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侵略国家の皇女に転生しましたが他国へと追放されたので祖国を懲らしめます  作者: think


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軍議

私たちスイレース軍は皇都に入城したのだけど、思ったよりも障害はなかった。

門を守る兵士たちも城内にいる兵士も武器を抜かずに敬礼をしている。


「姫様!お帰りなさい!」


それどころか窓から手を振って嬉しそうに受け入れてくれる人もあり、私は心から嬉しく思う。

そんな中で皇城に向かい、中に入ると私は久しぶりに実家へと帰ってきた気分。


皇城にいる貴族や兵士は抵抗するかとも思ったけど、ほとんどの主戦派は戦場に出ているようで、こちらも歓迎してくれる人がほとんどだった。


───オルフェリア皇城内会議室にて───


「アシュ様、これで皇都の掌握は完了しましたね」


「まさか一度の戦闘も起こらずにこのような状況になるとは思わなかったぞ」


「ここまで上手くいくとは思いませんでしたが、被害がなくて良かったです」


「それだけ、姫様が愛されている証拠でしょう」


「ドレシュ先生、恥ずかしいのでやめてください」


「いいや、ドレシュ様の言うとおりだと思います」


「ライゼンまで……もう」


アシュ様やリアス、ルヴィアが同じ場所にいるのにやたらと褒め称えられて私は顔が熱くなる。


「こほん……それよりも本題に入りましょう。今向かって来ているお兄様……ベクアールについて」


その言葉でこの場にいる全員の表情が引き締まった。


「殿下が率いていた兵はおよそ三万ほど。ですが騎兵は二千ほどです。その二千で急行し皇都を押さえに来ているのでしょうがこちらにはスイレース王国の騎兵とオルフェリアの兵士がライゼンが連れて来た者も合わせて一万います。どうやっても殿下がこの状況を打破するのは難しいでしょう」


「それに我が軍の後続もやがてはここまでたどり着きますことですし、死角はないと思われます」


ドレシュ先生の言葉にリアスが続き、私たちは頷く。


「そうなると如何にしてベクアールを捕らえるかになってくるが」


いくらベクアールでもこれほど不利な状況では戦ってはこないだろう。

しかしあちらにはないものがある。

それは……


「あちらには食糧が心許ないという理由があるのでじっくりと追い詰めて行ったらどうでしょうか?別働隊でベクアール軍の後続を断ち、退路を封鎖するのです」


さすがルヴィア。

その献策には素晴らしいとしか言うことがない。


「うむ。その策で行こうと思うが反対するものはいるか?」


当然、反対の手は上がらずにルヴィアの策は採用されることになる。


「それでは後続が着きし次第リアス、ルヴィアの両名に三万の軍を与える。そして道案内としてライゼン、任せてもいいか?」


「お任せください。殿下とは違う道を通り見事背後を突いて見せましょう」


「うむ。ドレシュ殿は一万を率いる将となってこの場所を守ることをお願いしたい。後に来るこのルヴィアの父、サファルトと共に」


「おお、サファルト様ですか。名を良く聞きますぞ。文武に優れた将だと。娘さんを見て納得しました」


「いえ、私などはまだまだでございますので……」


ドレシュ先生が笑い、ルヴィアが謙遜すると場の空気は少し緩やかなものになった。


「よし、最後に正面からベクアールとぶつかるのは私とフェルナの軍だ。その数は五千。それでどうだろうか?」


「はい、その数だとすればベクアールは自分の強さを信じて正面からぶつかってくると思われます。それに……」


「それに?」


「私がいると知れば何が何でも攻めてくると思います」


「……相当仲が悪いのだな。君たちは」


「そうですね。昔はそれなりには仲が良かったのですよ?私には優しかったと思います。ですが、急に性格が変わったように横暴になりまして、そこから離れていきました」


「それは教師のせいですな。嫡男としての教育や周囲の国への侵略の正当性。オルフェリアがどれだけ尊い存在なのかを教えられていたと聞いておりますゆえ」


「行き過ぎた愛国教育は他者を見下す原因となるということか。肝に銘じるようにしよう」


そう考えてみれば兄も被害者だったのかもしれない。

だけど、疑問に思うことはできなかったのだろうか?

どの国にもオルフェリアと同じく人がいて、家族がいるということを。


「それではベクアールの件はこれで良いとして、ダクトレス王はどう出ると思う?」


「陛下のお考えは難しいですな……一番考えられるのは副首都である地に皇都を移転させ、その場所で散り散りとなった兵士たちを集めることでしょうな」


「そうなると長引きそうだな」


「そうですね。陛下の加護は『鼓舞』という戦場の兵士を強化する強力なもの。兵力が同等となれば勝ち目は薄いかもしれません」


ドレシュ先生とライゼンがお父様のことについて話す。

だけど……


「お父様とは一度話してみるわ」


「しかし、今までのようにはいかないぞ?」


「大丈夫。お父様は使者となった私を殺すような人ではないわ」


「ですがあまりにも危険です!」


ルヴィアが席を立ち、反対してくる。


「ルヴィア、ありがとう。だけどここは信じてくれないかしら?」


私の言葉に彼女はしばらくの間、沈黙を守り、


「……無事に帰ってこないと許さないから」


ようやく言葉を絞り出した。


「ありがとう、ルヴィア」


「姫様良い友を見つけられましたな」


「ええ、最高の友達よ」


これで、最後までの道のりは見えた。

後は、走り続けるだけ。

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