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西郷隆盛の名言といわれる『敬天愛人』 じつはパクリ

読者の方のご指摘を受け、一部修正いたしました。



この中の林真理子氏の発言は朝日新聞デジタルニュースの記事を引用しました。


また、中村正直が西郷の『敬天愛人』元ネタ説は、国立公文書館の展示説明および図録を参照しました。



『敬天愛人』――西郷隆盛が考えた言葉だと思っている人が多いと思いますが、なんと、コレ、パクリだったんです!



では、それは誰からかといいますと、中村正直というお方がラレさんらしく、この敬天愛人論を人づてに聞いた西郷がこの四文字を揮毫しまくったためにそう誤解されているんだとか。



(『敬天愛人』という語・思想は水戸学から生まれたという説と、1671年、清の康煕帝が『敬天愛人』という扁額を書いてキリスト教会に与えたことが起源で、中村は英国滞在中にこれを知ったという二説があります)



で、その中村さんは、天保三年(1832)生まれ。

文政十年(1828)生まれの西郷からみると四歳下になります。


幕府同心の家に生まれ、昌平黌で佐藤一斎に儒学を、桂川甫周に蘭学、箕作奎吾に英語を学び、後年、幕府の儒官となり、幕府イギリス留学生監督として渡英し、帰国後は静岡に移りました。


師の名前を見れば一目瞭然ですが、当時としては最高の教育を受けた中村っちは、安政二年に昌平黌教授になったのを皮切りに、甲府徽典館学頭、御儒者(将軍さまに儒学を教える人)、幕府瓦解後は静岡学問所教授、その後は東京大学教授になりました。


つまり、常に最高学府で教鞭を()りつづけた方なのです。


その一方、オランダ語・英語も習得した中村っちは静岡学問所教授時代、サミュエル・マイルズの著書を翻訳し(『西国立志編』)、百万部以上という大ベストセラーをブチかましたりしました。


この翻訳本の中に例の『敬天愛人』が出てくるようで、またこれより以前に書かれた自著にもこのフレーズが見られるそうです。


西郷はこの『敬天愛人』説を、静岡学問所生だった薩摩藩士・最上五郎から聞いて、ものすごく気に入ったらしく、その後あっちこっちで『敬天愛人』を揮毫したそうな。


早い話、又聞きでパクったってことですな~。



ちなみに、『敬天愛人』とは、天をおそれ敬い、人を慈しみ愛すること、西郷隆盛(号:南洲)が学問の目的を述べた語として有名――とgoo辞書にも書いてあります。



西郷が遺した名言と思われているこの言葉、今年の某大河ドラマの原作者M・Hさんも地元鹿児島市で開かれたトークショーで、


「『敬天愛人』という言葉が【生まれた背景】は、「沖永良部で愛加那との間に生まれた子を思い出して、『死にたくない』と強く思ったからではないか」という【持論】を展開したそうで(笑)。




あー、さてさて、では、なんでこの事実が判明したかといいますと、今、国立公文書館で開かれている『江戸幕府 最後の闘い』展で中村氏のことが紹介されていたからです。



この特別展は『幕末の「文武」改革』というサブタイトルのついたもので、幕府が押し寄せる西洋近代化の波に対峙するため、どのように(あらが)ったのか?

また、明治期、近代国家建設に幕府の育てた人財がどう関わったのか?

――をひもとく、大変すばらしい企画でございます ♡




それにしても、有名人て得よね~。

(中村っちだって有名だけどね! ……さすがに西郷にはかなわないけどさ)


パクリがいつしか【生みだした】ことにされて、どこかの作家さまが公共の場であのような()()ずかしい発言をなさるほど浸透しちゃうんだもん。



いや~、ホント、物を書くって、やっぱコワイわ~。


底辺作家未満の私も、書いた後で「そ、そうだったのかーっ!?」となって、こっそり修正することも多いし……(ブルブル)……で、でも、アマチュアだからそこは大目に見ていただいて……(ガクガク)……。



(……てか、逃避してないで、さっさと次話更新しろ……)


(うっかり「鹿児島死」って書いてました……潜在意識ってコワイ)


久しぶりにアップしたら、なんかいろいろボロボロです~(恥)

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