二話のようだ。
「ごほん。
もう一回言いますよ?
ちゃんと聞いていてくださいね?
魔力では魔術。霊力では霊術。天力では天術が使えます。
魔術は細かいことが得意な術で、一番節約できて日常生活ではとても役に立ちます。
霊術は補助が得意な術で、強化や罠なんかが使いやすいです。
天術は攻撃が得意な術で、大火力ですが、天使でも十発程使えば天力が無くなるぐらいです。
一番使いにくく、天術には攻撃系の術しかありませんので、相手にとると結構楽です」
「突っ込み待ち?」
「何がですか?」
突っ込み待ちだろ?
なんだよそれ…
なんで補助、攻撃なのに細かいことって…
まじ格好悪い。
「ちゃんと攻撃も補助も使えるよな?」
「はい。得意なだけでちゃんと使えますよ?」
良かった…
洗濯とか火起こし的なのしか使えないとか言われたら、引きこもるところだったぜ。
「それに、魔力は一番扱いやすいですし、あなたの魔力はすごいありますから」
「ちなみにどのくらい?」
「悪魔の私は三百六十四万六千。
あなたは、九千二百です」
「低い!!!」
どんだけ差があるんだよ!!
三百万オーバーと一万以下…
どこが多いんだ!!!
「ちなみに人間は普通百前後です」
「予想以上に多かった!!??」
そりゃそうだな…
人と悪魔比べちゃだめだよな。
それにしても多すぎる!!
「とりあえず…
魔術の練習しますか?」
「待て、俺はまだOKしていない」
皆さん忘れているかもしれないが、俺はまだ参加するとは言っていない。
「あの…
非常に言いにくいのですが…」
「あん?」
「魔力が多いだけで参加者に狙われる可能性があります」
「…え?」
「そもそも相手の悪魔、精霊、天使は参加者にだけ見えます。
だから、隠していると思って攻撃してくる可能性があります」
………………
うっそ~ん…
冗談だよね?
「ちなみにちゃんと契約しなければ魔術を使うことができません」
「契約しよう」
即答である。
最後まで適当に戦いを避けて生き残って、最後の相手を後ろからぐさりとすればいいんだ。
問題解決。
「本当ですか!?
それなら早速……
我、この者と契約をする。
両者の同意により、この者の能力を開放したまえ…」
詠唱しだした!!
俺もこんな中二病じみたことを言わないといけないのか・・・?
いけるか・・・?
俺はもう、中三だぞ?
完全に痛い子じゃねえか・・・
「よし、これで大丈夫ですよ?
とりあえず「待ってくれ」…なんでしょう?」
「とりあえず着替えていいか?」
「……はい」
俺は寝起きでパジャマ姿である。
顔洗いに行きたいし、朝飯も食べたい。
時計はすでに十時四十分を過ぎている。