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侵略国家の皇女に転生しましたが他国へと追放されたので祖国を懲らしめます  作者: think


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降伏勧告

進軍中に一夜を過ごし、昼頃にガレイン砦の目前にまで到着した私たちは行軍を停止した。

ここからは私の仕事になってくる。


「それでは行ってまいります」


「……気をつけてな」


「はい。お任せください」


私は軍勢から離れ、馬に乗って一人ガレイン砦へと向かう。

そして閉ざされた砦の門に到着すると、私は大きな声で呼びかけた。


「この地を預かる者よ!お話しがしたくて参りました!」


私のその声に応じたのか、門が開いていく。

横開きの門が開いたその先には、ライゼンがいた。


「ディフェルナ様、こうして再びお会いできるとは思っていませんでした」


オルフェリアからの護衛として一緒に旅をした彼と離れてからそれほどの時間が経っていないのに、なんとも言えない懐かしい気持ちが湧き上がってきた。


「ええ、私もよ。それにしてもまだ皇都に帰っていなかったの?」


「いえ、一度帰らせていただきましたがすぐに辞令が降りまして、こちらに配属となりました」


「そう。それで私がここに来た意味ってわかる?」


「ええ、降伏勧告でしょう?」


「ライゼン、あなたも戦争には否定的だったでしょう?お願いだから私を信じてくれないかしら?」


「もちろん、信じています。だからこそ私はお出迎えに上がったのです」


「それじゃ……」


「ええ、ガレイン砦にいる総員五千はスイレース王国に降伏いたします。白旗を掲げよ!」


ライゼンのその言葉と同時に砦からは白旗が上がった。


「ありがとう、ライゼン」


「索敵班がディフェルナ様を見つけた時は驚いておりましたよ。それも先頭にいらっしゃるということで。ですがそこでわかったのです。ディフェルナ様はオルフェリアの兵士を攻め滅ぼすのではなく、救いに来てくれたのだと」


「よく……わかってくれたわね……」


私は嬉しさのあまり、涙がこぼれそうになった。


「当然です。私がどれだけ貴方の傍にいたと思っているのですか?」


「そうね、ライゼンはいつも傍にいてくれたわね……」


「ディフェルナ様のお転婆ぶりには困ったものです」


「その話はスイレース王国の方々には秘密にしておいてちょうだいね?」


「ええ、もちろんですとも」


私とライゼンは二人、笑い合った。


……ドドド!


そうしている間に背後から騎馬の足音が聞こえてくる。


「フェルナ!よくやってくれたな!」


「アシュ様!それにリアスとルヴィアも!」


「白旗が上がったので相手を刺激しない人数を引き連れて参りました」


ルヴィアがそう言い、リアスは兵士たちに指示を与えている。


「フェルナ、こちらは?」


「ライゼンです。私の幼い頃からの護衛騎士だった人で今はこちらの砦の将となっています」


「察するにアスタロス殿下でございますね?ご紹介に預かりました、ライゼンと申します」


「ここは公式の場ではない。そのようにかしこまらないでほしい」


アシュ様は手を差し伸べると、片膝を地面につけていたライゼンはその手を取った。


「ありがとうございます」


「ぐっ……」


笑顔のライゼンに対してアシュ様の表情が歪む。


「どうされましたか?」


「いや、熱い想いを受け取ったところだ……ふん!」


「ぐぐっ!?」


今度はライゼンの表情が歪む。


「ふふふ……なかなかやりますな?アスタロス殿下?」


「これでもそれなりには鍛えているのでな?」


「ですが、ディフェルナ様の夫だと認めたわけではないですからな!」


「それは諦め給え。すでに彼女は私の妻なのだからな!」


「なかなか言いますな……?ですがこのライゼン!ディフェルナ様のもう一人の父といっていい存在!ここは譲りませんぞ!」


「ライゼン……やめてちょうだい……」


私は恥ずかしさに顔が熱くなる。


「ふふっ、私の勝ちだな?ライゼン卿?」


「そ、そんな……」


「アシュ様も調子に乗らないでください」


「な、なに……?」


「おやおや、アスタロス殿下も負けなようですな」


「……卿とはじっくり話し合う必要があるな?」


「いつでも結構ですよ?」


二人とも和やかとは思えない笑顔で視線をぶつけ合っている。


「もう!仲良くしてくださいね!?」


「ははは、仲良くさせてもらっていますよ?」


「ふふふ、そうだとも」


どう見てもそうは見えない二人にため息を吐く。


「ディフェルナ様、仲良くなれたみたいでよかったですね」


「ルヴィア?貴方にはそう見えているの?」


「ええ、そう見えませんか?」


意外にもルヴィアはこういうことには鈍いようね。


「まあいいわ。ああやって話せることも仲良くなる為のきっかけとなるでしょうから」


こういった輪がスイレースとオルフェリアの間でも広がっていくことを期待したい。

私はそう思うのだった。

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