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侵略国家の皇女に転生しましたが他国へと追放されたので祖国を懲らしめます  作者: think


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スイレース王都への旅路

「フェルナ様、大丈夫ですか!?」


「ふふっ、何も心配するようなことはなかったわ」


「それならばよいのですが……」


馬車から降り立った私にサリナが心配して声をかけてくれる。

今にも泣きそうなサリナはやはり妹のように思えてしまうけど、頭を撫でることは我慢我慢。


「オルフェリア皇国の皆々!貴殿たちの姫は確かに預かった!任務ご苦労である!」


「はっ!恐縮であります!」


グリッドが敬礼をすると、背後に並んでいる兵士たちも敬礼をした。

それに返すようにスイレース王国の兵士たちも敬礼をする。


「それでは行こうか。フェルナ」


「はい、アシュ様」


親しみを込めて互いの名を呼ぶ私たちにサリナは首をキョロキョロとさせる。


「ず、ずいぶんと仲良くなりましたね?」


「ええ、少し話しをしたけど気が合ったみたい」


「もしや……」


キラリとサリナの瞳が光る。

まさか、何か悟られた?


「お互いに一目ぼれでしたか!?」


違ったわ。

まあ、でも。


「……似たようなことかもしれないわね」


「きゃあ!なんだかロマンチックですね!」


ロマンスとは大分かけ離れたものではあるけれど、彼に惹かれたのは事実。

結婚かぁ……前世では縁遠いものだったけれど、今世ではこんなに若い身ですることになるなんてね。

でも、浮かれてばかりはいられない。

私が進む道は険しいものなのだから。



アシュ様は自身の馬に騎乗し先頭を走り、私たちが乗った馬車がその後ろに、その横と後ろにさらに護衛の兵士たちが走っている。


「フェルナ様!ふわふわですよ!ふわふわ!」


「そうね。素晴らしいわ」


スイレース製の馬車は座席もふかふかであり、道も整備されているため揺れも少ない。

このことからでも文化レベルの高さが読み取れる。


「それにしても、王子殿下はかっこいいですね」


「サリナはああいう方が好み?」


「ええ?女の子ならみんなそうじゃありませんか?」


「私は少し憂鬱だわ」


「なぜですか?」


「あれだけ美形だと、当然令嬢たちが狙っていたはずよ。それなのに私が突然結婚してしまった」


「ああ……嫉妬の嵐ですね……」


「ええ、あまり気持ちのいいものではないわ」


「私がお守りいたしますから!」


「大丈夫よ。若い女の子の嫉妬くらい流してみせるわ」


「若い女の子って、フェルナ様も十分お若いですよね?」


「せ、精神的にってことよ」


「ああ、フェルナ様の精神年齢は結構……」


「結構……何かしら?」


「お、お姉さんですから!あははははは!」


「うふふ、そうかもしれないわね」


そんな楽しい会話をしていると、馬車が止まった。


どうやら休憩地点に到着したらしい。


コンコン。


馬車の扉がノックされる。

それに反応したサリナが扉を開くと、


「お疲れ様、乗り心地はどうだったかな?」


アシュ様が問いかけてきた。


「とても心地よいものでした。ねぇサリナ?」


「はい!ふかふかのクッションのおかげであっという間でしたね!」


「ははは、そう言ってくれると嬉しいものだ。今日の宿泊先に到着したのでね。案内させてもらうよ」


私はアシュ様に導かれ、馬車から降りる。

すると、


「わぁ……」


巨大な壁に囲まれた城があった。


「ここは城塞都市アルグレン。対オルフェリアの最前線の場所だ」


「凄い、ですね」


これならば防衛に関しては心配ないように思える。

だけど、オルフェリアの攻撃力は並みではない。

壁を崩すには遠距離からの魔法攻撃が定石。

それに対応できなければ破壊され、歩兵が侵攻してくる。


「ですが、耐魔法能力はおありですか?」


「やはりそこか。一応耐魔に関してはこちらも把握してある。ただの石材ではなく魔力を帯びた魔鉱石を使用している。そのため防御能力は高いはずだ」


「えっ?これ全部魔鉱石で作られているのですか?」


「ああ、何かおかしかったか?」


何ごともなく言うアシュ様だけど、魔鉱石は普通の鉱石に比べて価格が高い。

それなのにこの無関心さ。

経済力は圧倒的なようね。

オルフェリアでは度重なる戦費で豊かさとは縁のないものだから。


「いえ、中を見させて頂いてもいいですか?私、皇都以外の都市を見るのは初めてですの」


「ああ、案内させてもらうよ。といってもそれほど目新しいものがあるわけではないけれどね」


「アシュ様が案内してくれるだけで私は楽しみです」


「ははは、そう言ってくれると嬉しいな」


「あ、あの……」


「どうしたの?サリナ?」


「私は宿で待機していてもいいですか?」


「なぜあなたも一緒に行きましょうよ。構いませんでしょう?」


「ああ、問題ない」


「ですが、お邪魔になりそうで……」


「邪魔なんてとんでもない。一緒に行きましょう、サリナ」


「フェルナ様……」


サリナは私の腕に抱きつくと、満足そうに微笑んだ。


「そこまで密着する必要はあるのかな?」


「見知らぬ街ではこうしておかないとはぐれたりしそうですから」


「心配しなくても安全だ。離れなさい」


「いいえ。このままで」


なぜかアシュ様とサリナがバチバチと火花を散らしている。

出来れば仲良くしてもらいたいのだけど、今は無理ね。

スイレースとオルフェリアの関係のようなものだから。

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