十話のようだ。
「なあ、お前どうやって食べるんだ?」
ものすごい疑問なんだが…
「どうやってって…口で食べるに決まっているじゃないですか。
それとも私は目からでも食べるとか?フフ…」
いやいやいやいやいや!
お前口どころか目もどこにあるか分からないじゃん。
笑ってるけどどこから声を出しているかも全然分からないよ。
「お前……。
いや…まあ、冗談だ。冗談。
そりゃ、口で食べるに決まってるよな~。ハハハ」
俺が間違っていたのか?
俺が間違っていたのか!?
「もう…
あ、私、口ない……」
「やっぱりかーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
「す、すいません…そういえばこの状態では目も口もありませんでした」
俺は間違っていなかった。
間違っていなかった…!
「やっぱり、俺は間違っていなかった…」
「いや~本当すいません。
でも、ちゃんと食べることが出来るんですよ?」
「…………どうやって?」
異常なる疑問。
この生物(笑)はどうやって食べるのか。
本人?は食べることが出来ると言っている。
でも…
「無理があるだろう…
そう、思われるでしょう?
でも、それが、出来ちゃうんです、えっへん!」
えっへんじゃ無い。
不思議というか、奇妙とか怪奇といった言葉が似合うな。
もし食べれたらの話だが…
「それじゃあまず、庭にある石ころでも食べてみましょうか…」
………………………これは突っ込まないといけないものなのか?
石ころを食べてみましょうなんて言葉は初めて聞いたぞ。
いや、そうじゃない!!
え?石ころ?食べる?!
「うん?どかしましたか?」
「石ころを食べる?」
「はい。そうですが…
何かおかしなことでしょうか?」
ん?
もしかして俺がおかしいのか?
いや、落ち着け、俺。
もしかしたらどこかの方言かもしれない。
でも庭で?
まあ、庭も何かの意味かもしれない。
そうだ!
母が言ってたじゃないか!
『料理人にとって台所は庭のようなものなのよ?冷蔵庫もしかり…
ただし!!リビングは戦場なのよ?分かった?』
つまりは冷蔵庫と言うわけか!!!!
「あ、人間は鉱物は食べないんでしたっけ?」
「ヤッパリか~~~~~~~!!!!!!」
悪魔の常識は人間と違いすぎるらしい。