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会津松平家御家訓

佐幕派応援キャンペーン第二弾にございまする~!

 本日のお題【会津松平家御家訓ごかきん



 これは、会津藩祖・保科正之公が、自分の子孫である藩主や家臣たちに残した十五項目の訓戒で、いわば会津藩の憲法みたいなものです。


 その第一条が、大河ドラマ『八重の桜』で有名になった、


「大君の義、一心大切に忠勤を存ずべし。

 列国の例をもって自らるべからず。

 もし二心を抱かば、すなわち我が子孫にあらず。

 面々決して従うべからず」


(とにかく将軍が第一! よその藩がバックレても、会津うちだけはまじめにやれ! 将軍に逆らう藩主がいたら、そいつは俺の子孫じゃねー! シカトしろ!!)なアレです。

 


 江戸後期、正之マッさんの血統が絶え、御連枝の美濃高須松平家から二代続けて養子を取ることとなった会津松平家。

 なにはさておき、まずはこの藩是を未来の藩主にたたきこむことからスタートしたにちがいありません。


 他家から入ったふたりの藩主は、この御家訓の教えを忠実にまもり、その結果、皮肉なことに藩を悲惨な運命に巻きこむことになってしまうのですが……(ぐっすん)……。

 あ、すいません、つい……。



 えー、ほかにはどんなものがあるかというと、


 第二条:武備は怠るべからず。選士は本となすべし。上下の分は乱すべからず。

(サムライなんだから、サボんな……以下略……)


 第三条:兄を敬い、弟を愛すべし

(あ、いや、そーゆー意味じゃなくて……)


 第七条:まいないを行い、こびをもとめるべからず

(ワイロわたしたり、ゴマするとかはダメっ!)


 いかにも会津っ! マジメっ! 固いっ!


 ところが、ここにちょっと妙な一文があるんです。


 第四条:婦女子の言、一切聞くべからず

(女の言葉に耳を貸すな!)


 フェミニストのみなさんが発狂しそうですねぇ。


 でも、これの裏には、じつはあるかなしい事件がからんでるんですよ。




 ときは万治元年(1658年)、マッさん数え年四十八歳のころ。


 大政参与のマッさんは、前年(明暦三年)におきた大火災の復興事業やらなんやらかんやらで、超多忙な日々をすごしておりました。


 そんなある日

 会津保科家に、おめでたい話がもちあがりました。

 国内最大大名・加賀前田家の綱紀くんと、マッさんの娘・松ちゃんとの縁談です。


 そして、婚礼前日

 お祝い&お別れのホームパーティが、マッさんのお家で開かれました。


 ここには、四年前、米沢藩主・上杉綱勝に嫁いだ異母姉・はるちゃんの姿も。

 翌日の結婚式も無事に終わり、やれやれなマッさん。


 ところが!

 次の日、とんでもない悲報がーっ!!!

 

 なんと、媛ちゃんが十八歳の若さでポックリ!


 マッさんは呆然としながらも、なにやらピンとくるものがあったようで、媛姫の死因を徹底調査させたのです。


 すると…………ビ、ビンゴーッ!!!

 

 死因は毒殺だったのですっ!


 しかも犯人は、媛姫の生母・お万の方!


 えええー!?

 なんでー!?

 自分の子を!

 やだ、コワイィ~~~!!!


 ――――はい、みなさま、うすうすお察しのとおり。


 お万さまは、前田家に嫁ぐ松姫を殺すつもりだったんです!

(鬼畜やー!)


 松姫に出される御膳に毒をしこんだ『チームお万』でしたが、お姉さまたる媛姫より先に松姫の御膳が運ばれそうになったのを見た松ちゃん付きの老女が、


「こら、あかんやろ! うちの姫さんは妹やさかい、媛姫さんの後にせな!」

(なんでアヤシゲナな関西弁なのかは突っこまないでくだせぇ)


 つー感じで、本当なら松ちゃんに出されるはずの料理が、媛ちゃんに供されたのです!

(老女さん、なにげにグッジョブっ!)


 ブチ切れたマッさんがお万の方を問いただすと、

「アタクシより身分が低い女が生んだあのクソガキが、うちのかわいい姫よりいい御家に嫁ぐなんて許せなかったのよー! キーーーッ!」

 ――が、犯行動機だったそうで……。


(ちなみに、当時、前田は百二万石、上杉は三十万石でした)



 相当クラクラしたでしょうねぇ、マッさん……(涙)。


 マッさんは、本件にかかわった十八名を処刑しましたが、主犯ホンボシのお万の方は、嫡男・正経の生母だったので命を奪うわけにはいきませんでした。

(……おい! いいのか!?)


 かくして、「いや~、女、マジ怖ぇ~!」と悟ったマッさんは、御家訓第四条に、

『婦女子の言、一切聞くべからず』の一文を入れることにしたのでした。




《後日談》

 自家のゴタゴタが原因で、わが娘ながら上杉家正室だった媛姫を死なせてしまったマッさんは、この一件にひどく責任を感じちゃいました。


 こののち、娘婿の上杉綱勝が後継者もなく急死し、米沢藩が無嗣断絶・改易のピンチにおちいったとき、マッさんは自分の政治権力のすべてをかけて上杉家存続に奔走しました。


 そして、そのときムリムリ養子に押しこんだのが、例の吉良上野介義央の息子・綱憲だったのです。

(綱憲ちゃんのママ、つまり吉良さんの奥さんは、綱勝くんの妹)



 おお、そーいえば、もうすぐ討ち入りの日ではありませんか!


 ……え、選挙? なんすか、それ?

(これこれ、棄権はなりませぬぞ~)

ノリで書いてはみたものの、どこが佐幕派なのか?

どのへんが応援になってるのか?

早くも趣旨を見失っているような気も……ま、いっか!

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