六話のようだ。
「あっけなかったですね」
「それを言っちゃいけない」
とても弱いと設定したんだそのくらいだろ。
ちゃんと魔術が発動するか試したんだ。
「次、いけるか?」
「はい。どうぞ言ってください」
「さっきと同じ奴をランダム少なめで…
場所を水場に変えてくれ。
出来るか?」
「………………はい。出来ます。それでは……出来ます」
次は周りをスライムで囲まれていた。
とは言っても後ろは川で前に居るんだがな…
数は六か。
「補助は無しでかまわない」
「え…?大丈夫なんですか?」
「多分………」
なんとなく分かった気がする。
気がするだけだったらめちゃくちゃ恥ずかしいな。
「……………分かりました」
一枚紙を取り出してイメージする。
数は六。形状は刃。三日月状の刃だ。
大きさは指先から肘ぐらい。
ヒュン
「出来た………」
「おお、すごいです。
もう、コツを掴んだなんて…もしかして天才?」
「そんなことは無いと思うが…」
そう言いながら敵に一つづつ水の刃を飛ばす。
サッ
サッ
サッ
サッ
サッ
スカッ
効果音にしたらそんな感じだろうか?
まあ、つまり…一発ミスった。
「やべ…」
すぐに生き残った一匹のスライムがポヨンとはねながら近づくが…
ヒュン
すぐに紙を取り出して…
「くらえ!!」
川の水を操って核に尖らせて突き刺す。
ジュワ~
みたいな感じで蒸発する。
「危なかった…」
「危なかったですか…?
すごく、冷静そうに見えたのですが」
「イッツ ア ポ~カ~フェイス」
いまだに心臓バクバクである。
いきなりレベル上げるんじゃなかったね。
次は二体にするべきだったね。
俺は最強系主人公じゃないんだしね。
それじゃあ少しずつなれていくとしますか…
どうやら結構強かったようだ。
うん?何がって?
もちろん俺。
自意識過剰とかかもしれないけどね。
うん。『衝撃』という属性があまりにもすごすぎた。
どれくらいかと言うと…
最高じゃなくても半径百メートルくらい吹っ飛ばせる。
場所を森にしてみて、動きのすばやい魔物にしてみたんだけど…
三割ぐらいの力のつもりだったんだけど吹っ飛んだ。
木とかも全部吹っ飛んだ。
そのときの俺の気持ち?
『・・・』かな?
二・三分ボーっとしてしまった。
液体のほうも、もっと試してみるつもりであるが…
明日にしよう。
魔力的には全然大丈夫なんだが、精神的に疲れた。
「それじゃあ、帰るか…」
「え?もう、帰っちゃうんですか?
もっともっと狩りましょうよ。
まだまだいけるでしょう?
まだレベルも三つしか上がってませんよ?」
「三つ上がってんじゃねえか。
まあ、そこまで言うんなら、夜からな?」
「……………まあ、いいでしょう。絶対ですよ?」
一体何をそんなに焦っているんだろうか?