五話のようだ。
「すみません。今日からレベルアップルールが適用されるんでした…
レベルアップは……ゲームと同じで敵を倒してレベルアップします」
「おい。敵ってなんだよ?」
人殺しとか嫌だぞ。
人殺しで上がるのは罪状と罪悪感ぐらいだろ。
「敵は次元の狭間を利用します」
「次元の狭間?」
中二乙。
「はい。そこに魔物が居ます。
こちらから攻撃を仕掛けることが出来ます。
しかしそうすると敵を倒すか自分が死ぬかしないと出れません。
ちなみに死ぬと自動で生き返ります」
「生き返るの!?!?」
「はい。正確には次元の狭間に入るときに魂だけ入り、死んだら再構成されて体に戻ります。
ちなみに一度死んだら、その日はもう次元の狭間に入ることが出来ません。
次元の狭間に居るときはこちらでの時間は止まっているので時間を気にする必要はありません」
なんて便利なんだろう。
「ちなみに戦争本番でもこの次元の狭間で戦います。
相手を殺しても生き返るので心配はありません。
まあ、トラウマにはなるかもしれませんが……」
まあ、なるだろうな…
もし自分を殺した奴に会ったらその場で土下座して敬語で喋るだろうな…
「その次元の狭間はどこにあるんだ?」
「家のどこか…貴方の場合は自分の部屋ですね。
早速行きますか?」
「待て。俺はまだコーヒー作り出しただけだぞ?」
「そういえばそうでした…
で、でも大丈夫です!!
水を作り出して槍や刃の形にして飛ばせばいいんです!!」
「まあ、練習もかねて行ってみるか」
「怖い……」
なんか黒い裂け目が出来てる…
床に。
「ささ、入りましょう」
「嫌だ」
「ええ~」
無理だろ普通。
出れる気しねえぞ。
なんだよこれ。
などと思いつつも足で触れてみたら…
「え?」
風景が変わった。
なんかちゃんと靴も履いてる。
「あ、言い忘れてました。触れると移動します」
今俺は黒い空間に居る。
周りの風景『黒』
「黒っっっっ!!!」
「まだ設定してませんから」
「設定?」
「はい。
戦うための場所を設定できます。
それと戦う魔物も大雑把ですが出来ます」
「たとえば?」
「森で弱い獣形の魔物。
草原で人型の自分と同じくらい強い魔物。
岩場で大量の強さは関係なしの不定形の魔物。
見たいな感じですね。
数は一匹、二匹、三匹、そしてランダムが設定できます。
ランダムでは四~三十まででランダムでできます。
その中でも多め少なめの二つで設定できます。
あ、設定は私が出来るようになっているので私に言ってください」
「それよりも、俺はまだ魔力を使えないんだが…」
「あ、ちゃんと補助しますので…」
「そうか…」
ちなみに補助というのは勝手に魔力を引き出してくれるということである。
「それじゃあ…
動きが遅くて俺より小さいすごく弱い魔物。
場所は…………平地で、
って、出来るか?」
「はい。大丈夫です。
それでは早速…………………出来ます」
風景が変わった。
何も無い場所だ。
そこに一体、ゲル状の何かが居た。
緑色で赤い玉が一個中にある。
まるで………
「スライムですね」
「マジで!?」
定番過ぎるだろ!?
でも実際見ると……
気持ち悪いな。
想像以上の気持ち悪さだ
「それでは早速やってみますか。
スライムは核を壊せば死にますので…やってみてください」
「……よし」
そういってポケットから紙を出す。
想像するのは、水の針。
鋭く尖って、自分の腕ぐらいの大きさ。
ヒュン
「おお…!」
一気に三つ出て来た。
「よし…」
シュン!
スライムの核に突き刺さった。
ジュワ~~
「うげ…」
蒸発しやがった。
怖いななんか…
思ったよりあっけなく終わった初戦闘であった。