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侵略国家の皇女に転生しましたが他国へと追放されたので祖国を懲らしめます  作者: think


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初めてのショッピング

城塞都市アルグレンの街の中は想像以上に賑やかだった。


綺麗に整えられた街並みに道路、そのような中を行き交う人々は身なりや健康状態も良く見えて、貧困はうかがえないでいる。

オルフェリアの皇都ならば同レベルかもしれないけど、王都と離れた隣国との最前線であるこの場所がここまで繁栄しているのは、驚嘆するべきことね。


「どうかな?スイレースの街は?」


「素晴らしいと思います。ところでどうして兜をされているのですか?」


アシュ様は街に入る前に少し顔が隠れるほどの兜を被っていた。


「私は一応この国の王子だからな。あまり堂々と歩くわけにはいかない。あとフェルナには早く着替えてもらわないとな」


ジロジロと周囲の人々の視線が私に向けられている。


そう言えば私、ウエディングドレスみたいな格好だったわ。


「どこかに着替える場所ございますか?」


「そうだな、少し行った先に女性洋品店がある。そちらで着替えるとしよう」


「ですが、私はお金を持っていません」


「当然だが、私が払う。身一つ……とおまけで来た身だろう。衣食住の心配はいらない」


「おまけって誰のことですか!?」


「誰のことだろうな?」


「むぅぅぅ!」


意外と気が合いそうにケンカしているアシュ様とサリナ。

そんな二人に挟まれ、道を歩いていると、


「ああ、あれだ」


店先に吊るしてある店の立て看板が見えてきた。


『プリフェスト』


そう書かれた看板の文字のデザインはとても可愛らしいものだった。


「いらっしゃいませ!」


店内に入ると若い女性店員さんが私たちを出迎えてくれる。


「この二人の着替えを頼む」


「わ、私もですか?」


「メイド服では目立つからな」


「くっ……メイドたるアイデンティティが……」


「まあまあ、一緒に厚意に甘えさせていただきましょう?」


「フェルナ様がそうおっしゃるなら……」


私たちは会話を終えると、吊るされている洋服へと目を向けた。

こちらの世界に転生してこうして買い物をするのは初めてのこと。

どうしてもテンションが上がる。


「それにしてもお客様の姿は美しいですわ。どちらかの貴族様への嫁入りですか?」


「ええ、そのようなものです」


「それで真っ白なドレスを……その素晴らしいドレスに代わるようなものはございませんが、どうぞ見てやってください」


「ありがとうございます」


店員さんとそんな会話をしつつ、サリナとともに三人で服を選んでいたのだけど……


「ま、まだ決まらんのか……?」


「えっ?まだですが?」


アシュ様がなぜか疲れた様子で声をかけてきた。


「そうは言うが、一時間も経っているぞ?」


「まだ一時間しか経っていないのでしょう?」


「い、いや……えっ?」


「よろしいですか?女性の着替えは時間がかかるものなのです」


「そうですよ?殿方ならおおらかな心で待っていてください」


サリナと店員さんとの二重口撃を受けて、アシュ様は提案をする。


「な、ならば私は近くのカフェで時間を潰して……」


「私の服を選んでくださいませんの?」


「私が選ぶというか、三人で楽しそうじゃないか?」


「一番に見せたいのはアシュ様なのです。どうかお待ちになっていただけませんか?」


「うっ……わかった……待つとしよう……」


それからちょっとの間、悩んだ結果。


「これにします」


「わぁ!お似合いですよ!フェルナ様」


「ありがとう。サリナも良く似合っているわ」


私は白いロングスカートのワンピースに、薄ピンク色のケープを羽織ることにした。靴はヒールを履きたいところだけど、歩くことになるので紺色のブーツで揃えてみた。

サリナは白いブラウスにチェック柄のコートを羽織り、膝まである黒いスカートを着用して長めの白い靴下を履き、茶色のブーツ。

元気な女の子という感がして可愛らしい。

もちろん私はおしとやかな美少女であるけれども。


「……」


「アシュ様、私たちを見て何も言葉がないんですか?」


「……ああ、良く似合っている」


「それだけですか?物足りないですね、フェルナ様」


「二人とも、外を見てくれ……」


そう言われて、外を見てみると夕闇へと染まっていた。


ふむ……


「少し長居し過ぎましたかね?」


えへっとごまかしてみる。


「少しと言えるものかぁぁぁ!」


「お店の中で騒いじゃ迷惑ですよ。それじゃお会計をお願いします」


「……私は二度と君たちと買い物に行くことはないだろう」


そんなことを呟きながら、アシュ様はお会計を済ませた。


「これからどこに行くのですか?」


「街の中心部にある、領主の館に向かう。そこで一泊するつもりだ」


「かしこまりました」


こうして心機一転、私たちは再び歩んでいくのであった。

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