表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/26

斉彬と斉昭

 ナリ&なり……あー、まぎらわしい!


 ってことで、ここでは島津斉彬ナリさん水戸斉昭エロさんでいきます。



 本日も将軍継嗣問題です。


 アヤシイ小説を書くため、幕末についてイヤイヤ調べていたら、意外なことがわかりました。


 いままで、『一橋派』のみなさんは仲良く一枚岩なのかと思っていたのですが、前回の春嶽公の件もあり、じつはそうでもなかったようです。


 で、今回、一橋派不動のセンター・ナリさんとエロさんのエピソードをひとつ。

 ネタ元は、茶色い粉の出る例のあの本(『阿部正弘事績』)。



 嘉永六年九月 将軍になったばかりの家定公(正式な将軍宣下は十月ですが、パパ家慶は六月にアボン)に縁談が持ちあがりました。


 そう、あの島津篤姫さんとの政略結婚話です。


 安政三年、本格的に話がすすんだころ、エロさんはこの縁談に大ブーイングでした。


 それを物語るエロさん ⇒ 春嶽の手紙が残されております。


「家定って、三十すぎてもちょっとオカシイから、近臣もなるべくいろんなことを報告しないようにしてるだろ?

 そんなこんなで、本人無視して、三人目の奥さんを迎えようとしてるんだって?

 しかも、相手は家康公の敵だった薩摩の家臣の娘?

 なにソレ?

 そんな女に、将軍実母や大奥の女たちに頭を下げさせるなんて国家的屈辱だろ!

 徳川の天下もこんなヘタレ具合じゃ、もし朝廷がよその家に征夷大将軍を任命しても、徳川おれら、文句はいえねーわ。ホント情けない!」(意訳)


 春嶽さんは、この罵詈雑言メールをスルーしたのですが、どういうわけだか、コレがナリさんの耳に入ったもよう。


(いや、どう考えても、春嶽がチクったとしか……)


 当然、むかつくナリさん。

 でも、オトナなので、表面上はエロさんを立てていたようです。


 とはいえ、

「あんなおバカなエロジジイとは大事な話はできないね。相手になんかしないもんね」

と、思っているのがにじみ出ていたと、茶色い本にしっかり書かれています。


(すいません。おバカなエロジジイとは言ってません。意訳しすぎました)


 ナリさんが一橋慶喜を担いだのは、エロさんを尊敬してたからでも、お友だちだったからでもなさそう。

 春嶽も、一度も会ったことのない少年を「賢いらしい」といううわさだけで熱烈にプッシュしてたし(やっぱ単純)。


 一橋派のオッサンたちにとって、ヨシノブくんのキャラはあまり関係なかったの?


 つまり、オットセイ孫の紀州侯・慶福が将軍になったら、いままでどおり譜代や溜詰ががっつりまわりを固める形がつづき、自分たち外様が幕政に参画できるチャンスはない。

 なら、前例のない水戸出身の慶喜を将軍にして慣行をぶっ壊し、ついでにいろいろぶっ壊せ!

 ――てな感じだったのかも。


 オバマさんより百五十年早く「YES、WE CAN! CHANGE!」してたわけね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