八話のようだ。
「キャベツはたしか家にあったっけな…
えび、いか、ほたて…
よし、これでいいかな?」
ん?
何をしているかって?
買い物。
今日はシーフードお好み焼きである。
ちょっと贅沢か?
いや、安物で安売りしているから大丈夫だろう。
いや、何が大丈夫なのかって?
家計。
まあ、家計だ。
親が金だけ置いてどっか行ったからな。
どっかというか旅行なんだが……
家計って思ったよりも大変だな。
二度と帰ってくるなと親には言ったが、帰ってきてもらわないと困るぜ…
思ったより一人暮らしとか大変そうだと思っている。
だって料理・洗濯・掃除・買い物・そして家計。
全部自分でやらないとダメだし。
いや、今は一軒家だからかもしれないな。
狭い一人暮らしの部屋なら大丈夫かもしれない。
それでも面倒くさいだろう。
バイトとかしないとダメだし…
キャベツ半分四十円。
高いのか?安いのか?
分からん…
キャベツ一玉分で六十円に!!
買うか…
お好み焼きにキャベツは使わないといけないし。
「よし。買うか」
「エロ本を?」
「ちゃうわ!!!
キャベツをじゃ阿呆!!!!
ってお前……」
「よっ。
相変わらずつっこみ冴えてるな、コウ」
「聖……」
俺に変な事を言ってきた変態イケメン野郎は中二病患者、
光宮 聖であった。
「コウはこんなところで何してるんだ?」
「見てわからねえか?」
「買い物だろ?」
「キャベツを選んでるのさ…」
「そっち!?」
本当にこいつは何をしに来たのだろうか…
「死ねばいいのに…」
「いきなりなんなんだよ!?」
「あ、つい本音が…」
「本音だった…」
「と、いうかお前こそ何しに来たんだよ。強盗か?」
「何でだよ!?というか俺になんか恨みでもあるのか!?」
最近悪魔に会ってイライラしている。
こいつをいじめることによって……俺のストレスは解消される!!
………………はず。
「ああ、なるほど…万引きか。
お前は万引きの常習犯だもんな…」
「違う!!
そんなことするわけ無いだろう!!」
「え……」
「なんだその不思議そうな顔はーーーーーーー!!!!!!」
「うるさいぞ。ここはスーパー内だ。叫ぶならいつものように全裸で走りながら叫べ」
「……………」
「うわ、きも…」
こいつ、涙目になりやがった。
男が涙目きもい。
まあこのぐらいにしておくか…
「…………………」
「そんなことよりなんでここにいるんだ?」
「ああ、親にパシ…頼まれて…」
「お前家ではパシリだったのか…」
「ええい!コウだって同じだろう!!」
「俺は親が旅行行ってるからであって、聖とはちがってパシリではない」
「ちくしょう!!なんて世界だ!!!」
「うぜえ……
じゃあ、俺もう行くから。
それじゃあバイバイまた今度とか~」
「ああ、またな……」
アレが哀れな背中というやつか…
今度なんかおごってやるか。
「さて、どうしようか…」
本当に面倒なことになった。
光宮 聖。
同い年。
誕生日は知らん。
身長は百八十と高め。
そしてイケメンだが、変態。
通称残念なイケメン。
そして……魔力を大量保持していた。
つまり、敵である可能性がある……