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侵略国家の皇女に転生しましたが他国へと追放されたので祖国を懲らしめます  作者: think


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そして未来へ

私は王族の傍聴席でお父様とベクアールの審理を聞いていた。

隣にはアシュ様もいる。


「ベクアール・ダイ・オルフェリアは斬首刑、ダクトレス・ダイ・オルフェリアは服毒刑と処する」


法廷にてお父様とベクアールの刑が決まった。

どちらも死罪ではあるけれど、見世物にされずに安らかに死ねる服毒刑の方が温情がある。

二人の刑の違いはやはり占領民への扱い方が決め手だった。

お父様がベクアールに注意を促していることもあり、その証言をドレシュ先生がしてくれた。


お父様はそれを受け入れたけれど、ベクアールは散々に反論をした。だけど、誰もベクアールを味方するものはおらず、もう何をしても変わらないという事実にようやく気づいたようだ。

そして最後にお父様と私を罵倒し続けたところで退場になった。


そこで、裁判長が言葉を続けた。


「刑の執行は、両名が発生させた我が国の負債が精算した時点で執り行うものとする」


この言葉は衝撃的だった。

なにせオルフェリアの負債は大きく精算には時間がかかり、スイレースからは千年の猶予もいただいている。

これはつまり判決は両方とも死罪ではあるけれど、事実上の終身刑に近い。


「アシュ様……これでいいのでしょうか?」


「一応死罪ではある。これで周辺国も納得するしかないだろう。文句は言わせないさ」


「ありがとう、ございます……」


そうしてお父様とベクアールは王族としての地位を喪った。

王位継承権としては私しか残されていないのだけど、私は形式上すでにスイレースへと嫁いだ身。

なので公爵家に降嫁した王家の血筋を持つ男子を後継者として、ドレシュ先生が摂政となり王政を続けていくことに決まった。

きっとドレシュ先生ならば、間違った道には進ませないはずだ。


どんどんと周囲が変わって行く中で、変わらないものもある。

スイレースへと帰ってきた私を皆が出迎えてくれたの。


「フェルナ様!お帰りなさいませ!」


サリナが泣きながら私に抱きついてくる。

本当に泣き虫なんだから。


「ふん!ちゃんと帰ってきたわね!」


アイーナ様は腕を組んで相変わらずな様子で出迎えてくれた。


「あらあら、寂しがっていたのに。今日は元気なのね?」


「そ、そんなことないもん!」


フェレス様がそう言うとアイーナ様は真っ赤になって否定した。


「お、お帰りなさいませ……ご無事で嬉しいです……」


オレリアも笑顔を見せてくれる。


ああ、帰ってきたんだ……

私の中ですでにスイレースが自分の居場所になっていたんだと気付かされる。

オルフェリアからスイレースに来て、一月経っていないというのにね。


「皆様、ありがとうございます!」






そして、私がアシュ様と結婚してから十年の月日が流れた。


幸いにも三人の子宝に恵まれて、今は七歳になる男の子と五歳の女の子、そして今年生まれたばかりの男の子がいる。


「よしよし……」


私はベッドの上で、赤ちゃんを抱いている。

そんな私の傍で子どもたちは楽しそうに遊んでいた。


コンコン。


そんな時、ノックの音が聞こえてきた。


「フェルナ様、私が出ますね!」


「お願いね、サリナ」


サリナも結婚したのだけど、今もまだ私に仕えてくれている。


「あっ!殿下ですよ!フェルナ様!それに……」


「サリナ?」


途中で言葉が途切れた。

その理由に気づいた時、私は驚きで声を出せないでいた。


「お父様……?」


十年という月日がお父様の顔を少し変えさせていたけれど、すぐにわかった。


「……久しぶりだな」


「ア、アシュ様?これはどういう……」


「ふふふ……オルフェリアからこっそりと連れ出してきたのだ」


アシュ様はいたずらっぽく笑う。


私は思わず、赤ちゃんを抱いたままお父様へと駆け寄った。


「お父様……随分と変わられましたね……優しい顔つきになられました……」


「そうか?そう言われるとなんだか気恥ずかしいな」


「お母様、この人誰?」


「私のお父様。あなたたちのお祖父様よ」


「えっ!?そうなの!?」


「わぁい!おじいさまだ!おじいさま!」


「……そうだ。私が爺だよ」


お父様は二人の頭を撫でて、嬉しそうに微笑む。


「この子も抱いて上げてください」


「おお……小さい、ものだ。だが、懐かしいな……」


お父様は涙を流して、赤ちゃんを抱いている。


「アスタロス殿下……本当にありがとう……こんなにも嬉しいことはない」


「そう言っていただければ、私も嬉しく思います」


「大好きよ……アシュ様!」


私は思わずアシュ様に抱きついていた。


「あぁ!お母様!僕も僕も!」


「わたしもぎゅってしてほしい!」


「ダメだ。今だけは、お父様のものだから」


祖国を追放されても、私は幸せでした。

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