第十三話 レッサーデーモンとの激戦
フラビオはしばらく考えた末に王女に尋ねた。珍しく厳しい表情をしていた。そのくらい重要な決断だからである。
「王女殿下、今日は三回魔物と戦いましたが、一対一で確実に倒せる相手ばかりでした。もし、勝つのが難しい相手でも、戦いたいと思いますか」
王女はその言葉を聞いて、はっとしたようだった。
「それは……避けるべきかと思います」
「そうです。どうしても誰かを守らなければいけない場合を除いて、無理な戦いで命を危険にさらすのは愚かです。若い冒険者達にもたまに話すのですが、無事に戻ってこそ一流になれる、無事ならまた戦える、なのですよ」
王女が表情を引き締め、真剣に尋ね返した。
「なら、今日はもう戦うべきではないと言われるのですか」
「いえ、それでは王女殿下が納得できないでしょう。ですが、ただ戦うのではなく、一対一では勝てない相手と戦って、勝てないこと、無事では済まないことの恐怖をきちんと知っておくべきかと、俺は思いました」
「なるほど、確かに先生の言われる通り、私は実戦経験がなく、負けること、負傷することの恐怖を知らないだと思います。一度はそれを経験しておくのも、確かに必要なことかもしれません」
カタリナ王女は、一国の王女という立場にありながら、負傷を怖れない覚悟を見せた。
「すごい根性の王女様だな」
フラビオが半ば感心し、半ばは呆れ、大きく息を吐いた。この王女は負傷も経験の内と割り切っている。そう簡単に覚悟できることではない。おかげで口調が素に戻っていた。
「いいだろう。レッサーデーモンが一体近くにいる。それと戦えば、本当に恐怖を体験することになる。やってみるか?」
「はい。とりあえず一人で戦ってみます。でも歯が立たずに危なくなったら、先生が助けてくれるのでしょう。それなら安心です」
そして王女は笑顔を見せた。完全にフラビオを信用している顔だった。そこまで言われては、フラビオも王女の望みを叶えるだけである。
「分かった。なら、頑張れ。本当に危なくなったら手を貸す」
しばらくダンジョン内を進んだ先、開けた場所に魔物が一体いた。魔物発生器から生み出された魔物は、発生器からダンジョン内のどこかへ転移してくるが、狭い場所では収まり切れない可能性があるので、必ず開けた場所に現れるようになっていた。これもダンジョンの不思議な仕組みである。
そして今回の相手は強力だった。それが遠目に見ても分かる。体長三メートル半近い大型の魔物だ。悪魔であることを表す角の生えた頭部の形状。赤っぽい色の体表。人型をしていて羽はない。下級のデーモン、レッサーデーモンである。
「すごい迫力ですね」
「ああ。それでもまだ下級だ。運が良ければ倒せる可能性もある。しかし、今回はあくまで力試しだ。先に言っておくと、レッサーデーモンは魔法をレジストするぞ。魔法耐性が高いから、遠距離の魔法はほぼ無効化される。接近して、耐性を超える威力の魔法でないとダメージが通らない。そんな相手に無理して勝とうなどと考えなくていい」
王女が目を丸くした。それではほぼ勝てないと言われているのに等しい。
「そんな無茶な相手が近くにいたんですね。弱い魔物を倒せたからと言って、喜んでいたのは浅はかでした。ですが、やります。ギリギリまで頑張って、戦ってみます。できれば勝ちます」
気が気じゃないのは護衛の四人と王女の指南役だ。勝てない相手と戦うなど、何という無茶をするのだろうかと、非難するような目でフラビオを見ていた。
フラビオにも彼らの気持ちは分かる。そこで王女に伝えるのと同時に、配下たちを安心させようと、言葉を続けた。
「だから、危なくなったら必ず助ける。それは絶対だ。だから全力を出し切るといい。頑張れよ」
「はい。分かりました」
こうして王女はレッサーデーモンに戦いを挑んだ。
王女はまず接近して様子見に出た。
