像さえできなかった。
声はかすれ、聞く人にとっては雑音さえ思えるような声だった。
だけどそれは彼にとっては力強く、前を見ることができる声だった。
そして燃やされるときに彼女は彼をじっと見ていた。
私がいなくても大丈夫。そのようなまなざしで。
その後彼は革命軍のリーダーとなり、成功した。人々のために力を尽くした正しい人と呼ばれるようになった。
だが彼はその言葉は欲しくなかった。彼はその言葉を彼女に捧げたかった。
彼は・・・・
そこで目が覚めた。そこはまるで肥溜めと呼ばれるような路地裏だった。
彼はそこで盗みを働き、生活をしていた。
自分を導いてくれる人がいなく、自分がやったことが正しいのかすらわからなく、
ただあこがれだけを抱いて彼は生きている。英雄なんて存在しない、光の届かない路地裏で。
彼らは森の中d「だから、そんなところにいるわけないでしょう。」
彼らはm「いいや、ここに悪は存在する、俺みたいな英雄に倒されるべきのあくが!」
彼r「そういってもう一週間もここにいるでしょう。年上の言うことぐらい聞きなさい」
k「いやですーー、うるさい小言なんて聞きたくありませんーそんなに移動したかったらしとりでいどうしてくださいーー。」
・・・「あなたが動かないと私まで動けないでしょうが!!!」
森の中で男と剣のバカどもは喧嘩する。ある二人と会うまでは。