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侵略国家の皇女に転生しましたが他国へと追放されたので祖国を懲らしめます  作者: think


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大忙しの内務大臣

「アイーナ様、お姉様って呼んでください」


病院での出来事の翌日、朝起きた私はウキウキでアイーナ様の部屋に向かい、こう告げた。


「はぁ?嫌よ」


しかし、即座に拒否され追い出される始末。

昨日の一瞬のデレはもはや消え去っているようだった。

……悲しい。


私は落ち込みつつも城内を歩いていたら、見覚えのある顔を見つけた。


「おはようございます」


コレイ内務大臣だ。


「これはディフェルナ様、おはようございます」


バチバチにやり合った仲なので苦手意識があるかと思えば、私はそうではない。

この方もこの国の為に働いていることは事実だから。


「朝早くからお疲れ様です」


「おかげさまでここ数日は大変です」


にっこりとそう言う目の下にはくまができており、一目で睡眠不足であることがうかがえた。


「それは申し訳ありません……」


「ふふっ、少し意地悪が過ぎましたね。失礼しました。ですがなかなか大変ですよ?国民どころか同じ内政官にも内緒で物資を集めるというのは」


ギリギリまで情報を絞らなければオルフェリアに準備期間を与えてしまうことになる。

それでは意味がない。

手薄になっているところを狙わなければ勝ち目は薄いのだから。


「お疲れ様です。進捗はどういった模様ですか?」


「そうですね。食料がおよそ半分程度、武具などが三割と言ったところでしょうか」


「ずいぶんと早い手配ですね?」


「まあある程度は備蓄がございましたのでね、武具に関しても地方から集まってくることを考えれば陛下の示した期限よりも早く確保できるでしょう」


「さすが内務大臣ですね」


「それほどではありません。ここからが難しいのです」


「今、オルフェリアに侵攻されている国々との連携ですね?」


「ええ、今まで救援要請があったのをいろいろと言って断ってきましたからね。それでも相手は我々の手を受け取らないとならないでしょう。後は無事に手紙が届き、返ってくることです」


「戦地の中を向かう使者の苦労は計り知れませんね」


「ええ、一流の諜報員を使っていますがあとは信じることしかできません」


苦悩の表情を浮かべるコレイ様。


「お仕事を増やしてしまって申し訳ありません。ですが……」


「言わなくてもわかっています。嫌なことに目を背けていたのは私の方です。目を覚させてありがとうございました」


やはりこの人もこの国の未来を見ている方なのだと、改めて思う。

ならばこれからはしっかりと足並みを揃えていけるはず。


「絶対にこの国を守ってみせますから」


「ええ、そのための準備はお任せください。それが私の仕事ですから」


私たちはしっかりと握手を交わした。

すると、


「ところで先日、アイーナ様とともに病院で回復の奇跡を起こしたとか?」


興味津々な様子でそう聞いてくる。


「いえ、私は助言をしただけでして……」


「いえいえ、謙遜なさることはありませんよ。難病の原因を突き止めアイーナ様に魔力を譲渡したのでしょう?素晴らしい功績です!」


「なぜそこまでご存知なので?」


「国立病院院長とは友人でしてね、彼が速達でその日のうちに知らせてくれました。オルフェリア人は野蛮だと思っていたが、ディフェルナ様は素晴らしい人だと褒め称えていましたよ」


「そこまで言われると恥ずかしいですね……」


「私が陛下に奏上しましょうか?表彰をされるべきだと思うのですが?」


「いえいえ私はあくまでも助言をしただけですので……」


「でしたら、ディフェルナ様も医療チームに加わって研究に参加してみませんか?その知識は役に立てるべきだと思います!」


めちゃくちゃ熱心に勧誘されてる!

だけど私の知識は聞きかじりの薄いものでしかない。

そんな専門的なことなんて無理に決まっている。

どうしよう?

そう思ったとき、


「コレイ内務大臣。陛下がお呼びだ」


「これは殿下、かしこまりました。それではディフェルナ様失礼いたします」


今までの興奮をすっと引っ込ませ、コレイ様は足早に去っていった。


「なにやら詰め寄られていたようだが、文句でも言われていたのか?」


アシュ様は苦笑して問いかけてくる。


「いえ、医療の研究に参加しないかと言われてですね……」


「ああ、アイーナが夕食の時に言っていたな。フェルナは凄いと。目を輝かせていたぞ?」


「たまたま知っていたというだけです。そこまで褒められると照れますね……」


「知識は人を救う。改めてそう思ったよ。ありがとう、フェルナ。我が国の民を救ってくれて」


アシュ様は丁寧に頭を下げてきた。


「褒めるならばアイーナ様も褒めてあげてくださいね?大変頑張ってくれたのですから」


「もちろんだとも。よくやったと頭を撫でたら真っ赤になっていたぞ」


「うふふ、可愛らしいですね」


その様子が頭に思い浮かび、私は笑う。


「……本当に君がこの国に来てくれてよかった」


「何かおっしゃいましたか?」


「いや、何でもない。それではな」


アシュ様はそう言うと私とすれ違う。

その狭間に見えたアシュ様の頬は、少し赤く染まっていたようにも見えた。

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