デーモンがその姿に気付き、魔法を発動させた。ファイアボールの魔法が飛んでくる。狙いもかなり正確で、王女は回避を余儀なくされた。
その回避した先に、また火球が飛んできた。さすがはデーモン、魔法の使い手として優秀な存在だった。その一発を王女がかわしたところで、さらにもう一発火球が飛んできた。
「そのくらい、まだまだ」
王女が火球を避けて、デーモンへの接近を試みる。
デーモンがニヤリと笑ったように王女は感じた。表情に変化は見られなかったが、来るなら返り討ちにするだけだと言わんばかりに見えた。
今度はデーモンから蹴りが飛んできた。大きな足が王女の眼前に迫る。
王女が小さくステップを踏んでそれをかわす。突き出た足は大きな隙に見えた。すかさず王女が魔法を叩き込む。
「ウィンドカッター!」
かなりの至近距離だ。外れることはないという目算通り、真空の刃がデーモンの足に当たる。しかし、わずかに傷をつけただけで、本来の威力は発揮されなかった。レジストされたのである。
「この距離でもダメージが通らないなんて」
王女は驚いたが、すぐに体勢を立て直し、次の一撃に備える。
今度は拳の攻撃が来た。大きく鋭い一撃が飛んでくる。
先程と同じように、王女はその攻撃を見切って、小さく横に動いてギリギリのところでそれをかわした。
「今度はアイシクルランス!」
氷の槍がデーモンの腕に突き刺さる。確かに刺さりはしたのだが、それは先端だけで、ダメージを与えるほどではなかった。
「やっぱりレジストされるのね。ダメージを与えるには、やっぱり中級魔法以上じゃないと無理そうね」
王女はまだ落ち着いていた。どうすれば魔法を撃ち込めるかを、冷静に考える余裕があった。
しかし、デーモンの攻撃はそれだけでは済まなかった。
続いて拳の攻撃に火球が混ざってきた。さすがにこれはギリギリでかわすことなどできない。王女が大きく横へ動いて避ける。
次の瞬間、王女の足元に炎の柱が吹き出してきた。炎の中級魔法フレイムピラーである。下級のデーモンでも、中級魔法までは使えるのだ。
「まずい、マジックシールド!」
急ぎ魔法の楯を展開して防いだが、それにより王女の足は止まってしまった。そこにデーモンの蹴りがさらに飛んでくる。
「避けられない!」
炎の柱が消えた直後、マジックシールドがその蹴りを何とか受け止める。
「止まったら負ける。とにかく避けないと」
王女が再び動き出す。
距離を取れば、王女から攻撃する手段がなくなる。危険だが、デーモンに接近戦を挑むしかなかった。
王女は必死にデーモンに喰らい付いた。拳を避け、蹴りを避け、火球を避けて反撃の機会を窺う。巨体から繰り出される攻撃はどれも脅威だった。
「これが先生の言われた恐怖なのね」
確かに怖かった。一撃でも当たればただでは済まない。そして自分からの反撃はろくにできていない。中級魔法を繰り出す隙を見出すまで、避けるのに専念するしかなかった。
何度目の攻撃だっただろうか。デーモンの蹴りをかわすのと同時に、王女はその足元へと入り込むことに成功していた。
「今しかない。エクスプロード!」
王女が至近距離から爆発の中級魔法を放つ。久々の反撃だった。その一撃は見事にデーモンのわき腹を捉え、一部をえぐり取ることに成功していた。
「やった、ダメージが入った!」
王女が喜んだのも束の間、デーモンの反撃がすぐに来た。
デーモンの足元に火球が三発。さすがの王女もこの攻撃には一旦距離を置かざるを得なかった。
直後に振り向きざまデーモンの蹴りが飛ぶ。それを横に避けたところで、今度は拳が飛んできた。
「まずい!」
王女は床を転がってその拳を避けた。しかし、それにより王女の足は止まってしまった。
さすがにフラビオもこれは危ないと思った。王女の安全確保が第一だ。即座に床を蹴り、王女の元へ走った。
そこに、王女の足元から再び炎の柱が吹き出そうとしていた。デーモンのフレイムピラーの魔法である。
