一話のようだ。
「ハッ…!」
昨日のことは夢だったのだろうか?
朝は普通だ。
普通に…
「黒い…」
窓とベッド以外に黒い何かがなびいている。
なんか怖い。
昨日みたいに真っ暗じゃないから怖さは半減だ。
これがだんだん狭まってきていなければ、の話だが…
うわ~
もう俺の周りまで来ているよ
怖い。
もう、いいや
せっかくの冬休みだし…
寝よう。
もういいや、どうでも…
そうして俺は布団を被って寝た。
「あ、あの…
起きていただきませんか…?」
「眠い。寝させろ」
「あの……本当…起きてください…ぐす…」
「泣くな!
起きたから泣くな!
……………………………………………………………」
え?
なにこのいきものこわい。
え?
本当何これ?
美少女っぽい声がしたから起きたけど…
今思ったら両親は二日前に旅行に行っていて帰ってくるのは一月十日のはずだから……
誰も居ないはずなんだな~これが…
「あの~、少々話を聞いていただけませんか?
聞くだけでも良いので、お願いします…」
その生き物は黒い。
そしてう○い棒のような形の細丸いものから足だと思われるものが
三本、三本、計六本ある。
それが俺の布団の上に居る。
「ハハハハハハハ、話を聞くだけならイイデスヨ?」
怖いから断れない。
声はめっちゃアニメ声なのにすんごい怖いでゲス。
死神……いや悪魔か?
そういえば最近黒猫が横切ったり、カラスとほんの一メートルぐらいのところで目が合ったり…
おれ、しぬのかな?
嫌だな…
何でだろう?
俺何かしたっけ?
「えっと…
まず、あなたは神が起こした戦争の適材者に選ばれました」
「戦争…?」
「はい。戦争です。
悪魔が四体。天使が四体。精霊が四体。計十二体で殺しあいます。
それぞれ一月一日から五日までにそれぞれの適正者を探します。
適正者は適正基準値というものであらわされます。
ちなみに基準値は三十で、それ以上でないといけません。
あなたは私の適正値が三百三十三です」
「……………とりあえず、拒否権を使わせてもらう」
殺し合いとか無理~。
と、いうか適正値?がすごいな俺。
三が三つ並んだ。
まあ、どうでもいいけど…
「別の人にしろ」
「無理です」
即答された。
「なぜ?」
「今日は?」
一月六日。
「期限は一月五日までです」
「な~る」
もう、探しても意味無いのね。
「やめればいいんじゃね?」
いい提案だろう?
俺は巻き込まれないし、お前は帰れる。
ナイスアイデア。
「無理です」
ああ、そう…
「嫌です」
「それでですね…」
「無視か。無視なのか?」
泣くぞ?
泣いてやるぞ?
「あ、ちなみに私は悪魔ですよ?」
「分かるわ!!!!」
精霊ならまだしも、天使とかだったら包丁で突き刺しているわ!!!!
「とりあえず開始は十日からです。
それまでに能力の使い方を覚えてもらいます」
「能力?魔力か何かか?」
「そうです。
悪魔は魔力。精霊は霊力。天使は天力ですが……
ぶっちゃけそんなに変わりません」
ぶっちゃけやがった…
「とりあえずですが、魔力では魔術。霊力では霊術。天力では天術が使えます。
魔術は細かいことが得意な術で、一番節約できて日常生活ではとても役に立ちます。
霊術は補助が得意な術で、強化や罠なんかが使いやすいです。
天術は攻撃が得意な術で、大火力ですが、天使でも十発程使えば天力が無くなるぐらいです。
一番使いにくく、天術には攻撃系の術しかありませんので、相手にとると結構楽です」
「……………」
「どうしました?」
「ごめん。聞いてなかった」
「…」
「いや、本当にごめん」
いろいろありすぎて頭の中整理中なんだよな……