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侵略国家の皇女に転生しましたが他国へと追放されたので祖国を懲らしめます  作者: think


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災害は突然に

うぅ……頭が痛い……


前夜のアルコールのおかげで絶賛二日酔いの私である。

これは怪我ではないので回復魔法では癒せないので辛い。

アイーナ様の加護ならば治せると思うけどこんなしょうもないことで使わせるわけにはいかない。

なので我慢しようと思うことにした。


「フェルナ様!なんだか元気ないですね!」


ソファーにだらしなく座っている私にサリナが大きな声で話しかけてくる。

おそらく普段の声量と同じなのだろうけど、今日はひどく大きく聞こえる。


「お酒が残っていて頭が痛いの……少し声量を落としてくれる?」


「こ、このくらいですか……」


「そうね。それくらいでいいわ」


これで一安心ね。


「それにしてもサリナ、あなた平気なの?」


「何がですか?」


「昨日私よりもお酒飲んでいたでしょう?」


「あはは、まったく残っていません。記憶も一緒に楽しく飲んだなぁ、くらいで細かいことは綺麗さっぱりです」


「なんて羨ましい体質……」


それにしても頭が痛い。

話しているのも億劫だわ。

はぁ……今日はゆっくりと過ごしたいものね……


そんな時にこそ、事件は起こってしまうものである。


ゆらゆら……!


「きゃっ!?」


サリナが慌てて床にへたり込む。

地震ね。

震度は、四といったところかしら?

スイレースはしっかりと耐震性の建築工法を取り入れていると聞いているので一安心ね。

きっと周辺の建物も大丈夫でしょう。

オルフェリアだとどこかは倒壊していそうだけど。


バンッ!


地震から十分くらいが過ぎた頃に、突然扉が開いた。


「フェルナ!」


ノックも無しにアイーナ様がやってくる。


「どうなさいましたか?」


「建設中の建物が倒れたみたいで怪我人が大勢いるみたい!すぐに病院に向かうわよ!」


こうなっては頭が痛いなんて言っていられない。


「かしこまりました」


私はすぐさま、動きやすいパンツスタイルへと着替える。


「馬車乗り場へ行くわよ!」


「はい。サリナは留守番をしていてちょうだい」


「私も行きたいですが、お邪魔になりますもんね……わかりました!お気をつけて!」


「ええ、ありがとう」


こうして私とアイーナ様は馬車が待つ広場へと足早に駆けていく。

そして乗り場に到着するや否やすぐに馬車へと乗り込み、


「走って!」


アイーナ様はそう命じた。

するとすぐに馬車は走り出し、以前に訪れた国立病院へと向かい出す。


「建設中の地震とは間が悪かったですね」


「そんなこと言い訳にならないわ。しっかりとした建築工程なら問題ないはずよ」


「でしたら何か他に原因があると?」


「たぶんね。でもそれは後で調べるとして、私たちは目の前の人たちを助けるのよ」


本当にアイーナ様は十歳なのかしら?

ずいぶんと大人びた表情を見せる。

私はそんな彼女が素晴らしく思えた。


「なによ?」


「アイーナ様は偉いですね」


よしよしと頭を撫でると、


「な、なによ!子供扱いしないでくれる!?」


「ですがアイーナ様は子供ですし」


「あなたもそんなに変わらないでしょ!」


「私はもう成人済ですので」


「そういえばお母様と楽しくパーティーしたんですって!?」


「ええ、とても楽しかったですよ?」


「私だって行きたかったのにぃ!」


「残念ですが、お酒を飲む大人のパーティーでしたのでアイーナ様はお誘いしなかったのでしょうね」


「もぉ!お母様の意地悪!」


こういうときだからこそ、緊張せずにいることが重要だと思う。

だから私たちは普段通りにおしゃべりをした。

それから少しして、馬車がゆっくりとスピードを落としていきやがて止まった。


「到着しました!」


御者の騎士が扉をノックすると、アイーナ様はすぐに扉を開ける。


「行くわよ!」


「はい!」


私たちが降り立った場所は入り口から少し離れた場所。

周辺には多くの馬車が止まっており、これらが全て怪我人を運んできたのだとすると相当な数だ。


「アイーナ様!」


「院長!私たちはどこへ行けばいい!?」


「第四診療室です!そこに重傷者を集めています!」


「わかったわ!フェルナ!ついてきて!」


「はい!」


無駄な説明もいらない。

私たちが必要な最低限の会話をし、アイーナ様は走っていきそれに私もついていく。


「死者ゼロを目指すわよ!」


「ええ、頑張りましょう!」


アイーナ様の小さな背中が少しだけ大きく見える。

先ほどまで母親に意地悪だなんて言っていた少女だとは思えない。


アイーナ様の存在を頼もしく思いながら、私たちは現場へと到着した。

そこは、


「うぅぅぅ……!」

「痛い痛い痛い……!」

「た、助けて……」


大勢の苦鳴が響く地獄のような場所だった。

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