「避けられない! 先生……」
その瞬間、フラビオが王女の元へと駆けつけていた。
「あいよ。マジックシールド」
炎の柱より一瞬早く、フラビオの魔法の楯が展開された。高レベルメイジであるフラビオの魔法はとても強力だ。炎の柱を防ぎ切った後も、続けて繰り出されたデーモンの蹴りや拳を難なく防いでいた。
「ありがとう、先生。助かりました」
王女が安堵の息をついた。
「先生の言われた恐怖、確かによく理解できました」
さすがに恐怖に耐えてのこの戦闘は、そう長い時間ではなかったが、王女にとって、とても苦しいものだった。信頼できるフラビオに助けられ、もう安心だと気が緩んだのだった。
フラビオが珍しく笑みを浮かべて、この美しい弟子を労った。
「それはよく頑張ったな。レッサーデーモンは中級者がパーティを組んでやっと戦える相手だ。それをたった一人で、しかもダメージを与えられるほど戦えるなんて、本当に大したものだと思うぞ」
フラビオに褒められて、王女も笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。それから、無事に戻れることの大切さ、とても身に染みました。良いご指南を頂きました」
その間にもデーモンの攻撃は続いていたが、さすがにシールドを突破することはできなかった。その事実だけでも、やはりフラビオはすごいと王女は改めて実感していた。
「指南はまだ終わってない。とどめは王女殿下、あんたが刺すんだ」
「でも、どうやって」
「俺が足を吹き飛ばす。倒れてきたら、さっきダメージを与えた場所にもう一度エクスプロードを撃つんだ」
「足を吹き飛ばすって?」
「任せろ。エクスプロード」
ちょうどデーモンの蹴りが飛んできたところだった。その足めがけて、フラビオは魔法を発動させた。至近距離で高威力の魔法を受けては、さすがのデーモンもレジストできない。爆発の威力がフラビオの言葉通り、その足を吹き飛ばしていた。
デーモンがバランスを崩して前のめりに倒れていく。
言葉通り、本当に足を一撃で吹き飛ばしたフラビオをさすがだと思いつつ、王女が自分の魔法を放つ。
「エクスプロード!」
指示された通り、デーモンのわき腹を狙った一撃だった。
先程ダメージを与えた場所で、中規模の爆発が起こった。その威力がデーモンの体を大きくえぐる。頑丈なデーモンだが、体を二つに裂かれるばかりに傷つけられては終わりである。地に倒れ、霧状になって消えていった。
「王女殿下!」
その直後、護衛の騎士達と指南役が血相を変えて走り寄ってきた。たった一人で苦しい戦いをしていた王女の姿に、かなり気を揉んでいたのだった。戦いが終わり、無事な姿でいられたことが、彼らにとって何よりうれしいことだった。
「良かった。ご無事で何よりです。本当に見事な戦いぶりでした」
口々に王女の無事を喜び、奮戦を称えた。四人の騎士も指南役も、半分泣きそうな表情である。
「みなには心配を掛けました。済まないと思っています。ですが、出発前に言った通り、このフラビオ先生は私達の想像を超えるほどに強く、何があっても絶対に大丈夫だと信頼できます。今回もそうだったでしょう。おかげで私もまた一つ成長することができましたよ」
王女は満足そうな表情を浮かべて、配下にそう言ったのだった。
「おっと、戦闘後は、全員の無事の確認と自分の状態の把握をするのでしたね。みなは無事、先生も無事、私は魔法があと十回ですか。かなり消耗しましたね」
こんな時でも教わった事は忘れない。さすが優秀な王女である。
「残り魔法回数もかなり減ったことですし、今日はここまでですね。先生、これで引き上げにすべきですよね」
フラビオもうなずいて答えた。
「いい判断だ。帰り、不意の戦いがあるかもしれないから、余力を残すのは大事だ。撤退することに俺も賛成だ」
