十二話のようだ。
《ピンポーン》
「はいはい。今行きますよ~」
扉を開けると…
「クハハハハハハ!!!!」
閉めた。
俺は幻覚を見たようだ。
笑い声を上げているハゲ爺なんて見ていない。
そんなものいなかった。
いなかったはずさ…
もう一回開けると…
「クハハハハハハ!!!!」
閉めた。
こういう時は警察に電話するべきか?
いや、救急車?
狂った爺さんがいますって?
いや、ここは大人の対応を…
もう一度開けてみると…
「ハハハハハハハハゴホッ!!ゴホッ!!…
はあ、はあ、はあ……もうそろそろ入れてほしいんだが…」
「病院にでも行ったらどうですか?」
あ、やべ。
つい、毒舌に…
そういえば、どこかで聞いたことがあるような…無いような…
「コウ、どうしましたか?
変な笑い声が聞こえてきましたが…
……神様?」
「オイ今何て言った?」
神様とか聞こえたが…
気のせい…だよな?
「クハハ!!この我は神であるぞ!!」
「黙れ。消えうせろ。近所迷惑だ」
「ちょっ!神に向かってこの仕打ちは無いのではないか?」
「フ…」
「鼻で笑われただと!?」
正直、面倒くさい
帰ってくれないだろうか?
いや、それよりも…
「神?」
「その通りだ」
「ヘアー?」
「違う!」
だろうな、髪無いし。
「…ペーパー?」
「違う!!ゴッドだ!!!!」
「よし、歯ぁ食いしばれぇ…」
そう言って拳を硬く握り振りかぶる。
「何故じゃ!?」
そんなの…決まっているだろう?
「お前が俺の平穏をぶっ壊してくれたからだ」
「いやいやいや!
我ではないだろう!
そこの悪魔じゃ!!」
「えぇ~!!
な、何でですか!?」
「何でも何もお前が…」
「フッ…俺は覚えているぞ…お前の声を!!」
そう、こいつはあの夜に聞こえてきた声だ!
とりあえず、一発殴りたい。
理由とか建前で、うざいから殴りたい…
「な、なんだとっ…!
あの時、貴様は寝ていたはず!!」
ん?
予想以上に反応がいいな…
「残念だったな…俺はあの時、起きていた!!」
「な、なんだってーーーーー!!!!」
「いや、神なら気づけよ」
「冷静な突っ込み来た!!」
なんか、悪友(聖)みたいで楽しくなってくるな。
……ん?
「めっちゃ、近所迷惑じゃね?」