「分かりました。最後は激戦でしたが、ダンジョンでの訓練もこうして無事に終えることができました。それでは撤収しましょう」
こうしてレッサーデーモンとの戦いは幕を閉じた。
「先生はどうやって今の強さを身に付けたのですか」
帰り道、王女がフラビオに純粋な疑問をぶつけていた。確かに半端なことでは到達できない、異様ともいえる強さがある。
「あまり人には話したことはないんだが、まあ王女殿下にならいいだろう」
そう前置きして、フラビオは話し始めた。
「少し長い話になる。俺も十五才で魔法学院を卒業し、そのまま冒険者ギルドに登録、そこで出会ったメンバーとパーティを組んだ。戦士、シーフ、ヒーラー、そしてメイジの俺。全員初心者だが、バランスも良く、連携のとれたいいパーティだった」
もう十二年も前の話だ。懐かしく思い出される。彼らは本当にいい仲間だったと今でも思っている。
「パーティを組んで半年、レベルも今の王女と同じくらいになって、俺達はカルスのダンジョンに挑んだ。レベルが足りないのは承知の上で、それでも戦えると思い込んでいたんだ」
実際、今日の王女も最初の三戦は十分に戦えていた。相手さえ選べば、決して無謀な挑戦ではないはずだった。
「最初の頃は上の層で地道に戦っていたんだ。だけど、ある日、魔が差したというか業を煮やしたというか、少し下の階へ行こうという話になってな。地下五階まで下りたんだ」
今思い出しても大きな悔いだった。若さとは時に愚かしいものである。
「そこでグレーターデーモンが出やがった。本来なら地下二十階より下でしか出ないはずの、強力な魔物だ。俺達は必死に戦って、ある程度までダメージを与えたんだが、さすがに実力が不足し過ぎていたんだ。結局、全滅寸前にまで追い込まれてしまった」
最後は全員が負傷し、魔法の楯で防戦する一方に追い込まれたのだった。この前助けたパーティと同じ目に、フラビオ達も遭っていたのだった。
「運が良かったことに、通りすがりのパーティが俺達を助けてくれた。その連中はレベル二十超えの強いパーティだったよ。ああ、この強さがなければ強敵とは戦えないんだと、俺達は酷く打ちのめされたもんさ」
そのパーティは少し弱ったグレーターデーモンを、いとも簡単に打ち倒していた。そして救われたフラビオ達は、回復魔法を底が突くまで掛けて、ようやく全員が回復できた。その後、高レベルパーティに誘導されて、無事にギルドに戻れたのだった。
「そのことがあって、パーティメンバーがみなカルスのダンジョンを怖れるようになったんだ。ヒーラーは戦いを嫌って故郷に帰ってしまったし、戦士もシーフももっと気楽に潜れるダンジョンを希望して王都を離れた。俺は一人で残されて、途方に暮れたもんさ」
強さが足りないから全滅しかけてしまった。もし、自分がもっと強かったら、どんな魔物でも倒せる実力があれば、こんなことにはならなかったはずだ。フラビオは強くなることを固く決意した。
「強くなれば結果は変わる。そう信じて俺はひたすらに強さを求めた。ソロでダンジョンに挑んで、数えきれない戦闘をこなした。ソロでも回復できるようにヒーラーのレベルも上げた。探知が必要だからシーフのレベルも上げた。魔法で倒せない場合に備えて戦士のレベルも上げた。とにかく全てを捨てて、俺はひたすら魔物を狩り続けたんだ」
今思い出しても、あの頃はかなりの無茶をしていたものだと思う。
「だから、絶対王女殿下はまねをするなよ。命がいくつあっても足りないからな。そんな危険な戦いを、何度も繰り返した俺が言うのもおかしな話だけどな」
王女が静かにうなずいた。この強い先生でも、当然だがレベルの低い頃があったのだと思うと、新鮮な気分だった。そして、無茶な戦いの末に強さを手に入れたのだと知り、確かにまねすべきではないと強く思った。王女には父王も母王妃も兄も姉も弟もいる。大勢の家臣も国の民もいる。王女たる者、彼らを悲しませるようなことがあってはならないのだ。
「そんな戦いばかりの日々、辛くはなかったのですか」
王女にそう聞かれ、フラビオは苦笑しながら答えた。
「強くなりさえすればいいと思っていたからな。厳しい戦いもこれが当然と思っていたんだよ。でもな、それはある意味間違ってないと俺自身が証明できたんだ。レベルが二十を超えたあたりで、戦闘がかなり楽になった。レベル四十を過ぎる頃には、一対一で倒せない魔物はほぼいなくなった。レベル六十を過ぎてからは、もはや戦闘も作業のようにこなせるようになっていたな。そしてレベル九十を過ぎるまでに十年、ほぼ毎日ダンジョンに潜っていたな」
「そんなことがあったんですね。先生が強い理由が良く分かりました。ですが、確かに私にはまねはできません。私は私で、できる範囲で強くなっていこうと思います」
王女が半ば同情するような表情を浮かべた。青春時代を全てダンジョンに捧げてこの人は強くなったのだと知り、過酷な生き様に衝撃を受けたのだった。そして残り半分は、今の親切で優しい心根に、どうやってなったのかが疑問だったのだ。
「でも先生、今の先生はとても親切で優しい方です。強さばかり追い求めていたのは過去の話でしょう。どうしてそんな風に変わったんですか」
フラビオがまた苦笑を浮かべた。
「俺は養護施設の出身でね。そこの職員さん達にとても世話になったんだ。その恩返しをしようって思うようになったからなんだ」
「恩返し、ですか。でも、どうして急にそんなことを?」
「ダンジョンに潜っていたある日、もう七年くらい前だな、以前の俺達みたいに壊滅寸前のパーティに出会ってな。彼らを助けたことがきっかけで、そのパーティのヒーラーと知り合ったんだ。彼女も養護施設の出身で、ダンジョンでの稼ぎを、自分を育ててくれた施設に寄付していると言ったんだ。それまで俺は、ダンジョンで戦うために、自分の稼ぎは高価な回復薬や装備とかに使ってて、寄付なんてこと考えたこともなかったんだ。でも、彼女の言う通り、そのお金で助かる子供達が大勢いるんだって気付いてな。それから俺は、稼いだ金を自分の実家とも言える養護施設に寄付するようになったんだ」
なるほどとうなずきながら、王女が別のことを尋ねた。
「七年前、旅をしていたのにも、何か理由があるんですね」
「ああ。他人のために働くことの意味を知るために、いろんな人たちの様子を見ようと思ったんだ。何せ、ずっとダンジョン暮らしで、世間のことをろくに知りもしなかったからな。あれはいい旅だった。そうやって言われて、また少し旅をしてみたくなったよ」
フラビオが、今度はすっきりとした笑みを浮かべた。本当に気分の良い旅だったのだろうと、端で見ていた王女にも分かる表情だった。
「先生が旅をしてくれたおかげで、私と母、それに騎士達は命を救われました。今さらですが、感謝します。そして、先生と出会えたことは、私にとってとても幸運なことでした」
王女が頭を下げる。
「先生の話を聞いて、私、もっとやる気が出ましたよ。ですから、これは真剣なお願いです。今後も時間のある時に、また私をダンジョンに連れていって下さいね。先生がいれば、絶対安心ですから」
フラビオもこの王女のやる気は買っていた。若く美しい王女に魔物討伐はどうなんだろうかという気がしないでもなかったが、望みを叶えてやりたいとも思っていた。何より、これだけ立派な王女は国の宝だ。自分の手で守ってやりたいという気持ちもあった。
「分かった。また予定を合わせて、一緒にこのダンジョンに来よう」
「ありがとうございます。うれしいです」
フラビオの言葉を聞いて、王女は心からの笑みを浮かべたのだった。
王女殿下がレッサーデーモンと対決します。残念ながら、デーモンは強くて一人では勝てません。その辺の戦闘描写が今回のメインです。王女ともずいぶん親密になりましたね。もちろん再登場の予定はあります。




